賃貸不動産のレントロールとは? 基本の記載内容を5つ解説
賃貸不動産の売買やオーナーチェンジの募集などを行う際に活用される書類の一つに、“レントロール”があります。
不動産会社でレントロールを作成・確認するにあたって、どのような内容を記載するのか、その見方についても理解を深めておくことが重要です。
しかし、「レントロールがどういうものかよく知らない」「どのような内容を記載すればよいか分からない」といった方も多いのではないでしょうか。
この記事では、レントロールの基礎知識をはじめ、書面の記載内容について解説します。
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レントロールとは
レントロールとは、賃貸不動産における賃貸借契約の状況についてまとめた書面のことで、“家賃明細表”とも呼ばれます。
レントロールを見れば、賃貸借契約の条件や借主の状態を確認できるため、主に賃貸不動産の調査・評価を行う際に活用されています。
レントロールの作成方法には法律による定めはなく、不動産会社によって記載内容や形式もさまざまです。
レントロールは賃貸不動産のオーナーチェンジの際に、不動産会社が作成したものを引き継ぐことが一般的です。なかには、賃貸不動産のオーナーが独自で作成している場合や、レントロール自体が存在しない場合もあります。
レントロールの記載内容
レントロールの記載内容は、作成する不動産会社によって異なります。また、レントロールは、1つの書面に部屋ごとの情報を表にまとめて記載する形式が一般的です。
①部屋の情報
レントロールに記載する基本的な内容として、部屋に関する情報が挙げられます。
賃貸住宅には複数の部屋があるため、レントロールにはその部屋を特定するための基本情報を記載します。
▼部屋情報の記載例
項目 |
記載例 |
---|---|
部屋番号(号) |
101、102、103など |
間取り |
1LDK、2DK、2LDKなど |
用途 |
住居、店舗、事務所など |
専有面積 |
平米数(m2)、坪数 |
入居状況 |
入居中、空室 |
②入居者の情報
レントロールには、どのような人が住んでいるかを把握できるように、入居者の情報を記載します。
入居者の属性だけ記載する場合や、本人を特定できる氏名・国籍について記載しているケースもあります。
▼入居者情報の記載例
項目 |
記載例 |
---|---|
借主の属性 |
個人、法人 |
賃貸借契約の契約者名 |
個人名、または法人名 |
入居者の氏名 |
実際に入居する人の氏名 |
③お金に関する情報
賃貸借契約のお金に関する情報について、部屋ごとにレントロールに記載します。
▼お金に関する情報の記載例
項目 |
記載例 |
---|---|
賃料 |
7万5,000円 |
共益費(管理費) |
5,000円 |
敷金(保証金) |
7万5,000円 |
駐車料金 |
5,500円 |
毎月支払いが発生する賃料や共益費、駐車料金などの項目を記載します。
同じ条件の部屋でも、入居時期や入居年数によっては賃料・共益費が異なるケースがある点には注意が必要です。
また、家賃の滞納が発生した場合の補填や、退去後の原状回復工事のために敷金を徴収する場合には、敷金の金額もレントロールに記載しておくと、まとめて確認できます。敷金は、入居者の獲得のために一時的に減額・無料にするケースがあり、礼金も物件によっては徴収しないケースがあります。
駐車場を任意で貸している場合は、駐車料金の項目も記載します。
④契約に関する情報
レントロールには、賃貸借契約の内容や条件について記載します。
▼契約に関する情報の記載例
項目 |
記載例 |
---|---|
契約開始日 |
2022/12/20 |
契約終了日 |
2024/12/19 |
入居日 |
2022/12/21 |
契約開始日・終了日は、賃貸借契約の更新日を把握するために必要な情報です。契約終了日が近づいてきたら、借主・入居者に更新の意思を確認して適切な手続きを行います。
⑤そのほかの事項
賃貸借契約において、別途追記する事項がある場合には、レントロールの書面に備考・特約の記載欄を設けます。
▼そのほかの事項の記載例
項目 |
記載例 |
---|---|
告知事項 |
心理的瑕疵あり、物理的瑕疵あり |
特約 |
賃料免除期間、賃料減額、敷金ゼロキャンペーンなど |
備考 |
4月退去予定、更新手続き中 |
告知事項とは、不動産会社が入居者に告知する義務を負う事項のことです。告知事項については、賃貸借契約前の説明義務が一定期間あり、トラブルを防ぐためにレントロールにも記載します。
まとめ
この記事では、レントロールについて以下の内容を解説しました。
- レントロールの基礎知識
- レントロールの主な記載内容
レントロールは、賃貸不動産における賃貸借契約の内容・条件についてまとめた書面のことで、物件の調査・評価の際に重要な資料になります。
不動産会社がレントロールを作成する際は、基本的な記載事項を含めるとともに、別途追記が必要な項目についてもまとめておくことがポイントです。取り扱っている物件が多いほど、建物別に一覧化することで業務効率化につながります。
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