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2024年住宅省エネキャンペーン! 住宅の省エネ化を支援する4つの補助金

2024年住宅省エネキャンペーン! 住宅の省エネ化を支援する4つの補助金

国は、脱炭素社会の実現、2050年カーボンニュートラルに向け、2024年住宅省エネキャンペーンを打ち出しています。この2024年住宅省エネキャンペーンは、新築住宅、リフォームの省エネ化を促進するための以下の4つの事業で構成されています。

  • 子育てエコホーム支援事業
  • 先進的窓リノベ事業
  • 給湯省エネ事業
  • 賃貸集合給湯省エネ事業

補助金を活用することで、住宅取得者やリフォームをする顧客の経済的負担を軽減できるため、事業者としても営業活動の中で積極的に活用すべきでしょう。住宅事業者は、各事業について“登録事業者となる必要があり”、住宅取得者や工事発注者の代わりに補助金の交付申請手続きを行い、交付を受けた補助金を還元する必要があります。

この記事では、2024年住宅省エネキャンペーンの4つの事業の概要について解説します。より詳細な適用条件については、公式サイトを確認するようにしてください。

目次[非表示]

  1. 1.子育てエコホーム支援事業
    1. 1.1.子育てエコホーム支援事業の対象者
    2. 1.2.補助の対象となる住宅
    3. 1.3.補助金額
    4. 1.4.子育てエコホーム支援事業と併用できる制度
  2. 2.先進的窓リノベ2024事業
    1. 2.1.先進的窓リノベ2024事業の対象者
    2. 2.2.補助の対象となる住宅
    3. 2.3.補助の対象となる工事
    4. 2.4.補助金額
  3. 3.給湯省エネ2024事業
    1. 3.1.給湯省エネ2024事業の対象者
    2. 3.2.補助の対象となる機器
    3. 3.3.補助金額
  4. 4.賃貸集合給湯省エネ2024事業
    1. 4.1.賃貸集合給湯省エネ事業の対象者
    2. 4.2.補助の対象となる住宅・機器
    3. 4.3.補助金額
  5. 5.他の事業の補助金との併用はできる?
  6. 6.住宅省エネキャンペーンまとめ

子育てエコホーム支援事業

子育てエコホーム支援事業では、子育て世帯・若者夫婦世帯における省エネ性能の高い新築住宅の取得、もしくは省エネ改修のリフォーム等に対して補助金が支給されます。事業の対象は、注文住宅の新築・新築分譲住宅の購入・リフォームに分かれています。

子育てエコホーム支援事業の対象者

事業の対象者は、エコホーム支援事業者と工事請負契約もしくは不動産売買契約を締結し、住宅を取得・リフォームする必要があります。

図表1

対象の事業内容
対象者の要件

注文住宅の新築
新築分譲住宅の購入

①子育て世帯
申請時点で2005年4月2日以降に出生した子どもを有する世帯
もしくは、
②若者世帯
申請時点で夫婦かついずれかが1983年4月2日以降に生まれた世帯

リフォーム

リフォームする住宅の所有者等であること

  • 住宅を取得し、居住もしくは賃貸する個人またはその家族
  • 賃借人
  • 集合住宅の管理組合・管理組合法人
  • 買取再販事業者  ※別の工事施工者にリフォーム工事を発注する場合のみ

国土交通省「子育てエコホーム支援事業」サイトを基に作成

補助の対象となる住宅

補助の対象となる主な住宅またはリフォーム工事の要件は以下のとおりです。必要な証明書や詳細な条件については、子育てエコホーム支援事業サイトを確認しましょう。

図表2

対象の事業
対象となる住宅・工事

注文住宅の新築
新築分譲住宅の購入

①長期優良住宅
②ZEH住宅
③住居の面積が50m2以上240m2以下 ※壁その他の区画中心線で算出
④土砂災害特別警戒区域外に立地
⑤所有者(建築主もしくは購入者)が居住
⑥交付申請時に一定以上の出来高(基礎工事の完了等)の工事完了が確認できる


なお、新築分譲住宅は、売買契約締結時点で未完成もしくは完成から1年以内で、人が居住していないものが対象。

リフォーム

①開口部の断熱改修
②外壁・屋根・天井・床の断熱改修
③エコ住宅設備の設置


原則として①〜③の工事は必須。
以下④〜⑧の工事は①〜③と同時に行う場合のみ補助の対象。


④子育て対応改修
⑤防災性向上改修
⑥バリアフリー改修
⑦空気清浄機・換気機能付きエアコンの設置
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入


申請する補助額が合計5万円以上(先進的窓リノベ事業等他の補助金の交付決定を受けている場合は2万円以上)で対象。


なお、店舗併用住宅の住宅部分以外の工事や外皮以外の開口部の工事、屋外の段差解消工事、太陽光発電設備の設置などは対象とならない。

国土交通省「子育てエコホーム支援事業」サイトを基に作成

補助金額

補助額は以下のように設定されています。リフォームについては、対象工事ごとに定められている補助額の合計となります(上限は以下のとおり)。

図表3

対象の事業内容
補助額

注文住宅の新築
新築分譲住宅の購入

長期優良住宅

1住戸につき100万円

ZEH住宅

1住戸につき80万円

以下の①②両方に該当する場合、長期優良住宅の補助額は50万円/戸、ZEH住宅の補助額は40万円/戸となる。


①市街化調整区域
②土砂災害警戒区域または浸水想定区域

リフォーム

原則

1戸当たりの上限20万円

子育て世帯
または
若者夫婦世帯

①既存住宅を購入してリフォームする場合
 上限60万円/戸


②長期優良住宅の認定を受ける場合
 上限45万円/戸


③①②以外のリフォームする場合
 上限30万円/戸

その他の世帯

①長期優良住宅の認定を受ける場合
 上限30万円/戸


②①以外のリフォームする場合
 上限20万円/戸

国土交通省「子育てエコホーム支援事業」サイトを基に作成

(出典:国土交通省「子育てエコホーム支援事業」

子育てエコホーム支援事業と併用できる制度

子育てエコホーム支援事業を活用する場合でも、それぞれの要件を満たすことで、以下の税制や金利の優遇を受けることができます。

  • 住宅ローン減税
  • 親や祖父母等から資金贈与を受けて住宅を取得する等の場合の贈与税最大1,000万円の非課税
  • フラット35の金利優遇

また、地方公共団体の補助制度についても、国費が充当されているものを除き併用できるものがあるため確認しましょう。

(出典:国土交通省「住宅取得に使える4つの支援策」

先進的窓リノベ2024事業

先進的窓リノベ2024事業は、窓の断熱性を向上させるリフォーム工事について補助金を受けられる制度です。

先進的窓リノベ2024事業の対象者

先進的窓リノベ事業は、以下の①②を満たす人が対象となります。

①窓リノベ事業者と工事請負契約を締結し、工事をすること
②リフォームする住宅の所有者等であること
 ・住宅を所有し、居住・賃貸する個人またはその家族
 ・賃借人
 ・集合住宅の管理組合・理組合法人
 ・買取再販事業者  ※別の工事施工者にリフォーム工事を発注する場合のみ

補助の対象となる住宅

リフォーム工事の請負契約締結日において、建築から1年が経過した住宅、または過去に人が居住した住宅が対象となります。住宅以外の用途に利用されている、もしくは不動産登記や固定資産の課税上、住宅以外の用途に分類される場合は、原則として補助対象とならない点に注意が必要です。

また、一戸建て住宅か集合住宅、集合住宅でも低層住宅(地上3階以下)か中高層住宅(地上4階以上)かで、補助対象となる製品や補助金額が変わります。

補助の対象となる工事

補助の対象となる工事は以下の通りです。外気に面する窓やドアの工事に限られ、補助額が5万円以上の工事が対象となります。

図表4

工事種類
工事内容
ガラス交換
既存サッシはそのままで、窓ガラスを複層ガラス等に交換する工事
内窓設置
既存窓の内側に新たに内窓を新設、または既存の内窓から新たな内窓に交換する工事
外窓交換
カバー工法
既存の窓ガラスを取り外し、既存の窓枠の上に新たに窓枠を覆いかぶせ複層ガラス等に交換する工事
はつり工法
既存の窓ガラスおよび窓枠を取り外し、新たに窓枠を取り付け複層ガラス等に交換する工事
ドア交換
カバー工法
既存のドア枠を残してドアを取り除き、既存枠の上から新たに枠を設置し、ドアを交換する工事
はつり工法
既存のドアを枠ごと取り外し、ドアを交換する工事

環境省「先進的窓リノベ2024事業」サイトを基に作成

補助金額

補助額は、1戸当たり200万円が上限であり、それぞれの開口部に行う工事に定められた補助額の合計が申請金額となります。開口部ごとの補助額は、使用するガラスや窓枠、ドアの性能やサイズ、工事方法等で異なります。詳しくは「先進的窓リノベ2024事業」サイトで確認してください。

(出典:環境省「先進的窓リノベ2024事業」

給湯省エネ2024事業

給湯省エネ2024事業では、住宅のエネルギー消費の多くを占める給湯について、エコキュートやエネファームなどの高効率の給湯器を導入する場合に補助金が給付されます。

給湯省エネ2024事業の対象者

対象機器を設置する住宅の所有者等で、給湯省エネ事業者と契約を締結し、次のいずれかの方法で、対象となる高効率給湯器を導入する人が対象となります。

①新築注文住宅で対象機器を購入し設置
②対象機器が設置された新築分譲住宅を購入
③リフォーム時に対象機器を購入し設置
④対象機器への交換を条件とする既存住宅を購入

なお、転売目的で住宅を所有する新築分譲事業者および買取再販事業者は対象にならないので注意が必要です。

補助の対象となる機器

一定の性能を満たした以下の機器が対象となります。

  • ヒートポンプ給湯機(エコキュート)
  • 電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器(ハイブリッド給湯機)
  • 家庭用燃料電池(エネファーム)

専ら店舗等で利用する機器や中古品、従来のものより省エネ性能が下がる場合などは補助の対象とはなりません。

補助金額

補助上限は、一戸建て住宅はいずれかの機器2台まで、共同住宅等は1台までとなります。

給湯機の種類に応じて基本の補助額が決められており、要件よりもさらに高機能な機器の場合は補助額が加算されます。加算される要件等については、公式サイトで確認しましょう。

図表5

給湯器の種類
補助額

(基本額)

補助額
(加算額)

ヒートポンプ給湯器
(エコキュート)

8万円/台

A要件:2万円/台

B要件:4万円/台

A・B両要件を満たす:5万円/台

電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機
(ハイブリッド給湯機)

10万円/台

A要件:3万円/台

B要件:3万円/台

A・B両要件を満たす:5万円/台

家庭用燃料電池
(エネファーム)

18万円/台

C要件:2万円/台

経済産業省「給湯省エネ2024事業」サイトを基に作成

(出典:経済産業省「給湯省エネ2024事業」

賃貸集合給湯省エネ2024事業

賃貸集合給湯省エネ2024事業では、賃貸集合住宅のオーナー等が、小型の省エネ型給湯機を導入する場合に補助金が支給されます。

賃貸集合給湯省エネ事業の対象者

補助対象は、①②の条件を満たす人です。

①既存の賃貸集合住宅の所有者等である
 ※所有者には、オーナーのほかオーナーから管理委託を受けている法人等も含む
 ※転売目的で所有する買取再販事業者は対象とならない

②賃貸集合給湯省エネ事業者と次のいずれかの契約を締結
 ・補助対象機器に交換するリフォーム工事の請負契約
 ・リースにより補助対象機器に交換するリース契約

補助の対象となる住宅・機器

補助対象となる住宅は、1棟に2戸以上の住戸を有する既存の賃貸集合住宅です。不動産登記上、建物の用途が集合住宅でなければ原則対象とはならず、用途が住宅でも事業用に賃貸される場合は対象となりません。

また、対象となる機器は一定の性能基準を満たしたもののみのため、公式サイトで詳細を確認するようにしましょう。

図表6

潜熱回収型ガス給湯機
(エコジョーズ)

給湯単機能

モード熱効率が90%以上


ふろ給湯機

モード熱効率が90%以上

給湯暖房機

連続給湯効率が95%以上

潜熱回収型石油給湯機
(エコフィール)

油焚き温水ボイラー

連続給湯効率が95%以上

石油給湯機(直圧式)

モード熱効率が91%以上

石油給湯機(貯湯式)

モード熱効率が80%以上

経済産業省「賃貸集合給湯省エネ2024事業」サイトを基に作成

補助金額

補助の対象となる機器は、1住戸に1台までが上限となります。

図表7

給湯機の種類
追い焚き機能

補助金額(定額)

エコジョーズ

なし

5万円/台

あり

7万円/台

エコフィール

なし

5万円/台

あり

7万円/台

経済産業省「賃貸集合給湯省エネ2024事業」サイトを基に作成

(出典:経済産業省「賃貸集合給湯省エネ2024事業」

他の事業の補助金との併用はできる?

子育てエコホーム支援事業のリフォームで補助の対象となる建材・設備の一部は、先進的窓リノベ事業、給湯省エネ事業もしくは賃貸集合給湯事業においても補助の対象となります。この場合、対象の建材や機器の性能に応じて、補助額が大きいほうの事業を活用するなど、2つの事業を併用することができます。

そのほか、たとえば、トイレの改修工事で子育てエコホーム支援事業を活用し、窓の断熱工事で先進的窓リノベ事業を活用するといった方法もよいでしょう。

なお、同一の建材や機器について、複数の事業で補助を受けることはできないため、注意が必要です。

住宅省エネキャンペーンまとめ

住宅省エネ2024キャンペーンは、新築住宅だけでなく中古住宅の省エネ改修まで幅広く活用できる制度です。それぞれ対象となる条件や省エネ性能が異なりますが、うまく提案・活用できれば、住宅事業者にとって営業面でのメリットも大きいでしょう。住宅省エネ2024キャンペーンを活用するには、住宅省エネ支援事業者への登録が必要です。ぜひ有効活用しましょう。


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吉満 博
吉満 博
不動産コンサルタント・ライター。株式会社あつみ事務所 代表取締役。不動産の購入から売却まで出口戦略、資産性を踏まえ、長期の視点で不動産コンサルティング・売買仲介サービスを提供する。また、購入・住み替え前のライフプランニングから、資金計画や住宅ローン、保険の見直しなど、お金に関するセカンドオピニオンを提供。不動産・住宅ライターとして、不動産メディアを中心に、これまでの建築設計、不動産売買の経験を踏まえた記事執筆をおこなう。

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