高経年マンションの高齢化が顕著。令和5年度マンション総合調査結果
国土交通省は2024年6月21日に「令和5年度マンション総合調査結果(とりまとめ)」を発表しました。マンション管理の実態を把握することを目的に、管理組合や区分所有者を対象に、5年に一度実施されています。最新の調査結果から、マンションの居住や管理に関する現状を詳しく解説します。
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高経年マンションの70歳以上の割合は55.9%
マンション居住者の世帯主の年代は、前回調査(平成30年度)と比較し、70歳以上の割合が増加する一方、40歳代以下の割合が減少しました。70歳以上の割合は25.9%と前回調査より3.7%増加し、入居者の高齢化が進んでいます。世帯主の年齢をマンションの完成年別に見ると、特に1984(昭和59)年以前に完成したマンションで55.9%に達しており、築年数の経過したマンションほど高齢化が顕著であることがわかります。
(出典:国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果(とりまとめ))
マンション居住者の永住意識は減少
居住するマンションで「永住するつもりである」と回答した区分所有者の割合は60.4%で、前回調査より2.4%減少しました。
(出典:国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果(とりまとめ))
長期修繕計画は約9割のマンションで作成済み
長期修繕計画を作成している管理組合の割合は 88.4%となっており、前回調査の 90.9%から2.5%減少しました。長期修繕計画に基づき、修繕積立金の額を設定しているマンションの割合は59.8%と前回調査より6.2%増加しましたが、計画上の修繕積立金の額に対して現在の積立額が不足しているマンションの割合は36.6%で、そのうち、不足の割合が20%超のマンションが 11.7%を占めています。
(出典:国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果(とりまとめ))
置き配のルールを決めていないマンションが86.0%
今回の調査で新規追加された設問から、一部の調査結果ご紹介します。
- 電気自動車充電設備の設置状況は、「ある」が 5.7%
- 置き配は特にルールを決めていないマンションの割合が最も多い
「特にルールを決めていない」が 86.0%と最も多く、「管理規約又は使用細則に置き配を規定し、管理組合への届出も不要としている」2.9%、次いで「管理規約又は使用細則に置き配を規定し、置き配を全面禁止としている」が 2.5%でした。
- 宅配ボックスを竣工当初から設置済みが約半数
宅配ボックスの設置状況については、「竣工当初から設置されている」49.2%、「後から設置した」8.2%を合算して、設置済みが57.5%。一方で、「設置の検討はしていない」25.3%、「設置を検討したが検討できなかった」が5.9%、「設置を検討している」が4.5%となっています。
そのほか、大規模災害への対応状況や、過去1年間のトラブル発生状況など、管理に関する調査結果もまとめられています。詳細は国土交通省のホームページをご参照ください。