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不動産売却・物上げに必須の便利サービス7選

便利なツールはいろいろ増えているが、これさえあれば最低限はできる。

不動産会社にとって「不動産売却>不動産購入」であることは業界の常識ですが、不動産売却市場や物元市場は長くにわたり「安心・安全・実績等の企業ブランディング」に勝る大手不動産会社の独占市場でした。ところが近年、不動産業界でテクノロジーの活用が急速に進むにつれ資金力に劣る中小企業にも参入が容易になってきました。

そこで今回の記事は、

①不動産売却案件を取得したいが、どのようにスタートすればいいのかわからない
②どんなサービスを利用すれば不動産売却案件と効率的に巡り合えるのかわからない
③集客に潤沢な予算を投下できない

上記のような方にこれさえあれば「最低限」は不動産売却案件の獲得ができるツールやサービスを①顧客獲得、②物件調査、③物件査定のフェーズに分けてご紹介したいと思います。

目次[非表示]

  1. 1.顧客獲得に必要なサービス
    1. 1.1.▼オフラインの顧客獲得に有効な、名簿獲得サービス
    2. 1.2.▼オンラインでの顧客獲得に繋がる一括査定サービス
    3. 1.3.▼チラシ・DM
  2. 2.物件の調査に必要なサービス
    1. 2.1.▼地図検索サービス
    2. 2.2.▼登記情報取得サービス
    3. 2.3.▼マンション情報取得サービス
  3. 3.物件の査定書作成に必要なサービス
    1. 3.1.▼査定書作成サービス
  4. 4.まとめ

顧客獲得に必要なサービス

不動産業界では当たり前である「売却物件を預かる」ためには「不動産を所有している人」「売却を検討している人」と出会わなければなりません。顧客獲得=反響取得のための方法をオフライン、オンラインに分けてみていきたいと思います。

営業活動をされているエリアや物件の種別、狙っているターゲット層によっての相性があると思いますので安易に選ぶのではなくしっかりとした検討が重要になってきます。

オフラインの顧客獲得に有効な、名簿獲得サービス

名簿は不動産売却案件を取得するための重要な手段です。名簿獲得の方法としては

①地域住民の名簿データベースや不動産を所有している人の名簿を購入する
※購入する場合はデータベース会社のHPでサービス名や料金を確認し、利用したい名簿データを契約する。

②自社で名簿データを作成する
不動産会社であれば保有している過去の取引先データベースや地域の不動産関連団体の会員名簿などを活用する。

名簿を購入して営業を行う場合に気をつけるポイントとしては、個人情報の扱いとともに優良な名簿販売会社選びが難しいということです。適切に取得した名簿でなければクレームやトラブルに発展することも少なくありません。名簿リストによってはデータが古く、使いものにならないこともあるので「名簿販売会社」が保有するデータのフレッシュさも意識したいポイントのひとつです。

営業を受ける側としては「どこで個人情報を取得したのか?」など不信感をあらわにするケースも多く、売却案件取得どころか会社の信用問題にも繋がります。お断りされた顧客情報の社内共有や個人情報の保管、管理体制も重要となってきます。

「営業リストをすぐに活用したい」「自社で作成できるか不安」という不動産会社は、名簿販売会社からリストを買ったり、「精度の高い営業リストが必要」「営業の実施には時間的に余裕がある」などの場合、自社で営業リストを作成したりするのもよいかもしれません。

ただ、日本の不動産会社の現状は社内のリソースが限られるケースがほとんどのため、1分1秒でも営業に集中したい場合は名簿販売会社の存在は魅力的です。

オンラインでの顧客獲得に繋がる一括査定サービス

一括査定サービスとは、売却を検討しているユーザーがひとつのフォームを入力するだけで複数の不動産会社に一括して査定を依頼できるサービスです。

所有している不動産の売却を検討しているものの、どこの会社に査定を依頼すべきかわからないユーザーにとっては、便利なサービスであるといえます。そのため、不動産会社が、このサービスを利用すれば大手に対抗して売却を希望するユーザーとコンタクトを取ることが可能になってきます。

サービスによっては、物件の種別(土地や一戸建て、マンションなど)が選べたり、査定対応エリアを選べたりと柔軟に対応可能です。まずは、得意なエリア、得意な物件種別からスタートしてみるのをおすすめします。

この一括査定サイトを利用する上でのポイントはユーザー心理を把握することです。

ユーザーとしては、

「しつこい電話営業をされるのではないか?」
「どんな人(会社)から連絡が来るのだろう?」
「必ず売却しなければいけないんだろうか?」

上記のように、不安な気持ちを抱える中で査定依頼を行っているため、

  • 機械的に連絡をしない
  • 高圧的な態度をとらない
  • 難しい専門用語を使わない

配慮が必要です。「そんなあたりまえのこと」と思われそうですが、意外とできていないことも多いようで他社との差別化のポイントになるかもしれません。

また、ユーザーはホームページやSNSなどで会社情報やスタッフ情報を検索していることもお忘れなく!会社の雰囲気やどんなスタッフがいるのかをしっかり公開・発信していることもユーザーが安心感を覚え、選ばれる理由の一つになることも少なくありません。

チラシ・DM

売却案件獲得の集客方法というと、まっさきに思い浮かぶのはチラシやダイレクトメール(以下DM)ではないでしょうか。

売却依頼を獲得したいターゲットや物件にチラシやDMを送付もしくはポスト投函して、売却依頼を獲得する方法です。WEBやITが進化している現代でもまだまだ、根強い集客方法のひとつです。直接チラシやDMを送付することで、実際に住む方へアプローチが可能です。

「この家いまどのくらいの価値があるんだろう?」
「相続したけど売却しようかな」
「住み替えようかな」

など、売却ニーズが顕在化してしまうと不動産会社へ相談に行ってしまいます。チラシやDMを活用することで不動産会社へ足を運ぶ前に売却案件をキャッチすることが可能となります。

ここでのポイントは3つ

①スタッフや会社の写真をのせる
②ターゲットを明確にし「話を聞きたい!」と思わせる提案を盛り込む
③チラシ・DMを送るのは「自社だけではない」ことを理解する

繰り返しになりますが「ユーザーは不安」であることを理解しましょう。

不動産は取引金額が大きく、誰もが不安を抱いています。チラシに記載されている人や会社に安心感や信頼感を抱かなければ、来店や問合せといった行動を促すことはできません。不動産の売却を視野に入れているユーザーは、無意識のうちに信頼できる会社を求めているのです。だれが対応してくれるのか顔が見えない情報よりも正々堂々と写真が載っているほうが安心感に繋がるでしょう。

また、チラシやDMではとにかく消費者が「ぜひ話を聞きたいという提案をわかりやすく表現する」必要があります。せっかくチラシを作っても見られないのでは意味がありません。

最後にチラシによる集客を考えているのは「みなさんだけではない」ということも理解が必要なポイントです。どんなに魅力的なオファーを出したとしてもライバルが多く、メッセージがターゲットに届いていなければコストの無駄です。ご自身も経験があると思いますが、無作為に送りつけられたチラシ・DMは「またか」と思い設置されたゴミ箱行きです。まずは「見てもらえる」工夫が必要です。

このチラシ・DMは郵送であれば問題ありませんが、営業のついでにマンションへポスト投函する場合、マンション管理組合のルールや管理人からお断りを受けるケースもありますので事前に確認を行いましょう。

最後にチラシ作成を印刷会社やデザイナーへ依頼する場合は「見た目のデザイン」だけに惑わされないようにしてください。上記のユーザー心理を理解した上で依頼したいものです。

物件の調査に必要なサービス

反響を取得したりユーザーから面談の依頼を受けて本格的に売却査定や売却活動を進めていく上で避けて通れないのが物件調査です。売却希望者に根拠のある査定や精度のある査定結果を提供するためには物件の情報をしっかりと把握しなければなりません。

「不動産物件調査」には、「現地調査」「役所調査」「法務局調査」などがあります。依頼主からの情報や現地調査だけでは把握できない情報がわかるので、とても重要な調査と言えるでしょう。

最近では忙しい不動産営業担当者に代わって調査を代行してくれるサービスも普及しつつあります。

地図検索サービス

反響を取得した物件の位置を正確に把握するためにも地図は必要です。地図といえば「ゼンリン」の名を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。地方に一部地域の住宅地図を刊行している会社はいくつかありますが、日本全国を網羅している住宅地図を刊行しているのは実は「ゼンリン」の一社のみで、住宅地図の代名詞として圧倒的なシェアを誇ります。ゼンリンは、全国ほとんどの地区において1-2年周期で新版の住宅地図を定期的に刊行している会社になります。

不動産取引においてよく混同されるのが「住居表示」と「地番表示」の違いです。日本の通常の住宅地図は住居表示実施地区では住居表示を採用しています。そのため、建物では不動産登記簿上の地番とは異なるものが存在します。

法務局へ不動産登記簿を取得に行ったときに「それは住居表示ですよ」「地番わかりますか?」などと言われた経験はないでしょうか?

不動産営業担当者は住所から地番を調べるといった手間が必要でしたが、ゼンリンでは住宅地図に公図の情報を追加した住宅地図であるブルーマップ(住居表示地番対照住宅地図)を提供しています。 以前は、エリアごとに地図を購入しなければいけませんでしたが、近年ではオンライン上で購入しネット環境があれば地図を取得することができるようになりました。

登記情報取得サービス

住宅地図及びブルーマップを駆使して「地番」を取得できたら次は登記情報の取得です。

取得の方法には

  • 法務局へ行く
  • 登記情報提供サービスを利用する

2つの方法があります。

登記情報提供サービスは一般社団法人民事法務協会が運営しており、登記所が保有する登記情報をインターネットを使用してパソコンの画面上で確認できる有料サービスです。このサービスが普及することにより、わざわざ法務局へ赴かなくても登記情報の確認ができるようになりました。

これまで地番の確認にはゼンリンのブルーマップを確認したり法務局へ備え付けられた地図を閲覧する必要がありましたが、こちらの登記情報提供サービスを利用することでシステム上で地番を確認することができるようになりました。利用にはクレジットカードが必要となります。

また、申込み手続きを行わずに一時利用も可能ですが、継続して利用することがほとんどなので申込み手続きを行った方がストレスなく利用できるかもしれません。

マンション情報取得サービス

売却査定の依頼がマンションであった場合に利用をおすすめするのがこちらのサービスです。

​​​​​​​このサービスを利用することで

  • 新築当初に販売活動で使用したパンフレット
  • 新築時の価格表
  • マンションの概要書
  • 平面図、間取り図、配置図
  • 売買相場及び売買履歴(成約事例)
  • 賃料相場(収益物件の場合)
  • 周辺情報

など、マンションの売却査定に必要な情報を取得することが可能です。

また、株式会社東京カンテイが提供する不動産業務支援サービスのなかに上記の情報を取得できるサービスも含まれていて、インターネット環境さえあればこれまでに蓄積された不動産データベースから必要な情報をどこからでも取得が可能です。

物件の査定書作成に必要なサービス

「不動産査定書」は、売却の依頼や相談を受けた際、売出し価格や最低売却価格を決めるのに非常に重要な資料です。売出しの価格や最低売却価格を決めていく際にその提案に根拠と信頼性が増します。不動産査定書をフル活用して、ユーザーからの信頼を勝ち取り媒介契約取得に繋げましょう。

不動産査定書を依頼するユーザー心理は、不動産会社の信頼性や実績、査定者の資格などを重視します。根拠があり正確な査定書を提案するために平面図や設備リスト、写真なども事前に取得できるとなお良いかもしれません。

査定書作成サービス

不動産査定書を作成するサービスについてはITやAIの進化に伴い、査定書サービスを提供する会社も増えてきました。どの査定書作成サービスを利用するか悩むと思いますが、各サービスにも特徴があるので

①ターゲット
②エリア特性
③取り扱いたい物件種別
④操作性

など、ご自身や会社との相性をしっかりと見極めることが重要になってきます。

せっかくサービスを導入したのに、操作が難しくてわからない、査定したい物件の種別に対応していない、などの問題に繋がる恐れがありますので事前にデモンストレーションなどを通じてまずは操作してみることをおすすめします。

また、AIを利用した査定書の場合、修繕・リフォーム、リノベーションなどの物件独自の事情には対応できないものもあるため確認が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は「不動産売却・物上げの必須ツール7選」というテーマでお届けしました。不動産売却案件の取得にかけられる予算は会社によって様々だと思います。それぞれのサービスや集客方法にメリット・デメリットが存在するため、不動産業を営んでいるエリアや物件種別など「自社の意向や規模」を意識したサービス選択が重要になってきます。

ITやAIの進化のおかげで物上げに要する「人的コスト」や「時間」は大幅に見直されるようになりました。ただ、どんなに優れたサービスを利用しても「ユーザーの気持ち」を理解しなければ媒介の獲得には繋がらないこともあり得ます。不動産は取引金額が大きい分「ユーザーは常に不安」な気持ちを抱えてアクションしていることを理解したうえで、営業活動を行うことが大切です。

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矢野貴之(やの たかゆき)
矢野貴之(やの たかゆき)
株式会社きのや 代表取締役 建設不動産マーケティング講師 RE/MAX sakuraオフィスオーナー。1984年生まれ。属人化しない不動産会社チームビルディングの専門家。個人ブランディング、買取・再販の仕組み・経営者コミュニティづくり・新しい第3の働き方をプロデュースしている。

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