不動産営業で即戦力人材を採用する3つのポイント
不動産売買・賃貸の仲介営業では、契約を獲得するために専門的な知識や営業スキルが求められます。しかし、日々の営業活動に追われるあまり、そのような知識・スキルを持つ人材を育成する時間がないというケースもあるのではないでしょうか。
人材の育成にリソースが割けない場合には、不動産営業の知識・スキルを持つ即戦力人材を採用するのも一つの方法です。
この記事では、「即戦力となる営業担当者を採用するために、どのようなポイントを押さえておけばよいか分からない」という担当者の方に向け、不動産業界で即戦力として活躍できる人材を採用するための3つのポイントと、見極めるための質問例について解説します。
目次[非表示]
- 1.不動産業界での即戦力人材とは
- 2.不動産営業の即戦力人材を採用する3つのポイント
- 2.1.①求める人物像を定義する
- 2.2.②必要な知識・スキル・経験を明確にする
- 2.3.③仕事への取り組み方やこだわりを聞く
- 3.即戦力人材を見極める質問例
- 4.まとめ
不動産業界での即戦力人材とは
即戦力人材とは、業務遂行に必要なスキル・知識を持ち、入社後すぐに現場で活躍できる人材のことをいいます。不動産営業においては、以下のような人材になります。
▼不動産営業における即戦力人材の例
- 不動産や法律に関する専門知識がある
- 実務経験がある
- 契約につなげられる営業スキルがある
- 新たな環境に柔軟に対応でき、協調性がある
不動産業界の営業担当者には、法律に関する専門的な知識や資格が求められます。たとえば、不動産売買には都市計画法や民法、宅地建物取引業法などの法律が関わります。金融や建築についての知識も必要です。そのため、属人化しやすく、新入社員や若手社員の育成にも時間がかかります。
また、不動産営業では、1件の顧客に対して1人の営業担当者が対応することが一般的です。営業担当者1人が物件の問合せや商談、契約書作成などをすべて対応する必要があります。
日々、案件が進行していくなかで、教育担当が自身の業務をこなしながら人材育成を行うのは困難なケースもあるでしょう。このような場合に即戦力人材を採用することで、営業力の強化や売り上げ向上が期待できます。
不動産営業の即戦力人材を採用する3つのポイント
即戦力人材の採用を始める前に、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
①求める人物像を定義する
不動産業の業態や仕事内容に応じて、自社が必要とする人物像を詳細に定義することが重要です。
人事部だけではなく、経営者層や現場を知る管理者なども含めて議論を行い、必要な人物像を具体化させることがポイントです。自社が求める人材について共通認識を持つことで、採用した人材と現場のミスマッチを防げるようになります。
▼人物像の例
営業力を重視 |
社内トップの契約数を獲得できる人 |
---|---|
知識・経験を重視 |
不動産取引に精通し、部署の統括者や管理者になるポテンシャルを持つ人 |
マネジメント力を重視 |
個人成績は問わないが、組織を形成する能力・新人育成ができる能力を持つ人 |
②必要な知識・スキル・経験を明確にする
①で定義した人物像に対して、どのような知識・スキル・経験が必要か洗い出します。採用した人材にどのような役割を担ってほしいか、業務内容やポジションなどを基に要件を絞ることがポイントです。
採用したい人物像の能力を明確化することで、採用基準を統一できます。採用担当者によって即戦力人材の定義に関する認識の齟齬(そご)を防げるため、選考の精度を高めることが期待できます。
▼即戦力人材に求める能力の例
コミュニケーション能力 |
会話スキルにとどまらず、顧客の課題やニーズを引き出し、信頼関係を築く能力 |
---|---|
課題解決能力 |
問題点を認識・分析して、解決策を立案する能力 |
提案力 |
顧客の課題を解決して、ニーズを満たす提案ができる能力 |
不動産契約に関する知識や経験 |
売買・賃貸・販売・競売・仕入れなどに関する知識や経験 |
③仕事への取り組み方やこだわりを聞く
候補者が自社の社風や経営理念、人間関係とマッチするかどうかも重要なポイントの一つです。スキルや実務経験が豊富な人材であっても、自社に合わなければ早期退職に至る可能性があります。
入社後のミスマッチを防ぐためには、自社の経営方針や社員の特徴などを伝えて、仕事への取り組み方やこだわりを聞くことが重要です。
▼候補者に聞く内容の例
- 上司や同僚からの指示・アドバイスにどのような姿勢で対応するか
- 自社の理念や働き方に共感できるか
- 前職と異なる働き方に対して抵抗はないか
自社との相性がよく、新たな業務や環境に対して柔軟性がある人材は、入社後に職場になじみやすく、能力を発揮することが期待できます。
即戦力人材を見極める質問例
仕事への取り組み方やこだわりのほか、即戦力人材を見極めるために有効な質問例を紹介します。
前職でのエピソード
人材の特性や考え方を見極めるためには、前職での成功体験・失敗体験を深掘りすることも有効な方法の一つです。これにより、課題解決力・自発性・仕事に対するモチベーション・ストレス耐性などを測れます。
▼質問例
- 「前職の仕事でもっとも達成感があった成功体験を教えてください」
- 「目標を達成するために大変だったことは何ですか」
- 「目標達成に向けて、具体的にどのような行動を取りましたか」
- 「前職で、意欲が低下したりストレスがたまったりした経験はありますか」
価値観・志向性
自社の企業理念や価値観、既存の社員との相性を見極めるためには、価値観・志向性についての質問を取り入れましょう。以下のような質問により、自社との相性や定着性などを測ります。
▼質問例
- 「仕事のモチベーションを高めるための源は何ですか」
- 「苦手な人のタイプを教えてください」
- 「入社後の目標・キャリアプランを聞かせてください」
- 「○○(業務内容)で一番大切にしていることは何ですか」
スキル・ポジション
新入社員の入社後、活躍の可能性を見極めるには、現状のスキルや自社で希望するポジションについて確認することも重要です。以下のような質問をして、実務レベルや自己分析力、スキルのマッチ度を測りましょう。
▼質問例
- 「弊社で生かせるスキル・経験を教えてください」
- 「案件獲得までの準備やプロセスについて教えてください」
- 「入社後、どのようなポジションで活躍できると思いますか」
まとめ
不動産営業のスキル・知識・経験があり、入社後すぐに現場で活躍できるような即戦力人材を採用することで、会社全体の底上げが期待できます。
即戦力人材を採用するためには、求める人物像を定義したうえで、必要な知識・スキル・経験を洗い出し、自社との相性を確認することがポイントです。
また、質問を通して、前職のエピソードや価値観・志向性、スキル・ポジションなどを知ることで、自社との相性・定着性・保有スキル・特性などを測れます。今回紹介したポイントや質問例を取り入れながら、即戦力人材採用の精度向上を図ってはいかがでしょうか。