メールマーケティングとは? メリット・デメリットや施策の種類、手順を解説
高額な商材を扱う不動産営業では、お客さまの検討期間が長くなりやすい傾向にあります。自社に問合せや希望条件の登録があったお客さまでも、すべての人が契約に向けた行動を起こすとは限りません。
こうした検討段階のお客さまと信頼関係を築き契約に結びつけるためには、長期的な視点で購買意欲を高めるメールマーケティングが有効です。
この記事では、メールマーケティングの概要と不動産会社がこの手法を活用するメリット・デメリット、メールの配信手順などを解説します。
目次[非表示]
- 1.メールマーケティングとは
- 2.不動産営業で活用できるメールマーケティングの種類
- 3.メールマーケティングのメリット・デメリット
- 3.1.メリット
- 3.1.1.1.紙媒体よりも低コスト
- 3.1.2.2.見込み顧客の関心に応じたメール配信が可能
- 3.1.3.3.効果検証で精度を高められる
- 3.2.デメリット
- 3.2.1.1.メールマーケティングの知識が必要
- 3.2.2.2.業務負担が増える
- 4.不動産営業におけるメール配信の手順
- 4.1.1.見込み顧客のリストアップ
- 4.2.2.ターゲット・目標の設定
- 4.3.3.コンテンツ作成
- 4.4.4.メール配信
- 4.5.5.効果測定
- 5.効率的なメールマーケティングにはツールの活用が有効
- 6.まとめ
メールマーケティングとは
メールマーケティングとは、定期的に配信するメールを通して見込み顧客との信頼関係を構築し、自社サービスへの利用を促すマーケティング手法です。
メール配信によって自社への関心や自社商材の購買意欲を高めることで、Webサイトへの集客や問合せ、契約につなげることが目的です。
メールマーケティングと混同しやすいものにメールマガジン(以下、メルマガ)があります。一般的なメルマガでは、登録者に対して同じ内容のメールを一斉配信します。一方、メールマーケティングでは、顧客に応じて戦略的にメールを配信するという違いがあります。
見込み顧客の検討期間が長くなりやすい不動産営業において、継続的な接点を図る方法としてメールマーケティングの活用が期待されています。
不動産営業で活用できるメールマーケティングの種類
不動産営業で活用できるメールマーケティングには、主に次の3つの種類が挙げられます。
- ステップメール
- セグメントメール
- 休眠発掘メール
ステップメール
ステップメールとは、見込み顧客がとった行動とそのタイミングに合わせて段階的に配信するメールのことです。
たとえば、物件の条件登録や問合せ、来店予約などのタイミングであらかじめ作成したメールを配信します。ピンポイントで見込み顧客がそのときに興味のある情報を送ることで、時間がたって興味関心が薄れるのを防ぎます。
セグメントメール
セグメントメールとは、見込み顧客の属性や行動に応じて配信するメールのことです。ターゲティングメールともいわれます。
「東京都在住」「40代女性」のようにあらかじめ見込み顧客の属性を分類し、その属性にマッチする情報を記載したメールを作成し、配信します。見込み顧客の属性や興味関心に合わせたコンテンツにすることで開封率の向上につなげることが可能です。
休眠発掘メール
休眠発掘メールとは、メルマガの開封や問合せなど、何らかの行動を起こした後、一定期間反応のない休眠顧客に対して配信するメールのことです。
休眠顧客に再びメールを開封してもらえるよう、メールのタイトルを工夫したり、配信時間を変更したりといった対策が求められます。
メールマーケティングのメリット・デメリット
不動産会社がメールマーケティングを活用するうえで、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
まずは、不動産会社でメールマーケティングを活用する3つのメリットを見ていきましょう。
1.紙媒体よりも低コスト
メール配信には印刷費・郵送費がかからないため、チラシやダイレクトメールと比較して低コストで運用できるというメリットがあります。
資金力のない個人事業主や中小企業でも導入しやすいのは大きなメリットです。
2.見込み顧客の関心に応じたメール配信が可能
メールマーケティングの大きな利点といえるのが、見込み顧客の属性や興味関心に応じてメールを配信できる点です。
メール内容や配信時間を変更するなど、見込み顧客一人ひとりに合わせたアプローチが可能になるため、効果的なアプローチが期待できます。
3.効果検証で精度を高められる
メールの反応や効果を数値化し、効果測定しやすい点もメールマーケティングのメリットです。
メール配信後に効果検証を実施することで、見込み顧客の反応を可視化できます。収集したデータを基にPDCA(Plan Do Check Action)サイクルを回せるため、アプローチの精度を高められます。
デメリット
次に、不動産営業でメールマーケティングを活用するうえでのデメリットを2つ紹介します。
1.メールマーケティングの知識が必要
メールマーケティングの効果を高めるには、メール配信後の効果検証に基づいて改善を繰り返すことが欠かせません。
効果検証や分析といった専門的な知識やノウハウがなければ有効な改善策を打ち出すことが難しく、想定していた効果が得られないケースがあります。
2.業務負担が増える
メールマーケティングにはコンテンツの作成や配信、分析などの業務が伴うため、社内の人的リソースが必要です。
しかし、不動産営業ではお客さまの問合せ対応や商談といったさまざまな業務があります。そのため、メール配信業務に十分な時間が割けない、営業担当者の負担になってしまうなどの可能性があります。
不動産営業におけるメール配信の手順
不動産営業でメールマーケティングを実施する際は、事前にターゲットや目標を設定したうえで適切な手順を踏むことが重要です。ここでは、メール配信の手順を5つのステップで解説します。
1.見込み顧客のリストアップ
まずは、メール配信の対象となる見込み顧客をリストアップします。
リストが少ない場合には問合せや資料請求、アンケートなどから見込み顧客の情報を収集することが必要です。見込み顧客のリストが多くなるほどメールマーケティングをより有効に実施できます。
2.ターゲット・目標の設定
次に、メール配信のターゲットと目標を設定します。不動産営業では、以下のような設定例が挙げられます。
▼ターゲット・目標設定の例
ターゲット |
目標 |
---|---|
不動産の購入を本格検討している人 |
物件問合せ |
情報の収集で比較検討している人 |
店舗来店、資料請求 |
問合せ対応後に反応がない人 |
自社ホームページへの誘導 |
上記のように、見込み顧客の検討段階に応じて目標を設定するのがポイントです。
3.コンテンツ作成
ターゲットと目標を明確化した後は、ターゲットに訴求できるコンテンツを作成します。
見込み顧客の興味関心の度合いをフェーズ分けし、各フェーズの最終目標に応じてコンテンツの内容やリンク先を検討するのがポイントです。
4.メール配信
配信コンテンツを作成した後は、メール配信の時間帯・ペースなどを設定して配信をスタートします。
見込み顧客の属性・行動パターンに応じて配信の内容やタイミングを変更することで、メールの開封率や閲覧数を高められます。
5.効果測定
メールの配信後は、メールの到達率や開封率などを測定して分析します。
目標に対して得られた効果を数値化し、コンテンツの内容や配信タイミングを見直すことが目的です。分析と改善を繰り返すことで、より質の高いアプローチが可能になります。
効率的なメールマーケティングにはツールの活用が有効
メールマーケティングの運用には、ターゲットと目標設定をはじめ、配信作業、効果検証などのさまざまな業務が発生します。
人手による配信作業を効率化するために、メール配信機能が備わった営業ツール、MA(マーケティングオートメーション)(※)ツールなどの活用が有効です。
ツールを活用することで、メール配信の自動化が可能になり、業務効率を高められます。また、効果測定によってメール配信の効果を可視化できるようになるため、施策の精度をさらに高め、アプローチの効果向上につなげられます。
※…MA(マーケティングオートメーション)とはメール配信などのマーケティング活動を自動化し、適切なアプローチを行うためにツールです
まとめ
見込み顧客への継続的なアプローチによって信頼関係の構築を狙うメールマーケティング。
精度の高い効果的なアプローチを行うには、見込み顧客情報のリストアップをはじめ、ターゲットと目標の設定、メール配信後の効果測定といった手順を踏んで進めいくことが重要です。
なお、メールマーケティングではコンテンツの作成や配信を含むさまざまな業務が発生します。営業担当者の業務負担を増やすことなく、効率的に配信業務を行うために、営業支援ツールやMAの活用も検討してみてはいかがでしょうか。