顧客はいつ、物件購入を決めているのか
お家の購入は、人生に1度あるかないかの大きな買い物です。「安いから、とりあえず買おうか!」と物件を見ないで購入を決めるという人は、ほとんどいないと思います。物件のご案内をしても「いい物件だけど、なかなか決められないよ」という顧客が多いのではないでしょうか。
私は、最近、車の購入を決断しました。車を買うのは大きな出費なので、かなり悩みました。普段の買い物であれば、悩まず、すぐに決断できるのですが、車となると、そう簡単にはいきません。
「別のメーカーも同じタイプの車があるので、その車も見てみようか。」
「この車を買って維持することができるのだろうか。」
「駐車スペースは大丈夫だろうか。」
「燃費は今の車と比べてどれくらい変わるのだろうか。」
買いたい車の情報を集めるために、スマートフォンでその車について書かれている記事を読みこみました。車選びで時間をかけて、じっくり探すのが、また楽しいのです。メーカーごとの特徴や走りのよさなど、記載されているいろんな意見を参考に決めました。
そして、その車に試乗するために自動車販売店に行きました!一応展示している車は一通り見ますが、もちろん乗りたい車は決まっています!
「この車試乗できますか?」
私は、すぐに試乗させてもらいました。想像した以上の乗り心地と静かで落ち着いた感じで、大変満足しました。それから、金額の話等聞き、事前にインターネットで調べた通りだったので、購入を決断しました!
さて、このような流れで私は車の購入を決断しましたが、私が、購入を決断したのは、いつでしょうか?
この1~5のどのタイミングだと思いますか?
1.よさそうな車を見つけた
2.その車の情報を集めた
3.販売店に行った
4.車の試乗をした
5.金額の話を聞いた
「全部聞かないとわからないから、5のあとでしょう」と思われる方も多いと思います。
でも私が、この車を買うと決めたのは、販売店に行く前です。販売店に行く前に買うことを決めていたのです。買うと決めていたから、試乗したかったのです。
車のカタログなどは、ネットで手に入りますし、評論家の記事や実際に購入した人の口コミなど、インターネットの情報は内容も充実しています。だから、実際に試乗する前に決めることができるのです。
不動産の場合はどうでしょうか?顧客はいつ購入を決めるのか?さて、先ほどの車と同じような流れで考えてみましょう。お客様が、購入を決断したのは、いつでしょうか?
この1~5のどのタイミングだと思いますか?
1.よさそうな物件を見つけた
2.その物件の情報を集めた
3.不動産会社に問合せをした
4.物件の内覧をした
5.諸経費やローンの話を聞いた
それは、不動産会社に問合せをする前です。インターネットで情報をみて、現地を外観から見て、最寄りの交通機関も調べて、これを買うと決めて問合せをしているのです。
では、そのようにインターネットで購入を決める時代で、自社の物件が選ばれるためには、どんな工夫ができるでしょうか?いろんな手段があると思いますが、一番効果的なものは写真です。
- 現地を見なければ、物件を決めることはない×・・スマートフォンで物件を決めている。確認のために現地を見ている
- 写真を載せすぎると、問合せが減ってしまう×・・写真が少ない物件は問合せも少ない。スマートフォンで確認できる情報が多い物件は問合せが多い。
きれいな写真を見ることで、購入意欲が湧き、現地に行って外観を確かめ、近くのスーパーや駅などの施設をチェックし、小学校までの距離なども確かめてから、不動産会社に連絡する人も増えています。ほぼ、顧客自身で購入を決めています。スマートフォン上で購入を決めて、現地の見学を予約し、現物の確認をしているのです。
これまでの、現物を確認してから、購入を決めるという流れとは大きく変化しました。案内に力を入れるよりも、写真に力を入れないといけない時代なのです。問合せをしてもらうために、写真を掲載するのではなく、購入を決めてもらうために写真を掲載しなくてはならないのです。
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