LPOとは? 不動産会社の問合せアップにつなげる6つの施策
オンライン集客の需要は新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、より顕著になりました。
対面での接客に慎重にならざるを得ない状況を経験したことで、「Webサイトからの問合せを強化したい」とお考えの不動産会社さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
Webサイトからの物件問合せ、来店予約などを増加させる施策の一つとして“LPO”が挙げられます。本記事では、不動産会社が自社のWebサイトから集客につなげるためのLPOについて紹介します。
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LPOとは
LPO(Landing Page Optimization:ランディング・ページ・オプティマイゼーション)とは、ランディングページの最適化を意味します。
ランディングページ(以下、LP)は、ユーザーが検索結果や広告をクリックしてはじめに開かれるページです。LPでは、自社の商材・サービスを訴求して、最終的に資料請求や問合せなどのCV(※)につなげることを目的としています。
不動産会社におけるLPOでは、自社サイトでの物件訴求方法やユーザー導線の見直しなどを行います。これにより、自然検索や広告を経由して訪れたユーザーの離脱を防ぎ、物件問合せ・来店予約などのCVアップを図ります。
次項では、LPOに必要な施策について、“訪問者分析”と“効果検証”の2つに分けて解説します。
※CV(コンバージョン)とはWebサイトにおける最終的な目標(成果)に到達する行動のこと
訪問者分析
最適化を進めるにあたり、まずは現状の問題点を把握することが欠かせません。アクセス状況やユーザー動向などを分析したうえで、一つひとつに対して改善策を検討することが重要です。訪問者分析の種類には、以下が挙げられます。
①アクセス分析
アクセス状況の分析によって、LPに到達するまで・到達してからのどちらに問題点があるのか仮説を立てることができます。
▼アクセス数は多いがCVが少ない場合
ページ内の情報や導線設計に問題があると考えられます。ページ構成について見直しが必要です。
▼アクセス数自体が少ない、または特定のキーワードによる流入数が少ない場合
ページ内の情報が検索ニーズにマッチしていない可能性があります。キーワードとコンテンツの整合性について見直しが必要です。
②ユーザー行動分析
LPに訪れたユーザーが、問合せや資料請求などの入力フォームに遷移した数を分析します。
以下のような場合は、入力フォームの掲載場所や入力フォームの項目に関する見直しを検討するとよいでしょう。
▼入力フォームへの遷移数が少ない場合
入力フォームへのリンク・ボタンが分かりにくい可能性があります。リンクやボタンの配置、あるいは視認性の改善が必要と考えられます。
▼遷移数は多いがCV数は少ない場合
入力フォームへの入力方法が分かりづらい、入力項目が多く完了まで至らずに離脱してしまっている、などのケースが考えられます。入力フォームの簡素化、入力項目の見直しなどが必要です。
③離脱率分析
LPに訪れたユーザーがページのどこまで閲覧したかを分析します。離脱しやすいコンテンツの洗い出しにより、画像や情報、導線設計の改善につなげることが可能です。
▼特定のコンテンツで離脱率が高い場合
ユーザーが求める情報を提供できていない、コンテンツが読みにくい、クリックの場所が分かりにくいなどの可能性があります。導線設計やコンテンツ内容の見直しが必要です。
▼滞在時間が短い場合
ユーザーが求めていた情報との乖離(かいり)がある、もしくはユーザーに情報が伝わりにくい可能性があります。キーワードの再考、およびファーストビューやキャッチコピーの見直しが必要です。
効果検証
訪問者分析によって問題点を明らかにし、改善策を講じた後は、効果の検証が欠かせません。定期的に効果検証を行いながら改善を繰り返すことにより、集客率向上につなげられます。
①A/Bテスト
A/Bテストとは、設計の異なる2つ以上のページを用意して、それぞれの効果を測定する検証方法です。
流入数、入力フォームへの遷移率、CV数などをそれぞれ検証し、スコアの高かったページを採用することで改善につなげます。
ただし、「そもそもLPページへの流入数が少ない」という場合には、正確な検証結果を得るまでに時間を要します。そのため、A/Bテストによる効果検証は一定の流入数があり、ページの離脱率を改善したいケースにおいて有効です。
②多変量テスト
多変量テストとは、ページのデザイン・配置・文言・画像など、複数の組み合わせで効果を検証する方法です。あらゆるパターンを数多く検証することで、もっともCVにつながりやすいページの組み合わせを導き出します。
ただし、多変量テストで検証精度を高め、適正な統計データを得るには、十分な流入数や複数回のテストが必要です。
A/Bテストによってページ全体の大まかな改善を行ったのちに多変量テストで細かな要素を掘り下げて最適化するといった活用方法が有効といえます。
③LPO解析ツールによる検証
効果検証にあたって、LPOに特化した解析ツールを利用するのも一つの手段です。LPO解析ツールを活用することで、LP内の回遊率・入力フォームへの遷移率・滞在時間・離脱率などを定量的に分析できます。
A/Bテストや多変量テストとは異なり、LPの母集団が少ない場合でも、ユーザー行動の傾向を検証することが可能です。現状のLPで十分な流入数が得られていない場合にも適しています。
まとめ
LPOは、自社サイト経由の問合せや資料請求、来店予約などを増やすために有効な施策の一つです。
訪問者分析によってLPの現状課題を可視化したうえで、A/Bテストや多変量テスト、解析ツールなどを用いて効果検証と改善を繰り返すことが重要といえます。
「対面営業だけでは契約数が不十分」という不動産会社さまは、LPOを実施してみてはいかがでしょうか。