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営業ノウハウ

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売却査定の長期追客において重要なポイントとは

不動産物件売却における「追客(ついきゃく)」とは、不動産を売却する見込みのお客様に対し、「媒介契約」の締結、そして最終的には「物件売却の成約」に至るまで営業行為を行うことを言います。

不動産物件売却における見込み客は、長期検討者となることが多いです。

相続等の特殊な事情が無い限り、安くても短期で売却というお客様は少ないのです。

そんな実情もあり、現実的には「お客様に長期的・継続的にアプローチすることはなかなか難しい」と考えている不動産売買仲介担当者は多いのではないでしょうか。

そこで今回は不動産売買のプロとして20年以上不動産業界に携わり、不動産鑑定士でもある三輪 歩己氏に「売却査定の長期追客において重要なポイントとは」について教えてもらいました。

目次[非表示]

  1. 1.長期追客の目的
    1. 1.1.短期追客と長期追客の違い
  2. 2.長期追客のポイント及び追客の方法
    1. 2.1.電話
    2. 2.2.DM(ダイレクトメール)
    3. 2.3.メルマガ
    4. 2.4.ステップメール
  3. 3.まとめ

長期追客の目的

長期追客の目的は、ずばりお客様との「信頼関係の構築」です。そのために注目していただきたい心理学の法則があります。

それは、「ザイオンス効果」です。

「ザイオンス効果」とは、人は、特定の人やものに接する回数が増えるほどその対象に対して好印象を持つようになる現象のことをいい、単純接触効果とも言います。

ビジネスシーンでは、商談や商品の広告において同じ効果が期待できます。

つまり1回に、長い時間をかけて相手を説得したとしても期待した結果を得られませんが、1回1回は短い時間であったとしても、複数回に分けて何度も接触した方がいい結果を期待できるのです。


短期追客と長期追客の違い

不動産物件売却における追客は、大きく分けて、「短期追客」と「長期追客」に分けられます。

「短期追客」は、対面もしくは電話での押せ押せの営業です。契約を取りに行くというスタンスになります。

一方、「長期追客」は、複数回に分けて何度も接触し、上記のようにお客様との「信頼関係の構築」が目的であるため、いくつかの方法を組み合わせて、そのお客様に合わせた効果を得ることが重要となります。

お客様によっては、内容を大切にされる方もいますし、見た目の印象を重視される方もいます。また、声や雰囲気を重視される方もいます。そのため、それぞれのお客様に合わせることが必要なのです。

不動産売買仲介の場合は長期検討者が多いため、営業担当者にとって長期追客は売上を伸ばすためには欠かせない活動となります。

長期追客のポイント及び追客の方法

長期追客のスタンスのポイントとしては、「お客様の立場に立ち、お客様に寄り添う=お客様にとって有益となる情報(お客様が欲しい情報)を提供する」ということが最も重要になります。

追客の方法は、下記のように、「電話」、「DM(ダイレクトメール)」、「メールマガジン」、「ステップメール」等があります。

特に長期追客に向いている「メルマガ」、「ステップメール」について詳しく解説していきたいと思います。


電話

電話NGのお客様を除いて、ファーストステップは電話となります。

その時の反応により、対面もしくは電話で短期追客をすべきお客様か長期追客をすべきお客様かを判断し、お客様を分類することになります。

理想的には、反響即アポ(案内)ですが、なかなかそれができないお客様もいらっしゃいます。


DM(ダイレクトメール)

マーケティング活動において用いられるターゲット宛てに郵便物を送って直接プロモーションを行う手法です。

マスメディアやインターネットを通じて広告を配信するといった手法と比較して、ターゲットの元へ情報が到達する可能性が高く、その意味では効果的・効率的な手法となり得ます。


メルマガ

発信者が定期的にメールで情報を流し、読みたい人が購読するようなメールの配信の一形態をいいます。

正式にはメールマガジンと言い、接触回数を増やすことで登録した読者と交流を図り、「見込み客→お客様」「お客様→優良お客様」への発展を目的としています。

具体的には、メルマガはセールス情報、企業ニュース、セミナー情報など企業側のタイミングで最新情報を発信するのに適しています。

そんなメルマガの中に「成約事例のご紹介」や「不動産相場情報」等を盛り込むことにより、お客様にとって有益となる情報を届けられ、喜んでもらえるのです。

上記のザイオンス効果及びお客様にとって有益となる情報(お客様が欲しい情報)を提供するというスタンス両面からみて、長期追客に適した方法ということができます。


ステップメール

ステップメールとはあらかじめ設定された複数のメールを、登録や申し込み等のあった日を起点とし、一定期間等の条件で、定期的に配信し続けるサービスをいいます。

ステップメールは「伝えたいことを段階的に配信する」ことを目的としており、「起点となるアクション(会員登録や決済)」が配信スタートのタイミングとなります。

具体的には、不動産のような高額商品を扱う場合やノウハウ発信を行う場合によく利用されます。

高額商品を扱う場合、利用者は「比較・検討」する時間が長くなります。

読者の商品への関心が高まった段階でステップメールを配信し興味を高めることで、段階的に送られてくるステップメールが検討材料となり、実際の成約につながる可能性が高くなります。

ステップメールでは、「読者にどのような行動を促したいのか(ゴール)」を意識することが大切です。今回のケースでは、「媒介契約」の締結、その後の「物件売却の成約」がゴールとなります。

ステップメールも、メルマガと同様に長期追客に適した方法ということができます。

また、優秀な営業担当者でも、同時に長期追客が可能なのは数人のお客様であり、数十人、数百人とコンタクトを取り続けるのは非常に難しいものです。そのため、経営者としての視点で見ても、メルマガやステップメールを用いて、機械的に追客させるというのは長期追客の戦法として非常に効率的で重要です。

まとめ

「追客とは」から始まり、目的、追客のポイント、追客の方法等について解説してきましたが、常にお客様の立場に立ち、“FOR CUSTOMER”の精神で行動することが非常に大事です。

お客様も営業マンのことをその視点からチェックしていると心得てください。

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三輪 歩己
三輪 歩己
不動産鑑定士 宅地建物取引士 日本証券アナリスト協会検定会員(CMA) 相続診断士 J-REC公認不動産コンサルタント 名古屋市立大学薬学部卒。大学在学中に不動産鑑定士2次試験合格。 日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や不動産証券化業務に従事。 その後外資系不動産ファンド等にて物件購入・管理・経営企画等業務に従事。 約20年間の鑑定・宅地建物取引業の経験を活かし、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。同社では、不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、 不動産専門の相続診断士として活動を行う。 地元の高円寺では、地域貢献活動を行い、高円寺氷川神社氏子青年会の副会長を務める。

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