不動産営業が抱える顧客管理の課題と解決策
現在の不動産営業では、インターネットやSNSが活用されており、顧客との接点が多様化しています。
Webサイトからの申し込みやインターネット広告の反響などから得た顧客情報が膨大になり、効率的なアプローチができていないというケースもあるのではないでしょうか。
獲得した見込み顧客の情報を蓄積し、営業やマーケティング活動に生かすためには、適切な顧客管理と分析に基づく効果的なアプローチを行うことが重要です。
この記事では、不動産営業における顧客管理の課題を踏まえ、解決方法や有効に活用できるツールについて解説します。
目次[非表示]
- 1.顧客管理の課題
- 2.顧客管理を適切に行うための解決策
- 2.1.①社内共有の顧客管理表を作成する
- 2.2.②顧客リストの整理・追客を自動化する
- 2.3.③複数チャネルでの顧客情報を一元管理する
- 3.CRM導入で不動産営業の顧客管理を効率化
- 4.まとめ
顧客管理の課題
不動産営業における顧客管理には、主に3つの課題があります。
営業の属人化
不動産営業では、顧客ごとに担当者が固定されているケースが一般的です。そのため、顧客情報や案件などの管理が属人化しやすい課題があります。
また、営業ノウハウや知識が蓄積されていない状況では、人材育成が進まず、スキルを標準化できない問題もあります。有望な顧客情報が社内で共有されないことで、案件化の機会を逃してしまう可能性があります。
非効率な追客業務
問合せや商談に至った見込み顧客に対して追客を行うことは、成約につなげるための重要な業務の一つです。しかし、追客の対象となる顧客情報を整理できていなければ、ターゲットの振り分けに労力がかかります。
さらに、電話・メール・DMなどの追客をすべて人手で行っている場合には、人的リソースが不足することも考えられます。
このように、日々の追客業務が非効率になることで物件提案や内見といったコア業務に時間を充てられず、生産性が低下してしまう可能性があります。
顧客接点の多様化
従来は、チラシや店頭広告、展示会などで顧客と接点を持つことが一般的でした。しかし、インターネットやSNSが普及した現在では、消費者自らが不動産会社・物件の情報などを手軽に収集することが可能です。
これにより、Webサイトからの問合せ、SNS広告からの流入など、顧客接点が多様化。企業が保有する顧客情報も膨大になり、顧客管理が煩雑化しやすいといった課題につながっています。
顧客管理を適切に行うための解決策
ここからは顧客管理における課題を解決するために、不動産会社が取り入れるとよい3つの方法を紹介します。
①社内共有の顧客管理表を作成する
顧客管理を行うために、社内共有の顧客管理表を作成する方法があります。顧客情報や案件の進捗状況を共有することにより、顧客情報が属人的に管理されるのを防ぎます。
顧客管理表を作成する際は、入力項目や記述ルールをマニュアル化して統一することがポイントです。登録するデータを標準化できるため、顧客情報の精度向上につながります。管理表の作成にあたっては、Excelや専用テンプレートなどを用いるとよいでしょう。
②顧客リストの整理・追客を自動化する
追客業務の手間や労力を削減するために、営業担当者が手作業で行っていた顧客リストの整理・追客業務を自動化する方法があります。
営業支援ツール(SFA:Sales Force Automation)やマーケティングオートメーション(MA:Marketing Automation)などのツールを活用することで、顧客リストの見込み度合を見極め、フェーズ分けが可能です。メール配信業務を効率化できるとともに、より質の高い追客が可能になります。
③複数チャネルでの顧客情報を一元管理する
膨大な顧客情報を管理するために、顧客情報の収集・管理を一元化できるシステムの導入も有効です。Webサイト・SNS・メール・電話など複数チャネルの顧客情報を可視化し、スムーズな社内共有ができます。
また、不動産営業に関わる情報を一元化し、収集した顧客情報を分析することで、より有効な営業戦略を立てるのに役立てることも可能です。効率的に営業活動を進められるため、生産性の向上も期待できます。
CRM導入で不動産営業の顧客管理を効率化
不動産営業の顧客管理を効率化するために役立つのが「CRM:Customer Relationship Management」です。
CRMとは、顧客管理システムのことで基本的な顧客情報に加え、対応履歴や追客状況などを蓄積・管理できます。CRMを導入することで、多様化する顧客との接点や顧客のニーズに対応し、ターゲットに適したアプローチが可能になります。
▼CRMでできること
- 案件の進捗状況、追客状況の可視化
- Web上で反響のあった顧客情報を自動で登録
- メール配信の自動化、メール作成の簡素化(ひな型、物件の自動選定など)
- 分析、レポート機能による顧客行動や営業プロセスの分析
CRMは膨大な顧客データを一元管理し、社内で共有・蓄積できるため、属人化の解消、スキルの平準化にも有効です。
また、分析によって効果的な手法や見込み度合いを測れるため、アプローチの精度を高められます。顧客管理における課題解決に役立つため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
インターネットやSNSの利用が普及した現在、ターゲットに対して多様な方法でアプローチできる一方、顧客接点が多様化し、管理が煩雑になるという課題が生まれています。
営業担当者が個別で顧客情報を管理している場合、社内で情報共有が適切に行われなければ効果的なアプローチができません。さらに、顧客の振り分けやメール配信に手間がかかり、追客が非効率になるという課題も挙げられます。
効率的に顧客管理を行い、適切なアプローチを実施するには、顧客管理表の作成をはじめ、管理を自動化・一元化できるツールやシステムの活用が有効です。
顧客管理が煩雑化している不動産会社さまは、顧客管理を一元化できるCRMの導入を検討してみてはいかがでしょうか。