ホームステージャー資格とは?難易度や取得方法、学ぶメリットを紹介

不動産市場における競争が激化するにともない、物件の“見せ方”が成約率を左右する時代を迎えています。そこで注目されているのが、ホームステージャーという専門資格です。
本記事では、ホームステージャー資格の概要や難易度、合格率といった基本データから、取得することで得られる具体的なメリットまでをわかりやすく解説します。
目次[非表示]
- 1.ホームステージャーとは
- 1.1.ホームステージャーの定義
- 1.2.主な業務内容
- 2.ホームステージャー資格の種類
- 2.1.ホームステージャー2級資格
- 2.2.ホームステージャー1級資格
- 2.3.初期費用
- 3.資格取得にかかる費用
- 3.1.受験料と講座費用
- 3.2.更新費用とランニングコスト
- 4.ホームステージャー資格を取得するメリット
- 4.1.営業力を高められる
- 4.2.売却期間・空室期間の短縮につながる
- 4.3.競合物件との差別化ができる
- 5.まとめ
ホームステージャーとは
ホームステージャーとは、物件の購入・賃貸検討者に前向きな検討を促す専門家です。売却・賃貸物件にインテリアや家具を配置して魅力的に演出し、成約につなげる役割を担います。
ホームステージャーの定義
ホームステージャーはホームステージングを行う専門家であり、日本ホームステージング協会(以下、協会)が認定する民間資格の名称でもあります。
「ホームステージング」とは、不動産の売却や賃貸を有利に進めるために、物件の内装を戦略的に整える手法を指します。家具の配置・照明・小物などを組み合わせ、物件の魅力を最大限に引き出すのが主な目的です。
個人の好みの装飾に整えるインテリアコーディネートとは異なり、「いかに早く・高く売るか」という不動産ビジネスの視点が根底にあります。
主な業務内容
ホームステージャーの業務は、物件の片づけ・清掃から始まり、家具の配置やインテリアコーディネートまで多岐にわたります。部屋全体に統一感を持たせ、広く・明るく・生活イメージが湧くようにコーディネートするのが主な仕事です。
具体的には、不要な家具や生活感のある私物を整理する作業からスタートします。
そのうえで、ターゲットとなる購入・賃貸検討者の層に合わせた家具やファブリック(カーテンやクッションなどの布製品)などを選定し、空間全体を演出していきます。
物件の写真映えを意識したレイアウト提案も、重要な業務の1つです。近年は、ポータルサイト掲載用の写真撮影のためのステージング対応も増えています。
ホームステージャー資格の種類

ホームステージャーの資格には、「2級」と「1級」の2種類があり、それぞれ対象者や習得内容が異なるため、自身の目的に合わせて選びましょう。
ホームステージャー2級資格
2級は、ホームステージングの基礎知識を習得するための入門資格です。提案力を高めたい不動産営業担当者に有用な資格です。
受講資格は特になく、1日(約5〜6時間)の講座を受講し、修了試験に合格すれば取得できます。オンライン・対面のどちらかを選べるため、忙しい社会人でも受講しやすい点が特徴です。
カリキュラムはホームステージング概論・片づけ・掃除・インテリアの基本が中心で、不動産業務の経験があれば内容を理解しやすいでしょう。合格率は公式には公表されていませんが、正誤式25問・80点以上で合格となる形式で、講座をしっかり受講すれば十分合格できる難易度といえます。
ホームステージャー1級資格
1級は、プロとして活躍するための専門知識と実技を習得する資格です。2級取得が前提条件となっていますが、2級を取得せずに直接1級を受講できる「チャレンジ受講」制度も設けられています。
カリキュラムは2日間(計12〜15時間)で、詳細なインテリア技術・実務ノウハウ・実技実習を含みます。また、「HOME」と「LIFE」の2種類があり、対象とする物件や演出スタイルによって選択可能です。
合格率は公式には公表されていませんが、実技を伴う分、2級よりも難易度が上がります。ただし、講座内での実習を通じて十分に対策できるため、実務経験がある方であれば取り組みやすいでしょう。
初期費用
サブスク型住宅では、入居者の敷金・礼金・仲介手数料を抑える設計が一般的です。ただし、事務手数料や初回清掃費を別途設定するケースもあります。
オーナーへの収益還元の設計も、初期費用を月額に内包する方式・清掃費を別建てにする方式・稼働率に連動した分配方式など、複数のパターンがあります。
「初期費用ゼロ」という訴求だけに頼らず、費用の内訳と回収方法を数値で提示することで、オーナーの納得感と安心感を高められるでしょう。
資格取得にかかる費用
ホームステージャー資格の取得・維持には、講座受講料や更新費用がかかります。事前に全体のコストを把握したうえで、受講を検討するとよいでしょう。
受験料と講座費用
資格取得にかかる費用は、級によって大きく異なります。
2級の講座受講料は、教材費込みで29,700円〜33,000円(税込み)です。受講形態によって異なり、来場型・オンライン型が33,000円、e-ラーニング型が29,700円となっています。
1級の講座受講料は、教材費込みで110,000円(税込み)です。2日間にわたり、実技実習を含む本格的なカリキュラムのため、2級よりも費用が高くなります。
更新費用とランニングコスト
資格自体の更新は不要なため、取得後に追加の更新費用は発生しません。ただし、協会に入会する場合は年会費が必要です。「ホームステージング」や「ホームステージャー」という名称は協会によって商標登録されているため、資格取得者であることを明示して仕事をするためには、実質的に会員継続が不可欠だといえます。
会員区分はアドバンス会員とベーシック会員に分かれており、年会費は1万円程度です。会員になると、最新の市場情報の提供や業界交流イベントへの参加といった特典を受けられます。
一方で、協会会員を継続しない場合は「ホームステージャー」の表記やロゴマークを名刺などに入れられない点に注意が必要です。
ホームステージャー資格を取得するメリット

ホームステージャー資格を取得することで、営業力の強化・成約スピードの向上・競合との差別化などのメリットを得られます。それぞれ、具体的なデータを基に見ていきましょう。
営業力を高められる
ホームステージャー資格を取得すると、物件の魅力を最大限に引き出す具体的な演出提案ができるようになり、顧客からの信頼獲得につながります。「ビフォーアフター」を比較して提案することで説得力が増し、売主・貸主へのサービス説明もスムーズになるでしょう。
実際に、日本ホームステージング協会が実施した調査をまとめた「ホームステージング白書2024」によると、ホームステージングを導入した不動産会社の43.3%が「内覧後の成約率が上がった」と回答しています。
また、賃貸においては、ホームステージング実施後に60%以上の事業者が「賃料をアップしても成約できた」と回答しています。価格競争で優位に立つためにも有効な手法といえるでしょう。
売却期間・空室期間の短縮につながる
ホームステージングの導入によって、成約までのリードタイム(契約に至るまでの期間)を短縮できます。これは、不動産会社にとって、回転率の向上にもつながる重要なメリットです。
「ホームステージング白書2024」によると、売買物件において、ホームステージング実施後2ヶ月以内に成約した割合は約70%(69.9%)にのぼります。賃貸においても約82%(81.8%)が2ヶ月以内に成約しており、空室対策として有効であることがわかります。
長期間売れ残っている物件や空室が続く物件に対する資格保有者による提案は、価格を下げる前の打開策となるでしょう。
競合物件との差別化ができる
ホームステージャー資格を取得することで、他社との差別化につながります。
「ホームステージング白書2024」では、高価格帯物件の増加に伴う物件の差別化ニーズの高まりが、ホームステージング導入の主要な動機の1つとして挙げられています。サービスの付加価値として「ホームステージング対応」を打ち出すことで、集客面でのアピールポイントになるでしょう。
さらに、売主・貸主の満足度においても「少し満足度が上がった」「大幅に満足度が上がった」の合計が84.2%に達しています。この結果から、ホームステージングの提案が、顧客ロイヤルティの向上にも貢献することがわかります。
まとめ
ホームステージャー資格は、物件の魅力を引き出す演出力と不動産ビジネスの実務を同時に習得できる実践的な資格です。
取得することで、成約率の向上・売却期間の短縮・競合との差別化などの実務面でのメリットを得られます。現場での提案力を鍛え、人材価値を高めるためにも有意義な学びとなるでしょう。









