物件写真で集客力アップ! 他社と差がつく3つの撮影テクニックとポイント
物件探しをしている購入希望者にとって、物件写真が重要な判断要素となることは、不動産業界では広く知られています。しかし、実際に「魅力的な物件写真を撮影するにはどうしたらよいか」となると、具体的なノウハウを知らず、困った経験がある方も多いのではないでしょうか。
写真の質が成約率に直結する一方で、適切な撮影方法や編集技術を知らないままでは、手間をかけても十分な効果を得られないこともあります。
そこでこの記事では、物件写真のクオリティを高めるための具体的な撮影テクニックとポイントを解説します。物件写真の改善を目指したい不動産会社の方は、ぜひ参考にしてください。
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物件選びには「物件写真」が重要視されている
物件写真は、購入希望者が物件を選ぶ際に重視する情報の一つです。
「RSC2024年版 不動産情報サイト利用者意識アンケート」によると、多くの利用者が物件情報を探す際に写真の点数や見栄えを重視しています。特に「写真の点数が多い」ことが、不動産会社選びのポイントとして挙げられています。
問合せや訪問を行う際に不動産会社を選ぶときのポイント・気にする点
問合せや訪問を行う際に不動産会社を選ぶときのポイント気にする点。不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)|「不動産情報サイト利用者意識アンケート」調査結果より
出典:不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)|「不動産情報サイト利用者意識アンケート」調査結果
この結果から、物件写真の点数が不動産会社を選ぶ際の重要な基準になっていることがわかります。
一方で、写真の点数が少なかったり見栄えが悪いと、購入希望者が物件に興味を持つきっかけや自社に問合せをする機会を失う可能性があります。したがって、物件写真の質を向上させることは、他社との差別化を図り、集客力を高めるために欠かせない重要な取り組みだといえます。
他社と差別化! 物件写真の撮影方法3選
物件写真を撮影する際は、他社との差別化を図るために基本的な撮影技術を押さえることが重要です。ここでは、具体的な撮影方法を3つ解説します。
手ブレを防ぐために脇を締めて撮影する
物件写真を撮影する際は、手ブレを防ぐために、脇をしめてカメラやスマホを安定させることが重要です。以下は、それぞれの機材に適した方法です。
・カメラの場合
レンズが出ているタイプでは、左手でレンズ下を包み込むように支えます。レンズが出ていない場合は、左手の親指をカメラの側面に添え、残りの指で底面を支えます。右手の親指と中指でカメラを挟み、人差し指でシャッターボタンを押します。この持ち方をすることで安定感が増し、手ブレを効果的に防げます。
・スマホの場合
脇をしっかり締め、左手でスマホの背面を支えます。右手は軽く添える形で撮影ボタンを押します。この方法によってスマホが安定し、手ブレを抑えた写真が撮れます。
手ブレのない鮮明な写真は物件の魅力を的確に伝え、より効果的なアピールにつながります。
部屋を広く見せるために隅から撮影する
部屋を広く見せたい場合は、部屋の隅から撮影する方法が効果的です。隅から撮影することで空間全体が画角に収まりやすくなり、広がりを感じさせる写真を撮影できます。
このとき、カメラの高さは腰の位置程度が理想的です。高すぎると天井部分が狭く見え、低すぎると床が強調されるため、部屋のバランスが悪くなることがあるためです。
また、撮影前に家具の配置を整えることも重要です。空間を広く見せるために家具を壁際に寄せ、視線が奥まで通るような配置を心がけましょう。
奥行きを出すために「膝立ち」で撮影する
奥行きを強調した写真を撮影したい場合は、「膝立ち」で撮影する方法がおすすめです。膝をついた状態で撮影することで、天井と床をバランスよく画面内に収めることができ、部屋全体の立体感を効果的に引き出せます。
さらに、カメラを安定させやすくなるため、手ブレを防ぐ効果も期待できます。これにより、鮮明でプロフェッショナルな仕上がりの写真を撮影できるでしょう。
反対に、立った状態で撮影すると、見下ろす構図になりがちです。この場合、部屋が狭く見えるだけでなく、家具の配置や部屋の特徴が十分に伝わらないことがあります。
特にリビングやダイニングのように広さをアピールしたい空間では、この「膝立ち」撮影を取り入れることで、より魅力的で実際の広さを感じさせる写真を購入希望者に提供できます。
魅力的な物件写真を撮影する3つのポイント
魅力的な物件写真を撮影するには、基本的な撮影ポイントを押さえることが重要です。ここでは、3つのポイントを詳しく解説します。
明るさと構図を重視して撮影する
物件写真では、明るさと構図が第一印象を決定づけます。たとえば、自然光を活用することで部屋全体が明るく清潔に見え、購入希望者に好印象を与えます。
そのため、撮影時間は太陽の光が差し込む昼間が最適です。窓際から室内を撮影すると、外光が自然に入り込んで明るく見えます。また、カメラの水平・垂直を意識することで、傾きのない写真が撮れます。
具体的には、ダイニングテーブルの端を基準にカメラの位置を調整することで、正確な構図がつくれます。構図がしっかりしている写真は、部屋の広さや機能性を的確に伝え、購入希望者に具体的なイメージを抱かせる効果があります。
自然光を取り入れて物件の魅力が伝わる写真を撮影しましょう
アプリを活用した編集テクニックを活用する
撮影後に編集アプリを使用することで、写真の魅力をさらに引き出すことが可能です。具体的には以下の操作が効果的です。
・明るさやコントラストの調整
写真の印象を大きく変える基本的な編集です。暗く写ってしまった写真も、適切に調整することで自然な明るさにすることができます。
・色みの補正
部屋の温かみを強調するために、色みを調整します。これにより、無機質さを感じさせない、居心地の良い空間を視覚的に引き立てることができます。
・不要な部分のトリミングや歪みの補正
写真内の不要な部分を削除し、構図を整えることで、プロフェッショナルな仕上がりが実現します。
ただし、過度な加工を行うと実物とはかけ離れた印象を与えることになり、公正取引委員会が指摘する「優良誤認」に該当してしまう可能性があるため、慎重に行うようにしましょう。
適度な編集を心がけることで、写真のクオリティを高めながら信頼感を損なわない仕上がりを実現できます。
不動産ポータルサイトでは物件の掲載にあたってガイドラインを設けています。優良誤認とならないように画像の加工をする場合はガイドラインもご参照ください
バーチャルホームステージングで物件の魅力を引き出す
バーチャルホームステージングとは、物件写真にデジタルで家具やインテリアを追加する加工技術で、空室物件の印象を大きく変える効果的な手法です。
従来のホームステージングは家具の設置や撤去に20万〜30万円のコストがかかるため、導入のハードルが高い点がデメリットでした。一方の、バーチャルホームステージングはこれらの費用が不要で、低コストかつ迅速に行える点が大きな魅力です。
たとえば、「らくらくデコルーム」を活用すれば、空室写真にリアルな家具をデジタルで配置可能です。これにより、購入希望者が「その部屋での生活」を具体的にイメージできる写真を簡単に作成できるのです。
このサービスは申し込みから最短5営業日で利用を開始できるため、迅速な対応が求められる不動産業務にうってつけです。不動産会社として、他社との差別化を図るうえでも非常に効果的なツールといえるでしょう。
まとめ
物件写真は、不動産会社にとって物件の魅力を効果的に伝える重要なツールです。適切な撮影方法や編集技術を取り入れることで物件の魅力を最大限に引き出し、購入希望者に強い印象を与えることができます。
さらに、「バーチャルホームステージング」を活用すれば、より魅力的で購入希望者の興味を引く写真を作成することができ、他社との差別化も可能です。問合せの増加や成約率の向上が期待できるでしょう。
魅力的な物件写真を通じて物件のよさをしっかりと伝え、多くの購入希望者を引きつけることで、不動産会社としての信頼と成果を高めていきましょう。