福島県大熊町・双葉町・飯舘村が住宅関連事業での協業企業を募集中
福島県では、東日本大震災からの復興が着実に進行しています。福島県浜通り地区の大熊町・双葉町・飯舘村(いいたてむら)では、災害対策やインフラ整備を経て、新たなまちづくりが進められています。移住希望者や帰還希望者がいるものの、住宅不足が共通の課題となっています。各町村では、住宅供給の協業企業や地域課題に共に取り組む事業者を募集しています。
本記事では、大熊町・双葉町・飯舘村の現在の状況と、補助金制度などについてご紹介します。
目次[非表示]
大熊町・双葉町・飯舘村へのアクセス
大熊町・双葉町・飯舘村は、福島県東部の浜通りに位置しています。浜通り地区は太平洋に面していることから夏は涼しく、比較的緩やかな気候が特長です。
2020年には常磐線が全線復旧し、各自治体へは車や列車などを利用してアクセスが可能です。
大熊町
車で:東京から約3時間。仙台から約1時間半
電車で:東京からJR常磐線で約3時間。仙台から約1時間半
空路で:福島空港から車で約1時間20分。仙台空港から車で約1時間半
双葉町
車で:東京から約4時間。仙台から約1時間半。郡山から約2時間。いわきから約1時間
電車で:東京からJR常磐線で約3時間半
飯館村
車で:東京から約3時間半。仙台から約2時間。郡山から約2時間。いわきから約2時間半。福島から約1時間
電車で:福島駅(新幹線)から原町行バスを利用して約3時間
福島12市町村。大熊町、双葉町は浜通りの双葉地区に、飯館村は相馬エリアに位置しています
大熊町:町内に一戸建て住宅もしくは共同住宅建設で補助金
大熊町では、2019年に一部地域の避難指示が解除され、2020年には原子力災害からの復興を進める長期的な指針である「ゼロカーボン宣言」を発表。2021年には商業施設「おおくまーと」や交流施設 「linkる大熊」、宿泊施設「ほっと大熊」が続けてオープンし、2022年には起業支援拠点「大熊インキュベーションセンター」が開所、2023年には義務教育学校が再開するなど、まちづくりが急ピッチで進められています。
大熊町は、現在の人口1,473人(2025年4月30日時点)から、2034年には約4,000人に増やすことを目標としています。現在も、大熊町への帰還を希望する住民や移住希望者がいるものの、住宅不足が課題となっています。
大熊町は、町内の住宅不足を解消するために、町内に賃貸住宅を新築し、賃貸事業を実施する事業者向けに補助金制度を設けています。
特定地域における特定民間事業者の整備事業費補助金
事業概要
町内における住宅不足の解消と帰還・移住定住に向けた住宅の確保および地域経済の活性化を推進するため、町内に賃貸住宅を建設し、賃貸事業を実施する所有者の方に対し、建設に係る費用の一部を補助する事業
対象 | 町内で新築の一戸建て住宅、共同住宅を建設する事業者 |
---|---|
補助率 | 対象経費の2分の1以内 |
上限額 | 2,500万円 |
貴社のメリット
・事業リスクの大幅な削減と初期投資の抑制
・投資回収期間の短縮化
・競争優位性の確保
・町の重要な課題解決の貢献(CSR効果)
大熊町は、事業者に向けてスピーディーな行政手続き支援、地域ニーズに合わせた柔軟な事業計画のサポートや、継続的な情報提供と連携体制を提供します。
商業施設おおくまーと
双葉町:町内での民間賃貸住宅建設で補助金
2020年にJR双葉駅周辺などで避難指示が解除されて以降(2022年に全町の避難指示解除)、駅前を中心としたまちづくりが進められています。双葉町は、駅周辺・駅東地区を公共・商業・住居機能の集積エリアと位置づけ、公共施設や商業施設の整備に注力しています。
2022年には双葉町役場仮庁舎が開庁、双葉駅西側に町営の駅西住宅が完成し満室となっています。2023年には複合施設「フタバスーパーゼロミル」が、入浴と飲食、宿泊の機能を備えた複合施設「さくらの里双葉」もオープンしています。2025年8月にはイオン双葉店が開業し、生活の利便性が向上しました。復興と賑わいづくりが進んでいます。
さらに、2028年には義務教育学校の開校を予定しており、今後ファミリー層の移住が増えることが予想されていますが、双葉町の喫緊の課題が住宅の不足です。
双葉町も大熊町と同様、移住希望者がいるものの、住宅の供給が追いついていないことから、賃貸住宅の供給を支援する補助金制度を設けています。
双葉町民間賃貸住宅新築等促進事業
事業概要
町内への良質な民間賃貸住宅の供給を拡大し、地域および地域経済を活性化する目的で設置されました。
対象 | 町内に民間賃貸住宅を建設し、所有者となる法人または個人 |
---|---|
補助率 | 18平方メートル以上25平方メートル未満: 200万円 25平方メートル以上30平方メートル未満: 300万円 30平方メートル以上: 400万円 |
上限額 | 同一年度において500万円 |
貴社のメリット
・初期投資を抑えつつ、良質な民間賃貸住宅を供給
・町の重要な課題解決への貢献(CSR効果)
双葉町は、事業者に向けてスピーディーな行政手続き支援を行い、地域ニーズに合わせた柔軟な事業計画のサポーや、継続的な情報提供と連携体制を提供します。
町営の駅西住宅
飯舘村:地域課題に共に取り組む事業者を募集
飯舘村は、東日本震災により一時は全村避難となりましたが、2017年には長泥地区を除きほぼ全域での避難解除となり、村民の帰還が進んでいます。
「明日が待ち遠しくなるような、 わくわくする楽しい ふるさと」を村の将来像として掲げ、交流人口の拡大や移住・定住の促進施策などを計画しています。
2022年には、「ゼロカーボンビレッジいいたて」を宣言。「日本で最も美しい村」連合に加盟する自然豊かな村である飯舘村は、自然環境を活かした持続可能な未来を創出するため、2050年度の温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、太陽光発電の設置やソーラーシェアリングの実施、風力発電の稼働などが進められています。
また、福島イノベーション・コースト構想の一環として、企業誘致を推進する「飯舘深谷地区産業団地(仮称)」(優遇制度、補助金あり)計画が整備計画中ですが、村には移住者の受け皿となる単身者向け住宅が無く、移住定住促進が課題となっています。
村内居住人口は、2020年以後減少が見込まれており、人口減少を緩やかにするためにも、次世代の担い手の居住環境整備に向けた取り組みが必要とされています。
飯舘村を取り巻くさまざまな課題
・介護施設などで、従業員の離職や働き世代の村内居住率の低迷などにより、未だに十分な職員数の確保ができていません。
• 単身者用の物件が不足しており、単身移住者や地域おこし協力隊員の住居確保に時間がかかっています。
• 移住者の受け皿となる賃貸住宅が無く、移住から定住に向けた環境整備が必要です。
企業から募集したい提案内容
飯舘村は、これらの課題解決に向け、『次世代の村の「担い手」の居住環境の整備』を共に考えていただける企業を募集しています。
①若者や子育て世代をはじめとした村内居住者の増加を図るためのアイデア
(例)中長期のお試し賃貸住宅・シェアハウスの整備
(例)空き家を簡易にリノベーション・リフォームし、賃貸化するスキーム
②民間投資による一戸建て・アパートの整備を創出するためのアイデア
(例)集合住宅などの物件建築にかかる土地取得・建築費の補助
(例)将来的に村営住宅として取得することを前提にした賃貸物件への投資
③町の補助事業を活用した、新築住宅増に向けたプロジェクトのアイデア
飯舘村では、「住宅新築補助金」として新築住宅を建築した方に500万円の補助を整備しており、近隣に比べても手厚い補助となっています。こうした補助を活用し、新築住宅をより増やしていくためのアイデアも募集しています。
飯舘村ではさまざまなアイデアを募集しています。飯舘村の地域課題解決に向けた取組みについてご興味のある企業は、ぜひご連絡ください。
いいたて村の道の駅 までい館
大熊町・双葉町・飯舘村について問合せたいことがある、または資料をご希望の企業様は、下記お問合せフォームよりご連絡ください。
株式会社LIFULLの地方創生統括部担当者より資料のご案内とご説明をさせていただきます。