不動産業界で役立つ9つの資格! 概要と難易度を一挙解説
不動産業界で役立つ資格には、実務に役立つとされる資格や法律に関する資格のほかに、今後のキャリアアップにも有利に働く資格があります。
これから先、不動産業界での活躍を目指している方は自身の武器になる資格を身につけることを考えてみてはいかがでしょうか。今回は不動産業界で役立つ9つの資格について、難易度とともにご紹介します。
目次[非表示]
- 1.不動産業界で役立つ国家資格
- 1.1.①宅地建物取引士
- 1.2.②FP(ファイナンシャルプランナー)
- 1.3.③マンション管理士
- 1.4.④司法書士
- 1.5.⑤建築士
- 1.6.⑥賃貸不動産経営管理士
- 2.キャリアアップにも有利な民間資格
- 2.1.⑦公認 不動産コンサルティングマスター
- 2.2.⑧任意売却取扱主任者
- 2.3.⑨インテリアコーディネーター
- 3.まとめ
不動産業界で役立つ国家資格
国家資格とは、国の法律で規定されている資格のことです。資格を取得することで、専門知識を有する者として認定されます。
①宅地建物取引士
売買や賃貸契約など、不動産取引に役立つのが宅地建物取引士です。
▼難易度と合格率・おすすめの対象
難易度 |
高い |
---|---|
合格率 |
15%前後 |
おすすめ |
・今後不動産業で働きたい方 ・お給料を増やしたい方 |
不動産取引にまつわる法律やルールが身につくため、不動産業界全般で活用できます。また、不動産業を営む場合は、業務に従事する者5名のうち1名以上の割合で宅地建物取引士を設置することが義務づけられています。
さらに、不動産の重要事項説明は、宅地建物取引士の資格を有する者でなければ行えません。資格があると手当がつく会社も多く、収入アップにも役立ちます。
②FP(ファイナンシャルプランナー)
個人や企業の資産運用または資金計画をサポートするための資格です。
▼難易度と合格率・おすすめの対象
難易度 |
・1級:高い ・2級:中級程度 |
---|---|
合格率 |
・1級 ・2級 |
おすすめ |
・FPとしての実務経験がある方 ・宅地建物取引士のプラスアルファとなる資格が欲しい方 |
高額な取引が発生する不動産業界では、税金や資金計画に関する知識を役立てられます。
※1・・・FPの1級学科試験は金融財政事情研究会のみが実施している。
③マンション管理士
マンションの管理組合の仕組みや構造、取り組みなどの知識を学べる資格です。
▼難易度と合格率・おすすめの対象
難易度 |
高い |
---|---|
合格率 |
8%前後 |
おすすめ |
・不動産コンサルティング会社への就職を考えている方 ・マンション経営や不動産投資を考えている方 |
管理組合の運営や入居者とのトラブル仲介、維持・補修のアドバイスなど、マンションに関わる業務に役立ちます。
④司法書士
個人や企業の代わりに法律に関する書類の作成・手続きを行える資格です。
▼難易度と合格率・おすすめの対象
難易度 |
非常に高い |
---|---|
合格率 |
5%前後 |
おすすめ |
・不動産登記の際に生かせる資格を取得したい方 ・膨大な勉強時間を確保できる方 |
不動産登記の業務をはじめ、土地や建物の売買業務に携わる場合に役立ちます。最難関国家資格の一つですが、取得によって不動産業界だけでなく、司法書士事務所や一般企業などへも活躍の場が広がります。
⑤建築士
不動産の設計や管理などの知識・スキルを身につける資格です。
▼難易度と合格率・おすすめの対象
難易度 |
・一級建築士:高い ・二級建築士:比較的高い ・木造建築士:中級程度 |
---|---|
合格率 |
・一級建築士:10%前後 ・二級建築士:25%前後 ・木造建築士:35%前後 |
おすすめ |
・不動産に関する専門的な知識を身につけたい方 ・将来独立しようと考えている方 |
指定科目を修了していることが受験条件となるため、建築学科・学部のある学校に通う必要があります。建築士の資格は、物件の新築やリフォームを手がけるため、建築関係に携わる仕事に役立ちます。
⑥賃貸不動産経営管理士
賃貸アパートやマンションなど、賃貸住宅の管理業務に役立てられる資格です。
▼難易度と合格率・おすすめの対象
難易度 |
中級程度 |
---|---|
合格率 |
30%前後 |
おすすめ |
・不動産業界で行う業務の幅を広げたい方 ・賃貸経営をしようと考えている方 |
賃貸不動産経営管理士の資格は、2021年6月に国家資格化されました。賃貸不動産の管理に関する専門的な知識・技能・倫理観を持つことで、家主や入居者に対し、公正中立な立場で職務を行う際に役立ちます。
キャリアアップにも有利な民間資格
不動産業界に生かせる資格は、国家資格だけでなく、民間団体や企業が認定している民間資格もあります。
⑦公認 不動産コンサルティングマスター
公益財団法人不動産流通推進センターが認定する公的資格です。
▼難易度と合格率・おすすめの対象
難易度 |
比較的高い |
---|---|
合格率 |
43%前後 |
おすすめ |
不動産業界で仕事の幅を広げたい方 |
不動産の売買や賃貸、投資、相続など幅広い分野に対応し、依頼者のニーズに応じた提案や企画を行います。
不動産に関わる総合的な知識と、高度かつ専門的な知見、提案力が必要です。転職やキャリアアップ、収入アップに有利ですが、一定の受験資格と実務経験が求められます。宅地建物取引士・不動産鑑定士・一級建築士の3つのうちどれか1つの資格と5年以上の実務経験が必要です。
⑧任意売却取扱主任者
一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会が認定する民間資格です。
▼難易度と合格率・おすすめの対象
難易度 |
比較的低い |
---|---|
合格率 |
40%前後 |
おすすめ |
任意売却を中心とした業務に携わる方 |
不動産の任意売却に必要な知識を身につけて、債権者との協議や連帯保証人との合意などのサポートを行います。ただし、任意売却取扱主任者は業務独占資格ではないため、この資格の所有者でなくても上記の業務を行えます。
⑨インテリアコーディネーター
公益社団法人インテリア産業協会が認定している民間資格です。
▼難易度と合格率・おすすめの対象
難易度 |
比較的低い |
---|---|
合格率 |
25%前後 |
おすすめ |
任意売却を中心とした業務に携わる方 |
住宅や店舗、オフィスなどのインテリアを選び、デザインや内装の提案を行います。住宅やモデルルームのレイアウト設計、住宅購入者へのインテリアアドバイスなどの業務に役立ちます。家具や照明などインテリア関係の仕事のキャリアアップにも有用です。
まとめ
未経験で不動産業界への就職を目指す方には、不動産取引や営業などの基本的な知識を網羅できる宅地建物取引士の取得を目指すことをおすすめします。
そのうえで、税金や資産運用などのアドバイスを行えるファイナンシャルプランナーの資格を取得すれば、住宅ローンの手続きや資金計画の提案にも役立てられます。
将来的に目指す分野や試験の難易度、合格率などを考慮したうえで、自身に役立つ資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。