不動産の売買仲介営業で集客力を高める方法
不動産の売買仲介業は、売主と買主をつなげて売買契約を成立させることで利益を獲得しています。
しかし、「売主となる不動産オーナーが見つからない」あるいは「買い手が集まらない」といった状態では仲介手数料を得られず、利益につなげることができません。
不動産売買の仲介会社が利益を確保していくには、売主・買主の安定した集客が必要です。そこで本記事では、売買仲介会社における集客方法について、売主・買主それぞれのケースで解説します。
目次[非表示]
- 1.売主(不動産オーナー)の集客に有効な方法
- 1.1.①リスティング広告
- 1.2.②不動産一括査定サイト
- 1.3.③士業による紹介
- 2.買主の集客に有効な方法
- 2.1.①不動産ポータルサイト
- 2.2.②チラシ
- 2.3.③現地販売
- 3.まとめ
売主(不動産オーナー)の集客に有効な方法
売主となる不動産オーナーの集客には、リスティング広告・不動産一括査定サイト・士業による紹介という3つの方法が有効です。
①リスティング広告
リスティング広告とは、インターネットの検索エンジンと連動して配信る広告です。インターネットで不動産の売却に関して検索している売主に対してアプローチできるのが特徴です。
売主が検索しそうなキーワードを設定して広告を配信することにより、検索語句とマッチする広告を検索上位に表示できるようになります。
▼リスティング広告で集客を図るポイント
- ユーザーの検索意図を踏まえて不動産売却に関連するキーワードを選定する
- 2語・3語のキーワードを掛け合わせる(例:不動産売却 マンション)
- 入札単価と競合性を考慮する
競合性が高いキーワードに対して入札単価(※)を低く設定した場合、検索結果画面で上位表示されない可能性があります。リスティング広告を掲載する際は、検索ボリュームや入札単価などを考慮することがポイントです。
※入札単価とは、広告主がキーワード1クリックに対して最大いくら支払うかを示す金額のこと
②不動産一括査定サイト
複数の不動産会社で一括査定ができるポータルサイトに自社広告を掲載する方法もあります。不動産の売却、見積もりを検討している売主にアプローチできるのが特徴です。
なお、検索上位のポータルサイトに掲載することによって売主の目に留まる可能性が高まります。自社サイトへの流入数が少ない場合や自社の知名度が低い場合に有効です。
▼不動産一括査定サイトで集客を図るポイント
- 自社が強みとする不動産のジャンルを絞り、差別化を図る
- 過去の買取実績や査定ポイントを掲載して、自社への信頼性をアピールする
- 反響があった際にはスピーディに対応する
複数の不動産会社のなかから自社を選んでもらうには、実績や強みをアピールすることが重要です。また、競合他社に流れるのを防ぐために、売主から反響があった際にいかに迅速な対応ができるかもポイントとなります。
③士業による紹介
不動産の売買仲介では、司法書士や弁護士、税理士などから売主を紹介してもらえるケースがあり、相続や結婚、資産整理などを機に不動産売却を考えている売主と出会える可能性があります。
▼士業による紹介で集客を図るポイント
- 日頃の営業活動や交流会などで業界内外のコネクションを築く
- 交流のある司法書士や弁護士、税理士と定期的に接点を持っておく(手紙・電話など)
士業による紹介から契約につなげるには、日頃から業界内外の人脈を作っておく必要があります。また、紹介によるトラブルを防ぐために、紹介料や手数料などについて事前に定めておくこともポイントです。
買主の集客に有効な方法
不動産の購入を検討している買主の集客には、不動産ポータルサイト・チラシ・現地販売という3つの方法が有効です。
①不動産ポータルサイト
効率的に集客数を増やす方法として、売り物件・土地を検索できる不動産ポータルサイトに自社広告を掲載する方法があります。インターネット経由で売り物件を探している確度の高い買主に対して幅広くアプローチできるのが特徴です。
検索上位のポータルサイトに掲載することにより、自社サイトに流入が少ない場合でも集客につなげやすくなります。
▼不動産ポータルサイトで集客を図るポイント
- 自社が所有する物件、取扱い物件の属性に特化したサイトを選び、ターゲットを絞る
- 専任媒介する物件情報を増やして競合他社との差別化を図る
- さまざまな条件検索ができるサイトを選び、ミスマッチを防ぐ
掲載するポータルサイトを選ぶ際は、サイトの知名度の高さに加えて、自社との親和性も考慮しましょう。
②チラシ
新聞の折り込みチラシ・ポスティングによって売り物件を宣伝する方法もあります。インターネットを使用しない高齢者層やエリアを絞ったアプローチができることが特徴です。
物件購入を検討している人にチラシを見てもらえれば、店舗や展示会への来店を促すことができます。
▼チラシで集客を図るポイント
- 夫婦や子育て家庭など、住み替えを検討する人が住んでいそうな賃貸物件にチラシを配布する
- 来店特典やキャンペーン情報を掲載することで問合せを促進する
チラシを配布して買主を集客する場合は、住み替えニーズのあるターゲット属性を分析したうえでエリアを絞ることがポイントです。
③現地販売
現地販売とは、売り物件となる現地でオープンハウスを開催し、購入希望者を募集する営業手法です。売り物件の近隣に住む方や通り掛かりの人にアプローチできます。
基本的には来店予約や事前の問合せが必要ないため、気軽に足を運んでもらいやすい点が特徴です。また、実際に物件の内部を見てもらうことで買主の購買意欲を高められます。
▼現地販売で集客を図るポイント
- 事前にチラシ・看板を用いて現地販売の宣伝を実施する
- 家具やインテリアを配置して、住みやすさ・購入後の暮らしを訴求する
- アンケートで連絡先を収集し、来場後のメールマガジン(以下、メルマガ)配信・電話フォローを実施する
現地販売では、そこで実際に暮らすイメージを持ってもらうために、住宅の見せ方を工夫することがポイントです。その場で契約に至らなかった場合でも、来場後のフォローを実施することで後日契約につながる可能性もあります。
まとめ
不動産の売買仲介営業で利益を獲得するためには、売主・買主の集客数アップが欠かせません。
売主に対する集客には、リスティング広告の掲載、不動産一括査定サイトへの広告掲載、人脈を活用した紹介などの方法が有効です。広告を掲載する場合は、自社が強みとする不動産のジャンルをアピールし、買取実績や客付け力などを訴求しましょう。
また、買主に対する集客には、不動産ポータルサイトへの掲載、チラシの配布、現地販売の実施などの方法が有効です。競合他社との差別化を図るために専任物件の紹介を増やすとともに、エリアや住み替えの検討層を絞ったアプローチも実施しましょう。
売買仲介営業で利益の向上を目指すために、新たな集客手法を取り入れてみてはいかがでしょうか。