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営業ノウハウ

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不動産営業トークに使えるクッション話法“イエスバット法”とは?

営業活動において、営業担当者が述べた意見に対して顧客から反対意見が返ってくることは日常茶飯事です。どのように対応すればよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

このような場合に、営業担当者の主張をしっかりと伝えつつ、顧客との交渉をスムーズに進めていくためには相手の意見を受け止める“クッション話法”が有効です。その一つとして“イエスバット法”があります。

この記事では、イエスバット法をはじめ、不動産営業で使えるさまざまなクッション話法について紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.イエスバット法とは
  2. 2.イエスバット法の弱点
  3. 3.イエスバット法と一緒に使える4つのクッション話法
    1. 3.1.①イエスアンド法
    2. 3.2.②イエスイフ法
    3. 3.3.③イエスハウ法
    4. 3.4.④イエスソーザット法
  4. 4.まとめ

イエスバット法とは

イエスバット法とは、「そうですよね(Yes)」と相手の反論を受け入れたうえで、「しかし(But)」と自身の意見を伝えるクッション話法のことです。

営業トークにおいて、営業担当者が否定的な返事をすると相手の気分を害してしまうことがあります。

そこで、イエスバット法の出番です。イエスバット法により相手の意見を肯定する姿勢を示してから話を進めることで、顧客の心を開いて意見を受け入れてもらいやすくなります。たとえば、以下のような営業トークの切り返しに活用できます。

▼売買仲介営業の例

NG例

  • 顧客「この物件は予算オーバーです。」
  • 営業担当者「しかし、頭金やローンの組み方によっては月額〇万円までの支払いに抑えられる可能性もあります。」

イエスバット法

  • 顧客「この物件は予算オーバーです。」
  • 営業担当者「そうですね、予算より〇万円ほどオーバーしてしまいます。しかし、頭金の有無やローンの組み方次第で月額〇万円までの支払いに抑えられそうです。一度詳しくシミュレーションいたしましょうか?」

▼賃貸仲介営業の例

NG例

  • 顧客「物件は気に入りましたが、駅から少し遠いのが気になります。」
  • 営業担当者「しかし、この間取り・設備で〇万円台の物件はなかなか出てきませんよ。」

イエスバット法

  • 顧客「物件は気に入りましたが、駅から少し遠いのが気になります。」
  • 営業担当者「そうですよね、駅から徒歩15分は少し遠く感じられる方もいらっしゃいます。しかし、この間取り・設備で〇万円台の物件はなかなか出てきません。ご案内しますので、よろしければ実際に歩いてみませんか。」

イエスバット法の弱点

イエスバット法の注意点は、一度相手の意見を肯定するとはいえ、言い方によって「意見を否定された」と強く感じてしまう人もいるということです。

イエスバット法では、顧客の意見を一度受け入れてから「しかし・けれども(But)」といった逆接のワードを使用して自分の意見を伝えます。

人は自分の意見に対して否定的な意見を持つ人を嫌う性質があるといわれているため、逆接のワードを繰り返し使用することでネガティブな感情を抱かれてしまう可能性があります。

イエスバット法で逆接のワードを使う際は、表情や声のトーンで好意的な感情を示しながらできるだけ柔らかい表現を意識することがポイントです。

イエスバット法と一緒に使える4つのクッション話法

ここまでイエスバット法について解説しましたが、クッション話法にはほかにも種類があります。ここからは、イエスバット法と一緒に使える代表的なクッション話法4つとそれぞれの不動産営業におけるトーク例をご紹介します。


①イエスアンド法

イエスアンド法とは、一度相手の意見を受け入れたうえで自分の意見を付け加えるクッション話法です。

イエスバット法と異なる点は、「でも」「しかし」などの否定的な言葉を使用しないことです。切り返しとして「さらに」「そして」「実は」といった接続詞を用いるため、相手にネガティブな感情を抱かれにくくなります。

また、顧客に寄り添う姿勢を示すことで警戒心を解き、話を聞いてもらいやすい状況を作ります。

▼営業トーク例

  • 顧客「この物件がいいと思ったのですが、家賃が思ったよりも高いですね。」
  • 営業担当者「確かに、1Kでこのお家賃は高く感じますよね。実は、お家賃が高くなっているのは、キッチンや水回りの設備がすべてリフォームされているからなんですよ。」


②イエスイフ法

イエスイフ法とは、一度相手の意見を受け入れたうえで、「もし○○ならどうか」と仮定の条件を提示して本心を聞き出すクッション話法です。

質問を繰り返しながら顧客が反論した理由を探り、納得してもらえる提案へとつなげられます。

また、仮定として話すことで「反論された」という感情を抱かれにくいだけでなく、契約に対する意欲や顧客のニーズ・課題を把握しやすいのが特徴です。

▼営業トーク例

  • 顧客「もう少し初期費用が安かったらな。」
  • 営業担当者「ほかの物件より少し初期費用が高いですよね。もしオーナーとの交渉でフリーレントを付けられたら、本日お申込みいただけますか?」


③イエスハウ法

イエスハウ法とは、一度相手の意見を受け入れたうえで、より具体的な理由や条件を詳しく聞き出すクッション話法です。

「どれくらい~」「どのように~」といった質問を投げかけることにより、反論した理由を探り、新たな解決策を提案できるようになります。

また、質問を通じて顧客の意見をヒアリングすることで双方向のコミュニケーションが生まれやすく、信頼関係の構築にもつながります。

▼営業トーク例

  • 顧客「この物件は予算内だけど、築年数が気になりますね。」
  • 営業担当者「そうですね、少々古いと感じられるのも無理はありません。では、どれくらいの築年数がご希望ですか?」


④イエスソーザット法

イエスソーザット法とは、相手の否定的な意見を肯定しつつ、その意見の裏付けとなる理由を示すクッション話法です。

「だからこそ~」を用いて反論の裏付けとなる理由を示すことにより、顧客が納得しやすい流れを作ります。また、顧客の不安・悩みを理由におすすめすることで、意思決定を後押しできる効果も期待できます。

▼営業トーク例

  • 顧客「魅力的な物件だから、人気ですぐに決まってしまいそうですね。」
  • 営業担当者「そうですね、このエリアの物件は人気が高いです。だからこそ、お気に入りの物件がある今のうちにお早めに決断いただきたいと考えております。」

まとめ

イエスバット法は、相手の反論に肯定的な姿勢を示してから自分の意見を述べるクッション話法です。顧客の心を開き、営業担当者の意見を受け入れてもらいやすくなる効果が期待できます。

ただし、「しかし」「でも」といった逆接のワードを使用するため、肯定から入ってもネガティブな感情を抱かれる可能性もあります。イエスバット法を活用する際は、好意的な感情が伝わるような表情や声のトーンを意識することが大切です。

また、イエスバット法以外にも相手の反論をうまく利用したクッション話法が複数あります。

不動産営業で顧客から反論があった場合は、その内容や営業担当者が伝えたい意見に応じてさまざまなクッション話法を使い分けましょう。

  ≫ 関連コラム: 不動産営業に役立つ“イエスセット話法”のトーク例とポイント

  不動産営業に役立つ“イエスセット話法”のトーク例とポイント | LIFULL HOME’S Business 仲介・管理 イエスセット話法のトーク例や実践ポイントなどを解説します。 LIFULL HOME'S Business 仲介・管理


Business 編集部
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