部下を成長させる上司の特徴と育成のポイント
新入社員や部下の育成において「なかなか成長が見られない」「自身の育成方法に問題があるのではないか」などと悩んでしまうことはありませんか。
部下を成長させるためには当人の努力はもちろんですが、指導方法にも目を向けることが重要です。部下がモチベーションを保ちながら成長意欲を持って仕事に取組むことに上司の適切なサポートやフォローが欠かせません。
今回は不動産事業者の部下を例に、部下を成長させる上司の特徴を踏まえ、指導の際に気をつけたいポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.部下を成長させる上司の3つの特徴
- 1.1.①部下を否定しない
- 1.2.②部下の長所・短所を見つけられる
- 1.3.③成長意欲を刺激できる
- 2.部下の成長を後押しする4つの育成のポイント
- 2.1.①スキルに見合った仕事を任せる
- 2.2.②チームで目標を共有する
- 2.3.③仕事のプロセスを評価する
- 2.4.④問題の解決策を一緒に考える
- 3.まとめ
部下を成長させる上司の3つの特徴
上司に求められる能力の一つに、部下の育成能力が挙げられます。部下の成長を後押しできる上司には、次のような特徴があります。
①部下を否定しない
1つ目の特徴は部下を否定せず、認める姿勢が備わっていることです。部下の仕事を否定してばかりの上司は、部下のモチベーションを低下させてしまいます。ミスを頭ごなしに指摘するだけでは、部下の成長につながりません。
▼上司の対応例
- 資料作成のクオリティがなかなか上がらない部下を責めるのではなく、よくできている点を褒めたうえで改善点を伝える飛び込み営業が苦手な部下に「〇〇だからダメなんだ」と否定するのではなく、得意な社員とペアにする、もっと工夫したほうがよい点をアドバイスする
部下を成長させる上司には、成果を認めるだけでなく、部下自身の存在を認める姿勢が必要です。人それぞれの価値観や性格を受け入れてくれる上司は、部下から信頼されるようになります。
②部下の長所・短所を見つけられる
2つ目は部下の長所・短所を見極めて、意識的に部下の長所を伸ばすことが挙げられます。
▼上司の対応例
- 電話営業でなかなか数字につながらない部下に、本人が得意な商談資料作成の作業を任せる
- 成約数が目標に達していない部下に、前回と比較して成長したと感じる部分を聞き出してその部分を評価する
部下が「自分のことをきちんと見てくれる人がいる」と認識できれば、モチベーションも向上します。
③成長意欲を刺激できる
3つ目は部下の成長意欲を刺激することです。日々の声掛けや仕事の任せ方などを工夫することで部下のモチベーションを高めます。職場全体のモチベーションが上がれば、チームでよい影響を与え合いながら業務に励むことができます。
▼上司の対応例
- 日頃から部下のよい点を評価して言葉で伝える
- 信頼していることを伝えたうえで、部下に未経験の業務や責任を伴う業務を任せる
また、「たとえ失敗したとしても上司やチームが受け止めてくれる」と思えるような環境をつくることで、部下もチャレンジ精神を持ちやすくなります。
部下の成長を後押しする4つの育成のポイント
ここからは部下を成長させるために、上司が意識しておくとよい育成のポイントを4つご紹介します。
①スキルに見合った仕事を任せる
部下のスキルや経験、性格などを理解したうえで仕事を振り分けます。部下が得意な分野、能力を発揮できる役割を与えることで、自信や自己肯定感の獲得につながり、成長が期待できます。
仕事に慣れていない新入社員には、仕事のゴールや手順を教えたうえで、明確な期限を定めることがポイントです。さらに、中間報告でアドバイスやフォローを行えば、部下が安心して次のステップに進めます。
ある程度仕事に慣れてきた部下には、責任のある仕事を任せるのも有効です。上司が相談役となって部下が自ら意思決定・問題解決を行うよう促すことで、責任感や成長の実感が得られ、モチベーションのアップにつながります。
②チームで目標を共有する
部下に仕事を任せるときには、具体的な目標を設定します。チーム・個人で目指すゴールを明確にすることで、団結力を高め、同じ方向を向いて目標に取組みやすくなります。目標の設定は、部下が努力して達成できる範囲で行うことがポイントです。
▼設定する目標の例
- 今月中に新規顧客成約率を◯%上げる
- 投資用不動産を◯件仲介する
また、設定した目標の意味や目的などを共有して、部下の動機付けを行うことで、自発的な行動を促すことも可能です。
③仕事のプロセスを評価する
部下の仕事を評価するときは、結果だけでなく、プロセスを評価することも忘れてはいけません。仕事への取組み方やアプローチの仕方を適切に評価することで、部下との信頼関係の構築や成長意欲の向上につながります。
また、仕事のプロセスで学んだことを次に活かすためのフィードバックも欠かせません。その際のポイントは、部下に自ら失敗・成功の原因や自分の至らなかった点などを考えさせることです。
仕事の達成度や実績を可視化できるよう、社内で進捗状況や成果物などを管理することも重要といえます。
④問題の解決策を一緒に考える
部下が壁に直面した際は、一緒に答えを考えてあげる姿勢が必要です。すぐに答えを提示する、部下に任せきりにするなどの対応は、部下が成長する機会を逃してしまいます。
部下の“主体的に物事を考える力”“行動する力”を伸ばすためには、上司が質問を投げかけ、あくまでもヒントを与えるのがポイントです。
▼部下に投げかける質問の例
「売買仲介において広告の出稿が重要であるのはなぜだと思う?」
「◯日に引き渡しということは、どのような準備を行う必要がある?」
適切な質問をしながら解決策をともに導き出すことで、部下の問題解決力や思考力を高められます。
まとめ
部下を成長させる上司は、部下の性格や長所・短所を理解し、モチベーションを高めることに長けています。
育成を行う際は、不動産の査定や媒介の契約などの仕事を部下のスキル・経験に応じて振り分けるとともに、部下が掲げる目標と仕事のプロセスを適切に管理することが重要です。
また、部下が悩んでいるときには、現在抱えている課題に対してヒントを与えながら主体的に考える力を養うことも重要といえます。
賃貸仲介や売買仲介をはじめ、不動産事業の営業において「部下がなかなか成長しない」とお悩みの上司の方は指導方法や仕事の任せ方などを一度見直してみてはいかがでしょうか。
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