動画マーケティングとは? 不動産会社での活用法や効果を解説
近年、さまざまな企業が新たなマーケティング手法として“動画マーケティング”を導入しています。
動画を使って視覚と聴覚にアプローチできるため、不動産の会社案内や物件紹介をはじめとしたさまざまなシーンで活用が期待されています。
この記事では、動画マーケティングの重要性や不動産会社における活用方法、動画マーケティングのメリットなどを解説します。
目次[非表示]
- 1.動画マーケティングとは
- 2.動画マーケティングの市場と重要性
- 3.不動産会社が動画マーケティングを導入するメリット
- 3.1.①多くの情報を効率的に発信できる
- 3.2.②視聴のハードルが低い
- 3.3.③雰囲気やコンセプトを伝えやすい
- 4.動画マーケティングを導入する際の注意点
- 4.1.①ターゲットに応じた媒体を選ぶ
- 4.2.②動画のテーマを絞る
- 5.不動産会社における動画マーケティングの活用方法
- 5.1.①会社紹介
- 5.2.②物件紹介
- 5.3.③展示会・イベントの配信
- 6.まとめ
動画マーケティングとは
動画マーケティングとは、動画を用いたマーケティング手法のことです。動画を通じて自社の魅力や商品・サービスの紹介を行い、集客につなげることが目的です。
なお、動画マーケティングは、ただ動画を配信して完了するわけではありません。ターゲット選定や効果検証を行いながら、戦略的・継続的に配信していくことが大切です。
動画マーケティングの市場と重要性
インターネットやスマートフォンの普及が進むにつれ、世界規模で動画配信サービスの利用が広がり、市場規模が拡大しています。ここでは、総務省の『平成30年版 情報通信白書』を基に世界の動画配信サービス(※1)の売上高や動画配信契約数を紹介します。
動画配信サービスのなかでも、特に近年上昇傾向にあるのは、定額制(サブスクリプション)の動画配信サービス市場です。動画配信契約数は2014~2020年の間で3.5倍以上増加しています。
(画像出典:総務省『平成30年版 情報通信白書』)
▼動画配信契約数(定額制)
- 2014年:1.8億契約
- 2015年:2.4億契約
- 2016年:3.1億契約
- 2017年:4.5億契約
- 2018年:5.4億契約
- 2019年:6.1億契約
- 2020年:6.8億契約
動画配信契約数の増加とともに、定額制動画配信の売上高も大きく上昇しています。
▼動画配信売上高(定額制)
- 2014年:70.5億ドル
- 2015年:93.8億ドル
- 2016年:124.3億ドル
- 2017年:260.7億ドル
- 2018年:357.0億ドル
- 2019年:425.9億ドル
- 2020年:483.7億ドル
さらに、動画SNS(YouTubeやTik Tok、ニコニコ動画など)の利用が増加している点にも注目です。なかでも、YouTubeは全世代で76.4%の人が利用しており、動画SNSのうちもっとも利用率が高いプラットフォームです。
このような状況から、今後さらに動画マーケティングの市場が拡大していくと考えられます。不動産会社の集客においても、動画マーケティングを活用する重要性が高まっているといえます。
※1…動画配信サービスとは、国内外の映画・ドラマなどの映像コンテンツを閲覧できるサービスのことを指します。
(出典:総務省『平成30年版 情報通信白書』/『令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』)
不動産会社が動画マーケティングを導入するメリット
多くの企業が動画マーケティングを活用していますが、不動産会社が動画マーケティングを導入するうえでは、3つのメリットがあります。
①多くの情報を効率的に発信できる
物件の詳細情報や契約の流れなどを説明する際に動画を用いるのも一つの方法です。
映像・音声を使った情報配信ができるため、文字や静止画よりも多くの情報を効率よく伝えられるほか、映像・音声・文字といった要素を含むことでテキストベースの情報よりも視聴者の記憶に残りやすいというメリットもあります。
②視聴のハードルが低い
再生するだけで受動的に視聴できることは動画マーケティングの強みです。
何か別のことをしながら動画を視聴する“ながら見”やラジオのように音声だけ聴くこともできるため、視聴のハードルが低く、より気軽に多くの人にアピールできるというメリットがあります。
③雰囲気やコンセプトを伝えやすい
動画を用いることで、テキストや画像だけでは伝わりにくい自社の魅力・サービス、コンセプト、店舗の雰囲気などを伝えられることもメリットの一つです。
会社や物件に関するイメージ伝達の一助になるほか、音楽・声色で視聴者の心理に訴えかけることもできます。
動画マーケティングを導入する際の注意点
動画マーケティングの導入によってメリットを得るには、2つの注意点を踏まえて施策を検討しましょう。
①ターゲットに応じた媒体を選ぶ
動画を配信する媒体はどのような人に動画を見てもらいたいかによって異なります。
世代にマッチしない媒体を選ぶと、ターゲットに視聴してもらえない可能性があるため注意が必要です。動画を配信する際は、自社のターゲットを明確化したうえで媒体を選びましょう。
▼年代別に媒体を使い分ける場合の例
- 20代:YouTube、Instagram、Twitter
- 30~40代:YouTube、Instagram、Facebook
- 50代:YouTube、Facebook
(出典:総務省『令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』)
②動画のテーマを絞る
1つの動画にさまざまな内容を詰め込み過ぎると情報過多になり視聴者に理解されにくくなります。
「動画の本題が分からない」「視聴時間が長くメリハリがない」などの動画は、視聴者に離脱されやすいため注意しましょう。
▼テーマ選定の例
良い例:【○日新着】▲▲エリア 3LDK物件の紹介
悪い例:物件紹介と物件選びのコツ
視聴者に興味を持ってもらうには、伝えたいテーマを絞ることがポイントです。
不動産会社における動画マーケティングの活用方法
ここからは不動産会社でどのように動画マーケティングを活用できるのか、具体的な活用方法を3つ紹介します。
①会社紹介
動画を通して会社のこだわりや社風、コンセプトなどを伝えます。自社のブランドカラーやモチーフなどを動画デザインにも反映するのがポイントです。
たとえば、以下のような動画コンテンツは視聴者の心に響きやすく、自社への信頼・安心感につなげられます。
▼会社紹介の動画コンテンツ例
- スタッフが実際に働いている風景、スタッフインタビュー
- 会社の経営理念、歴史などをまとめたストーリー
②物件紹介
物件紹介に動画を活用するのも有効です。物件の内装や設備、周辺環境などを動画でリアルに伝えられるため、視聴者がそこでの暮らしを具体的にイメージできます。
▼物件紹介の動画活用例
- 360度VR動画:実際に内見しているような視点で臨場感を生む
- ルームツアー:間取りや雰囲気など全体のイメージをつかんでもらう
物件紹介の動画コンテンツを制作する際は、音声による説明とテキストを組み合わせるのがポイントです。視聴者の理解を深められるほか、動画にメリハリが生まれて離脱を防止できます。
③展示会・イベントの配信
オンライン展示会やイベントの様子をリアルタイムで動画配信することも可能です。現地に足を運ぶ必要がないため、視聴者が気軽に参加しやすくなります。ほかにも、動画配信で以下のような施策を展開できます。
▼動画配信の施策例
- チャット機能付きのリアルタイム配信で視聴者の疑問点や質問に回答する
- リアルタイム視聴ができなかった視聴者に向けて、録画したイベント動画を配信する
- 動画で展示会やイベントの告知を行う
動画配信を自社ターゲットとのコミュニケーションの場として活用できるほか、コロナ禍で内見やイベント参加を控える消費者へのアプローチにも有効です。
まとめ
物件の間取りや生活イメージなどが重要視される不動産のマーケティングにおいて、動画マーケティングは効果的な手法の一つです。
動画はテキスト・画像と比べて多くの情報を効率よく発信できるほか、視聴のハードルが低いため自社の雰囲気やコンセプトが伝わりやすいというメリットもあります。
動画コンテンツを通して会社・物件の魅力を発信し続けることで、ブランディングにもつなげられます。不動産会社としての認知度向上や集客に向けて、動画マーケティングを導入してみてはいかがでしょうか。