不動産の即決営業とは? メリット・デメリットや即決してもらうコツ
不動産の賃貸・売買の仲介営業では、商談が長期化したり、他社と契約されたりするケースがあります。実際に、顧客の検討期間が長期化する傾向にあり、「スムーズに契約につなげるための方法が知りたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
商談の長期化による契約意欲の低下や競合他社への流出を防ぐためには、契約までのリードタイムを短くする必要があります。そこで取り入れるとよい営業方法の一つが、スピード感のある“即決営業”です。
本記事では、不動産営業で即決営業を行うメリット・デメリットをはじめ、顧客に即決してもらうためのコツについて紹介します。
目次[非表示]
- 1.即決営業とは
- 2.不動産営業における即決営業のメリット・デメリット
- 2.1.メリット
- 2.1.1.①契約につながりやすい
- 2.1.2.②営業効率が向上する
- 2.2.デメリット
- 2.2.1.①キャンセルのリスクがある
- 2.2.2.②不信感を抱かれる可能性がある
- 3.不動産仲介営業で即決してもらうための5つのコツ
- 3.1.①商談のゴールを明確にする
- 3.2.②新生活をイメージしてもらう
- 3.3.③限定感をアピールする
- 3.4.④顧客の不安を取り除く
- 3.5.⑤契約する・契約しないの結論をもらう
- 4.まとめ
即決営業とは
即決営業とは、商談したその場で契約を締結する営業手法のことです。不動産営業では、顧客の検討期間が長くなることが一般的です。しかし、以下のような場合には一度の商談で契約につながるケースもあります。
▼即決営業で契約につながりやすいケース
- 転勤や進学などで引越し時期が決まっている場合
- 賃貸への引越しを検討している場合
上記のようなケースでは、物件問合せや来店があった時点ですでに契約への意欲が高まっている状態といえます。契約までのリードタイムが短くなりやすいため、即決につながる可能性も高くなると考えられます。
このような場合に商機を逃さず、競合他社に先に決められないためには、即決営業で契約を締結することが重要です。
不動産営業における即決営業のメリット・デメリット
リードタイムが短い顧客に対する営業方法として有効な即決営業ですが、具体的にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
ここからは、不動産営業で即決営業を実施するメリット・デメリットを解説します。
メリット
はじめに、即決営業を行うメリットについて見ていきましょう。
①契約につながりやすい
即決営業は一度の商談で契約まで進むため、契約に対する意欲の低下を防ぐことが可能です。
顧客の契約意欲が高い状態で決断を後押しすることで、契約につながりやすくなります。また、複数回にわたって商談を行う場合と異なり、時間が空くことによって競合他社に顧客が流れてしまうことも防止できます。
②営業効率が向上する
一度の商談で契約を結ぶことで、追客の労力を削減できる点もメリットです。
契約につながる見込みが低い顧客への追客アプローチに対応する人的・時間的コストを削減できます。それにより、営業効率が高まり、営業チームにおける生産性の向上にもつながります。
デメリット
次に、即決営業を行うデメリットを2つ紹介します。即決営業は、メリット・デメリットの両方を理解したうえで実施することが重要です。
①キャンセルのリスクがある
契約時点で顧客に不安や疑問が残っている場合には、契約後にキャンセルされる可能性もあります。「もっとよい条件の物件があるのでは」「ほかの店舗ならもっと安く契約できるのでは」といった理由で迷いが生じるケースも考えられます。
即決営業をする際は、ヒアリングによって物件・契約・料金などに対する顧客の疑問や不安を取り除き、入居の意欲を維持することが重要です。
②不信感を抱かれる可能性がある
強引に契約に結びつけようとすると、営業担当者に対して不信感を抱かれる可能性があるため注意が必要です。営業担当者への信頼が低下すれば、契約につなげることが難しくなるだけではなく、クレームを招く可能性もあります。
即決営業では、強引にならないよう配慮し、あくまでも最終的な判断は顧客に委ねるという姿勢を保つことが重要です。
不動産仲介営業で即決してもらうための5つのコツ
ここからは、不動産営業で即決してもらうためのコツを5つ紹介します。
①商談のゴールを明確にする
本格的な物件提案に入る前に、“商談のゴールは契約”であることを伝えて、顧客と共通の意識を持つのがコツです。
「まずは物件紹介や内見だけでも…」というスタンスの場合、顧客が決断の必要性を十分に感じられず、契約を先延ばしにされるケースがあります。
商談のゴールが契約であることを冒頭で明確にしておくことで、本格的に検討する意識が生まれ、即決につながりやすくなります。
②新生活をイメージしてもらう
物件提案のプロセスでは、顧客の契約への意欲を高めるために、新生活を具体的にイメージしてもらう必要があります。
その物件を選ぶことにより、顧客の趣味や理想のライフスタイルがどのようにかなえられるのかを伝えるとよいでしょう。
顧客の契約に対する意欲が高まると、即決につながりやすく、契約後のキャンセルリスクも低減できます。
③限定感をアピールする
商談時には、顧客が「いま契約したほうがお得」と感じられるような限定感を出すこともコツです。「いま決断すればメリットが得られる」あるいは「ほかにも購入を希望している方がいる」などとアピールすることで、即決につながりやすくなります。
▼限定感をアピールする際の例
- 当日申し込みの場合、新品のエアコンを無料設置、または家賃1ヶ月分をサービスする
- 内見予約が多数入っているため、今決めないと先決される可能性があることを伝える
④顧客の不安を取り除く
商談の際、顧客の疑問や不安を取り除き、信頼・安心感を得てもらうことも欠かせません。即決営業では、顧客に「いま決めてしまったら後悔しないだろうか」という不安が生まれやすくなります。
商談時には、「気になる点はないか」「不安な要素はないか」などをヒアリングしたうえで、解決策・改善策を提示することがコツです。
顧客が抱く不安や疑問を一つひとつ取り除いていくことで、契約に向けて背中を押すことが可能です。営業担当者の信頼獲得につながり、契約後のキャンセルやトラブルの防止にも有効といえます。
⑤契約する・契約しないの結論をもらう
商談のクロージングでは、契約するか否かの2択を提示するのがコツです。
結論をあいまいに聞き出すと、契約を先延ばしにされる可能性が高くなってしまいます。「契約する」「契約しない」という明確な2択を提示して決断を促すことで、即決につながりやすくなります。
また、この時点で決断を悩んでいる顧客に対しては、契約を結ぶうえでの懸念・問題点があることが予想できます。これらをヒアリングして解消することで、契約へと進むケースもあります。
まとめ
不動産の仲介営業には、一度の商談で契約につなげる“即決営業”があります。即決営業は、契約につながりやすく営業効率を向上できるメリットがある一方で、キャンセルされるリスクや不信感を抱かれる可能性があるといったデメリットもあります。
顧客に即決してもらうためには、商談のゴールを明確に伝えて購買意欲を高めること、限定感をアピールすること、契約する・契約しないの2択を提示することがコツです。
契約を先延ばしにされることが多いという場合は、今回ご紹介した即決営業のコツを踏まえて、商談方法を見直してみてはいかがでしょうか。