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2026年度の税制改正で決まった賃貸住宅の相続税&贈与税対応について

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税制改正大綱は住宅ローン減税だけじゃない 賃貸住宅運用にも影響が

LIFULL HOME’S総研の中山です。

2025年末に税金に関する変更点が網羅された「税制改正大綱」が発表されました。通常であれば閣議決定を経て翌年1月からの通常国会で審議され、可決・成立後に正式な制度としてスタートするのですが、今回は通常国会の冒頭で衆議院の解散が宣言されたため、2026年度予算の成立を含めて制度のスタートがやや遅れる懸念が出てきています。

なお、税金の種類などによって2026年4月以降に適用されるもの、遡って閣議決定時や2026年1月から適用されるもの、周知期間を経て2027年や2028年以降にスタートするものなど様々ありますから、開始時期についてもしっかり確認する必要があります。

まず、贈与税については、教育資金の一括贈与に関する1,500万円の非課税枠が2026年3月で終了することになりました。なお、住宅取得等資金に関する贈与税の非課税枠は2025年時点で3年間延長されているため、住宅性能がZEH水準以上の住宅の購入・建設であれば1,000万円、省エネ基準適合住宅の水準以下であれば500万円の非課税枠が、それぞれ2028年3月まで維持されることが決まっています。

ちなみに、結婚・子育て資金の一括贈与に関する非課税枠1,000万円も2027年3月まで維持されています。

また、不動産運用ほか資産の活用によって多くの収益を得ている高額所得者については、今回の税制改正で明確に課税強化の方針が打ち出されており(=いわゆる“1億円の壁”の是正)、2026年を周知期間として2027年からの適用となりますが、これまで特別控除の基準としてきた年間所得を旧来の3億3千万円から半額の1億6,500万円まで引き下げ、適用税率も22.5%から30.0%に引き上げられることになりました。

“団塊の世代”が2025年に全員75歳以上の後期高齢者となったことを受けて“大相続時代の始まり”などと言われるようになりましたが、相続税対策が必要な高額所得者および資産保有者は、2026年のうちに具体的な対策を講じる必要がありそうです。

賃貸住宅の相続税については相続発生時から5年遡って“時価評価”することに

ここからが今回のメインです。高額所得者が多く運用している貸付用不動産=テーマに沿えば賃貸住宅について、実際の市場価格と通達評価額との乖離を活用することによって、相続税および贈与税が大幅に圧縮されている状況を改善するべく、これも2026年は周知期間となって、2027年1月以降、相続発生時から5年以内に取得・新築した貸付用不動産を時価評価に変更することとなりました。

なお、時価評価額は購入時価格の80%となりますが、2026年までは土地は路線価評価(時価の80%程度)、建物は固定資産税評価(時価の50~70%程度)により算定され、さらに賃貸住宅である場合には土地は貸家建付地として20%程度(小規模宅地等の特例適用が可能であればさらに50%減)、建物は貸家として更に30%減額可能ですから、相続税対策としても賃貸住宅などの経営は極めて有効であるとされていたものが、2027年以降は時価評価に変更されることにより確実に厳しく評価されることになります。

ただし、5年以上前から所有する土地に新築した場合は時価評価の適用除外となりますから、先祖代々所有している土地や耕作していない田畑などに早めに賃貸住宅を建設しておくのは、依然有効な手段になりそうです。

一方、このところ社会的問題に位置付けられ始めている“国内不動産に対するインバウンド需要”および“マンションの短期売買”については、税制改正大綱には具体的な制度についての記載がありませんでした。

ただし、国内の不動産を外国籍の“非居住者”が売買した際に、これまでは役務提供の効果が国外に及ぶことを根拠として、“輸出免税”の原則を適用することによって消費税が非課税とされていたことについては、国内居住者との公平性の観点から今後は課税対象とするよう諮問されており(海外のECサイトでの物品購入に関する消費税負担についても同様とする記載あり)、またマンションの短期売買は、実需に基づかない投機的取引は好ましくないという姿勢を基に、何らかの“税制上の措置を含めて必要な措置”を取ると明記されています。

近年、外国人が国内の賃貸マンションやオフィスビル、飲食店や物販店などが入居する雑居ビルを購入し、借地借家法の規定を無視するかのように一方的な賃料引き上げ通達を賃借人サイドに送り付けるケースが増えており、これも新たな問題として浮上し始めていますから、税制や法律で規定・規制する必要があるレベルまで不動産・住宅取得が進んでいるのか、それともレアケースに依然留まるのか網羅的な実態調査を前提として、可及的速やかに何らかの制度設計を検討する必要があります。

具体的には5年以内の不動産売買にかかる合計39.63%の譲渡所得税の税率引き上げや賃料引き上げの上限設定(例えば従前賃料の20%以内など)が検討されるものと考えられますが、個人だけでなく法人取得も含めて外国人が直接・間接を問わず介在する取引であることをどのように定義し対象とするのか、また短期をいつまでにするのかなど、詳細はこれからです。

総選挙後の新たな枠組みでの通常国会に法案が提出され、また論議を深めて制度化される方向に進むことを期待しましょう。

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中山 登志朗
中山 登志朗
株式会社LIFULL / LIFULL HOME'S総合研究所 副所長 兼 チーフアナリスト 出版社を経て、 1998年より不動産調査会社にて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演多数。2014年9月より現職。

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