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業務管理者とは? 要件や賃貸不動産経営管理士との違いを解説

賃貸住宅管理業では、建物・設備の維持保全をはじめ、賃貸借契約の更新手続き、家賃の管理などさまざまな業務を行うため、豊富な経験やノウハウが求められます。

このような専門知識を備えた役職に“業務管理者”があります。賃貸住宅管理会社に勤めており、これから資格の取得を目指している方は、業務管理者の概要や要件について理解を深めておくことが重要です。

この記事では、業務管理者の概要をはじめ、資格者の要件や賃貸不動産経営管理士との違いについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.業務管理者とは
  2. 2.業務管理者の要件
  3. 3.賃貸不動産経営管理士との違い
  4. 4.まとめ

業務管理者とは

業務管理者とは、賃貸住宅の維持・管理業務を行う国家資格者です。賃貸住宅管理業を行う事業者の営業所または事務所ごとに一人以上の設置が義務づけられています。

ここでいう賃貸住宅管理業は、賃貸住宅の賃貸人(オーナー)の委託を受けて、維持保全や金銭管理などの業務を行う事業を指します。

業務管理者の設置義務は『賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律』第12条において定められています。

第十二条 賃貸住宅管理業者は、その営業所又は事務所ごとに、一人以上の第四項の規定に適合する者(以下「業務管理者」という。)を選任して、当該営業所又は事務所における業務に関し、管理受託契約(管理業務の委託を受けることを内容とする契約をいう。以下同じ。)の内容の明確性、管理業務として行う賃貸住宅の維持保全の実施方法の妥当性その他の賃貸住宅の入居者の居住の安定及び賃貸住宅の賃貸に係る事業の円滑な実施を確保するため必要な国土交通省令で定める事項についての管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。

引用元:e-Gov法令検索『賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律』第12条

業務管理者は、オーナーとの管理受託契約の内容を明確にして、賃貸住宅の維持保全や入居者の安定居住、円滑な事業を行うための管理・監督の役割を担います。

▼業務管理者の職務内容例

  • 賃貸住宅の維持保全
  • 家賃・敷金・共益費の管理
  • 賃貸借契約の更新・解約に関わる業務
  • 入居者からの苦情への対応
  • 入居者の入退去に関わる業務

なお、設置する業務管理者はほかの営業所・事業所と兼ねることは認められていません。また、新たな業務管理者を選任していない状態では、新設の営業所・事業所で管理受託契約を締結することもできません。

(出典:国土交通省 賃貸住宅管理業法ポータルサイト『業務管理者について』『管理業者の業務』/e-Gov法令検索『賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律』)

業務管理者の要件

業務管理者には、賃貸住宅管理に関する知識や経験が求められることから、国土交通省で一定の要件が定められています。

業務管理者になるためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

▼業務管理者の要件

 1. 管理業務に関する2年以上の実務経験があり、賃貸不動産経営管理士の試験に合格して資格者登録をしている
​​​​​​​ 2. 管理業務に関する2年以上の実務経験を持つ宅地建物取引士で、国土交通大臣が指定する講習を修了している

2年以上の実務経験については、“賃貸住宅管理業務に関する実務講習”の修了によって代えることが可能です。

なお、2020年度までに賃貸不動産経営管理士の試験に合格して、2022年6月までに資格者登録を受けている場合、移行講習を受講していれば、上記要件の1を満たしているとみなされます。

(出典:国土交通省 賃貸住宅管理業法ポータルサイト『業務管理者について』)

賃貸不動産経営管理士との違い

業務管理者と賃貸不動産経営管理士は、賃貸管理業における位置づけや業務の範囲に違いがあります。

業務管理者は、賃貸住宅管理事業者に設置する役職を指すのに対して、賃貸不動産経営管理士は、業務管理者の要件とされている国家資格のことです。

賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理に関する知識・技能・倫理観を持った専門家として、所有者資産の有効活用、入居者の安全・安心の確保などの役割を担います。

業務管理者が行う業務とされていない業務についても対応して、賃貸住宅管理の適正化を図ることが求められています。

また、サブリース事業者が行う業務についても賃貸不動産経営管理士が行うことで、入居者の居住安定の確保、賃貸借事業の公正・円滑な実施につながると期待されています。

賃貸不動産経営管理士は、業務管理者が行う管理業務に加えて、以下の業務にも中立的な立場で対応することが必要です。

▼賃貸不動産経営管理士の業務

オーナー向けの業務
入居者向けの業務
  • 入居者募集に関する提案
  • 経営支援・資産活用の提案
  • 入居審査の調整
  • 賃料の改定
  • 家賃滞納者への対応
  • 空室管理
  • 原状回復についての協議
  • リフォーム工事の提案
  • 特定賃貸借契約締結時の重要事項説明
  • 入退去立ち会い
  • 鍵の引き渡し
  • 敷金の管理・清算
  • 原状回復費用の算定

賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅の管理だけでなく、入居者の管理やオーナーへのコンサルティングなど、幅広い業務に対応することが期待されています。

なお、賃貸不動産経営管理士と宅建士との違いについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

 ≫ 賃貸不動産経営管理士と宅建士の違いとは? ダブルライセンスのメリットも解説

まとめ

この記事では、業務管理者について以下の内容を解説しました。

  • 業務管理者の概要
  • 業務管理者の要件
  • 賃貸不動産経営管理士との違い

業務管理者は、賃貸住宅管理業を行う事業者の営業所・事業所ごとに一人以上の設置が義務づけられています。賃貸住宅の管理業務をはじめ、賃貸借契約の更新・解約や入居者の苦情対応などに対応するため、豊富な経験・ノウハウが求められます。

業務管理者になるには、実務経験に加えて、賃貸不動産経営管理士または宅地建物取引士の有資格者であることが必要です。

また、賃貸不動産経営管理士は、業務管理者の要件を備えた国家資格です。業務管理者の業務に加えて、よりきめ細かく、かつ幅広い業務に対応して、賃貸管理の適正化や入居者の安全・安心を確保する役割を担います。

賃貸住宅管理会社での業務範囲の拡大やスキル向上に向けて、業務管理者を目指してみてはいかがでしょうか。

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