顧客ニーズを捉える! 顧客分析の3つのポイントと分析方法
不動産営業のマーケティング施策を考えるとき、「ターゲットへの効果的なアプローチの仕方が分からない」という賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理の不動産事業者の営業担当者さまもいるのではないでしょうか。
不動産営業では、売買や賃貸で取り扱う物件やターゲットが異なるほか、営業段階に応じた適切なフォローが必要です。さらに、顧客のニーズを押さえたアプローチを実施して、安定した売り上げを確保していくためには、顧客分析も欠かせません。
この記事では、顧客分析の目的を踏まえて、マーケティング施策や営業活動で活用できる顧客分析の3つのポイントと方法を解説します。
目次[非表示]
- 1.顧客分析の目的
- 1.1.①現状の可視化
- 1.2.②アプローチの最適化
- 1.3.③マーケティング施策の評価
- 2.顧客分析の方法
- 2.1.①CTB分析
- 2.2.②セグメンテーション分析
- 2.3.③RFM分析
- 3.顧客分析を実施する2つのポイント
- 3.1.①ペルソナを明確化する
- 3.2.②意思決定のプロセスを把握する
- 4.まとめ
顧客分析の目的
顧客分析とは、自社の商品・サービスを購入する顧客層の属性や購買行動などを分析することです。顧客分析を実施する目的は主に3つあります。
①現状の可視化
1つ目は顧客の購買活動を数値化して、現状を可視化する目的があります。
ターゲットとなる顧客の属性や傾向を把握することで、自社の課題や問題点を見つけることが可能です。また、競合他社や市場と比較して、自社の強みやポジションを把握する役割もあります。
②アプローチの最適化
2つ目は見込み顧客のステータスに応じた適切なアプローチにより、売り上げにつなげる目的があります。
不動産営業における見込み顧客は、人によって購買履歴やプロセス、興味関心度合いが異なります。顧客分析によって個々のステータス状況を把握することで、一人ひとりに合った適切なアプローチが可能です。
③マーケティング施策の評価
3つ目は実行したマーケティング施策の反応や効果を評価して、顧客分析を行う目的があります。
「当初の目標を達成できたか」「なぜ効果が得られなかったか」などを定量的に分析することで、自社の商品・サービスの改善やアプローチ手法の見直しに役立ちます。
顧客分析の方法
顧客分析は自社の商材や業務形態に応じた適切な分析手法を選定しましょう。ここでは、代表的な3つの顧客分析方法を紹介します。
①CTB分析
CTB分析とは、属性によって3つの指標から購買行動を分類する方法です。
▼CTB分析の3つの指標
- Category:商材の分類
- Taste:デザインやサイズ、グレードなど
- Brand:ブランド
顧客がどのような商品・サービスを購入しているかを把握することで、将来の需要を予測できます。商品・サービスの改善や新商品の企画に役立ちます。
②セグメンテーション分析
セグメンテーション分析とは、属性や特徴など、顧客の共通点を分析、属性ごとに細分化する方法です。
市場全体を年齢や性別、職種などさまざまな属性ごとに分類し、ターゲットとなる顧客像を決定します。多様化する顧客ニーズを把握したり、自社のポジションやターゲットを決定したりするために役立ちます。
③RFM分析
RFM分析とは、3つの指標から顧客の購買行動を分析する方法です。
▼RFM分析の3つの指標
- Recently:最新の購入日
- Frequency:購入の頻度
- Monetary:累計の購入金額
いつ、どれくらいの頻度で購入があったかといった購買状況を深掘りして、新たな顧客ニーズを発掘することが可能です。グループごとの顧客の特性を把握すれば、各グループに適したマーケティング施策を実行できます。
顧客分析を実施する2つのポイント
顧客分析を実施する際には、押さえておきたい2つのポイントがあります。ここでは、それらのポイントを順番に見ていきましょう。
①ペルソナを明確化する
1つ目のポイントは、自社の顧客層となるペルソナ(ユーザー像)を明確化することです。ペルソナが曖昧のままでは、顧客分析を正確に実施できません。
ターゲットとする顧客がどのような属性なのか、これまで取得した顧客属性や傾向などのデータを基にペルソナを設定します。ペルソナは性別・年齢だけでなく、ライフスタイルや趣味なども考慮しながら詳細に設定するのがポイントです。
②意思決定のプロセスを把握する
2つ目のポイントは、既存顧客がなぜ自社を選んだのか、意思決定のプロセスを把握することです。
住宅は、生活や家計に関わる商材のため、顧客が複数の企業を比較することにより検討期間が長期化することもあります。また、法人の顧客の場合、意思決定に至るまでに関わる人数が多く、プロセスが複雑化しやすいのが特徴です。
自社の既存顧客がどのような経緯で自社の商材を選んだのかを明確にすることで、より顧客のニーズに沿った商材の提案や宣伝に生かせます。
まとめ
不動産営業で顧客を獲得するには、ニーズや興味関心などに応じた適切なアプローチの実施が必要です。
顧客分析を行い、顧客の属性や購買行動、市場全体の需要などを把握することで、自社のターゲットに効果的なアプローチ手法を検討できます。マーケティング施策の効果を評価して改善につなげられるため、安定した売り上げを目指すためにも重要なプロセスといえます。
顧客層を見定めた営業アプローチの実施に向けて、顧客分析ができるツールやシステムの活用も検討してみてはいかがでしょうか。