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追客・成約率向上

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競合に勝つ! 一括査定の長期追客について【セミナーレポート】

競合に勝つ! 一括査定の長期追客について【セミナーレポート】

LIFULL HOME'S Businessは、不動産会社の方向けにセミナーを開催しております。8月1日に、「競合に勝つ! 一括査定の長期追客について」と題したセミナーを開催しました。セミナーでは、一括査定を入り口とした不動産売買の現状を紹介したうえで、長期追客の重要性とポイントを解説しました。セミナーから一部をご紹介します。

【登壇者】
ミカタ株式会社 実務サポート事業部 営業 大場真理子

目次[非表示]

  1. 1.一括査定が不動産売買につながっているという事実
    1. 1.1.顧客へのアプローチを数値化する
    2. 1.2.顧客管理の重要性
  2. 2.顧客管理を数値化するメリット
    1. 2.1.顧客の優先順位の決め方
  3. 3.訪問査定のアポ率を上げるために
    1. 3.1.机上査定で着地した案件でも売却可能性がある
    2. 3.2.机上査定で着地した案件の実態
  4. 4.重複案件も追客する
    1. 4.1.重複案件の現状
    2. 4.2.再査定依頼がある理由
  5. 5.査定書で差別化する
    1. 5.1.査定書・査定資料の重要性
    2. 5.2.差別化の方法
    3. 5.3.査定資料を送る時期と方法
  6. 6.長期追客の方法
  7. 7.まとめ:長期追客を仕組み化して競合に差をつけよう!

一括査定が不動産売買につながっているという事実

ミカタ株式会社実務サポート事業部営業担当の大場真理子氏は、「当社が過去1年にわたり代行した一括査定1,000件のうち28.3%の案件で、売買を原因とする所有権移転が行われている」といいます。

また、新所有者となった者のうち3割近くは法人名義だったそうです。一括査定は、売買仲介だけでなく買取再販やリフォームにも広がる可能性を秘めているのです。

顧客へのアプローチを数値化する

大場氏は、一括査定の追客では「顧客へのアプローチを数値化しましょう」と提案します。

顧客管理の重要性

年間500以上の不動産会社とやりとりする同社がアンケートをとったところ、「顧客管理をしていない」との回答が62%にものぼりました。主な理由としては、「必要性を感じていない」「個々の営業担当者が管理している」「使うべきツールが分からない」などが挙げられました。

これに対して大場氏は、「長期追客のためには顧客を把握することが不可欠」と強調します。紙、ホワイトボード、Excel、顧客管理システムなどさまざまな手段が考えられますが、自社に合った方法で顧客管理を行いましょう。

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顧客管理についてのアンケート

顧客管理を数値化するメリット

顧客管理では、いつ、何を、どのような手段で行ったかを記録します。何らかの案内をした場合は、案内内容だけでなくやりとりも記録しておくことで、後の提案につながる可能性があります。

また、次のような項目に従って顧客の行動を記録し、自動計算で数値化しておくことで、自社の弱点や強化すべき点を洗い出し、改善できます。

・    通電率
・    訪問査定率
・    媒介率
・    成約率
・    成約の平均単価
・    成約までの日数

顧客の優先順位の決め方

反響に対応できるリソースが限られる場合は、優先順位を決めて対応しなくてはなりません。順位付けの要素としては、「売却時期」「売却エリア」「査定金額」「売却理由」などが挙げられます。大場氏は、これらの要素のうち特に「売却時期を重視すべき」と強調します。「売却時期を3ヶ月以内、半年以内、1年以内、未定というようにランク付けしたうえで、短期間での売却意向を持つ顧客から優先的にアプローチしましょう」(大場氏)

訪問査定のアポ率を上げるために

訪問査定のアポ率を上げるには、机上査定で着地した案件に再度アプローチしたり、重複案件も追客したりすることも重要です。

机上査定で着地した案件でも売却可能性がある

一括査定後に架電してアポ取りすることが当たり前になった時代において、「査定訪問のアポが取れた顧客」のみを追客することも考えられます。しかし大場氏は、「机上査定に着地しても売却可能性がある顧客は55%を超えています」と指摘します。

「当社に届いた新規反響のうち、机上査定で着地した顧客に1週間後に架電したところ、6割近い顧客に再度アプローチできました。しかも、平均2回の架電回数で通電しています」(大場氏)

机上査定後のアプローチを成功させるポイントは、「最初の通電時に『連絡のつきやすい時間帯』を伺っておくこと」と、大場氏。連絡のつきやすい時間帯を把握しておき、その時間帯に架電することで、つながりやすくなるそうです。

机上査定で着地した案件の実態

不動産の売却は、売主にとって人生で一度あるかないかの大きな出来事です。したがって、「まずは資料を見て、改めて詳しい内容や正確な金額を知りたい」という売主の心理は当然のこと。このため、「そもそも最初の段階で資料を送らなければ、土俵に上がることもできません」と、大場氏。

机上査定で着地した顧客に対して、同社が売却の意向を尋ねたところ、回答結果は40.8%が「意向なし」、4.45%が「他決」でした。また、「時期がくれば売る」「条件がそろえば売る」「すでに売却活動中」と回答した売主は計55.46%でした。

机上査定で着地した顧客のうち55.46%は売却可能性のある売主であり、長期追客の対象顧客となります。また、「他決」の中でも「資料のメールがわからなかったので他社で進めた」「資料が届かず判断できなかったため他社で進めた」といったケースについては、自社で対策できそうです。

「机上査定の顧客もしっかりと追客することで、1件でも多く案件化しましょう」(大場氏)

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売却の意向結果

重複案件も追客する

重複顧客に目を向けることも重要です。重複顧客とは、「同一人物が複数または同一の査定サイトに2回以上査定依頼している顧客」のことです。

重複案件の現状

大場氏によると、同社が2022年2月1日から2023年2月6日までに対応した総反響数2万2,865件のうち、約13%が重複案件だったそうです。

詳細を見ると、80.4%が1回目の反響から半年以上1年以内に再度査定を依頼しており、89%が同一の査定サイトに2回登録していました。また、重複案件の15%が初回対応で訪問査定に着地し、36%が机上査定で着地していました。

ではなぜ、売主は最初の不動産会社に連絡せずに再度査定依頼をかけるのでしょうか。

再査定依頼がある理由

大場氏は、再査定依頼がある理由として次の4つを挙げます。

1  同時査定の数を増やしたいから(複数の不動産会社を比較検討したいという売主が多い)。
2 査定依頼したが不動産会社から連絡がなかったから(優先順位の低いケースや、市街化調整区域内の物件が対象になっているケースでは、はじめから連絡しない不動産会社もある)。
3 連絡をくれた不動産会社に案件を任せられなかったから(不動産売却では、法的手続き、市場動向の把握、交渉スキルなど、幅広い知見とノウハウが求められる。不安に感じた売主は、他の不動産会社を探す)。
4 不動産会社を覚えていられなかったから(長期化する不動産売却で、不動産会社が売主と定期的に接点を持ち続けていなければ忘れられてしまう)。

これに対して、次のような対策が考えられます。

1  他社に劣らない誠実な対応と差別化を試みる。
2 対応が難しいケースでも、売主に連絡して「対応できない理由」を伝える。
3 自社の提案内容や資料を見直し、売主の要望をヒアリングして的確な提案をする。
4 最低でも半年間、長期的に追客する。

査定書で差別化する

一括査定では6~10社の競合が存在しています。このため、最初の接点である査定書が大きな差別化要素となります。

査定書・査定資料の重要性

競合と差別化して訪問査定のアポを獲得するには、競合を把握し、自社の強みと弱みを分析したうえで施策を打たなくてはなりません。なかでも、「競合の査定資料は定期的に確認しましょう」と、大場氏。

確認すべきポイントは次のとおりです。

・査定資料の外観
・査定資料の枚数
・査定価格がプロ目線で適性かどうか

自社の査定資料では、「見た目やボリュームが競合に見劣りしないか」を意識するとともに、「この会社に任せたい」と思わせる販売戦略を明記しておくことも重要です。

差別化の方法

大場氏は、差別化に成功した具体的な方法を2つ紹介しました。

1つは、販売図面だけでなく物件カタログも用意すること。「他社の営業担当者が物件を案内する場合でも、物件の魅力を漏れなく伝えることができます」とお伝えするといいでしょう。

2つ目は、机上査定時に不動産関連の書籍をプレゼントすること。書籍には「捨てられにくい」という特徴があります。「書籍に市販の名刺ポケットを貼付して名刺を挿入しておけば、書籍の転売を防げるうえ、営業ツールとしても活用できます」(大場氏)

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セミオーダー制の名入れできるノウハウ本を販売

査定資料を送る時期と方法

査定資料を送る際には、レスポンスの早さを印象づけるべく、まずは簡易な査定資料をメールで送ります。メール本文には、「後日改めて詳細な資料をお送りします」と書き添えておきましょう。

郵送する査定資料については、「査定書・査定資料の重要性」で解説したポイントを明確にしたものを作成し、1週間以内に届けましょう。

長期追客の方法

不動産売買における売主は、買主と比べて売買契約成立までの検討期間が長期化しやすい傾向にあります。長期化するにつれて競合も減っていきます。このため、競合と差をつけるには長期追客が有効です。

長期追客では、「認知してもらうための追客」と「刈り取るための追客」の両方に注力する必要があります。

「認知してもらうための追客」では、顧客と定期的に接点を持てるよう、1週間に1回のペースでメールを送ります。

「売却に関するお役立ち情報を140字程度でまとめたメールを最低10個作っておき、順に送信していくことをおすすめします。あわせて、季節ごとのお便りを郵送で送るとよいでしょう」と、大場氏。簡素なメールや季節のお便りであっても、繰り返し接することで関心が高まる「ザイオンス効果」が期待できるそうです。

「刈り取るための追客」については、四半期に1回のペースで、個別の顧客の状況に合わせた内容の提案や情報提供を行います。これにより、具体的な案件化を目指しましょう。

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追客の目的とタイミング

まとめ:長期追客を仕組み化して競合に差をつけよう!

不動産売買では、一括査定から売却まで半年以上かかることも珍しくありません。競合に勝つには、競合が減っていく長期顧客にこそ、注力すべきです。競合と差別化できる長期追客を成功させるには、顧客管理を前提に、机上査定で着地した顧客や重複査定依頼のあった顧客も追客することが重要です。査定資料やメールによる営業施策を社内でルール化し、自社に合った長期追客施策を仕組み化することで、競合に差をつけましょう。

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Business 編集部
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