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デザイナーズマンションとは?不動産会社の担当者が知っておくべき成約率を上げる提案のコツ

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デザイナーズマンションは、独創的なデザインで人気を集めやすい物件です。一方で、明確な定義がなく、物件ごとに個性が異なるため、提案に苦労する営業担当者は少なくありません。

顧客のタイプを見極めず、一般的な物件と同じ感覚で提案すると、契約後のミスマッチや早期退去につながるリスクもあります。

本記事では、デザイナーズマンションの定義や特徴、成約率を高める接客のコツや実務で押さえるべき注意点などを解説します。

デザイナーズマンションの定義

まずは、一般的に認識されているデザイナーズマンションの特徴と、営業担当者が押さえておくべき定義の前提を整理します。

法的な定義は存在しない

デザイナーズマンションには、法律や業界団体による明確な定義は存在しません。

宅地建物取引業法と不動産の表示に関する公正競争規約のいずれにも、デザイナーズマンションを規定する条文がないためです。

実際の現場では、不動産会社やオーナーが「デザイナーズ」と判断すれば、この呼称を自由に用いることができます。そのため、建築家が手がけた本格的な物件から内装をおしゃれにしただけの一般物件まで、同じ呼称で扱われているのが実情です。

一般的なデザイナーズマンションの条件

デザイナーズマンションとして扱われる物件に共通する代表的な条件は、以下の4点です。

  • 建築家やデザイナーがコンセプトを持って設計・建築している
  • 外観や内装に統一感とこだわりがある
  • 建築家やデザイナーの氏名が物件情報に明示されている
  • 個性的な間取りや素材を使うなど、斬新なプランニングを採用している

見た目のデザイン性と空間の個性を重視し、一般的なマンションよりも外観や内装、間取りにこだわった物件が多く見られます。

デザイナーズマンションの主な特徴と傾向

デザイナーズマンションには、設計思想や空間構成など、一般的なマンションとは異なる特徴があります。

建築家による設計

デザイナーズマンションの特徴は、建築家やデザイナーが明確なコンセプトを持って設計している点にあります。

一般的な分譲・賃貸マンションは、「効率性」や「収益性」を優先しています。一方で、デザイナーズマンションは「空間の質」や「世界観」が重視されるのが一般的です。

具体的には、敷地の形状や周辺環境、採光条件などを活かした唯一無二の空間設計が施されます。グッドデザイン賞や日本建築学会賞などの受賞歴を持つ物件も存在し、建築家の作品として扱われるケースも少なくありません。

独創的な間取りと内装

多くのデザイナーズマンションでは、従来のマンションの常識にとらわれない独創的な間取りや内装が採用されています。

設計者が「住み手のライフスタイル」を起点に空間を構想し、自由度の高いプランニングを行っているためです。代表的な例として、以下のような構造や内装が挙げられます。

  • 間仕切りを除いたワンルーム構造、ロフト、スキップフロア
  • 螺旋階段、吹き抜け、高天井による開放感の演出
  • 壁から独立した形でキッチンを配置するアイランド型レイアウト
  • ガラス張りの浴室
  • コンクリート打ちっぱなしの壁面

これらが洗練されたアートのような雰囲気を演出しており、日常に特別感を与える点が特徴です。

ただし、このような独創性は強い訴求力を持つ一方で、家具配置や生活動線に制約が出る場合もあります。そのため、内見時・説明時には実用性の確認も欠かせません。

共用部・外観の演出

デザイナーズマンションは、専有部だけでなく共用部や外観までコンセプトが貫かれている点が特徴です。

設計者が建物全体を一つの作品として捉えているため、外観からエントランス、廊下に至るまで、統一された世界観が表現されています。具体的には、街並みと調和する外観デザインやエントランスホールの間接照明、内装の素材選びなどに工夫が見られます。

営業担当者は、専有部だけでなく共用部も含めて顧客を案内すると、物件の世界観を効果的に伝えられるでしょう。

デザイナーズマンションの家賃相場は1.3〜1.5倍が目安

デザイナーズマンションの家賃は、周辺相場の約1.3〜1.5倍が一般的な水準とされています。希少性とデザイン性の高さが付加価値として価格に反映されるため、一般的な物件と比べて高めの設定になりやすいためです。

なお、1.3〜1.5倍の家賃差が見られるのは都心部である一方、実際には近年は地方都市にもデザイナーズマンションが広がっています。「通常の1.3〜1.5倍」は、あくまでも目安です。

前提として、立地や築年数、設備仕様などによって家賃相場に差がある点を押さえておきましょう。提案時は、同条件の近隣物件と比較し、価格差の根拠を説明できるようにしておくことが重要です。

接客・提案時のポイント

デザイナーズマンションの成約率を高めるには、顧客タイプの見極めから訴求の型、内見時の演出まで一貫した接客が必要です。

デザインの魅力や洗練さを伝える

デザイナーズマンションの魅力を効果的に伝えるには、まず顧客の感性のタイプを見極めることが重要です。

機能性を重視する顧客と感性を重視する顧客では、アピールすべき要素が異なります。初期のヒアリングで方向性を見誤ると、訴求が相手に伝わりません。具体的には、以下の項目を初回ヒアリングに組み込みましょう。

  • 来客頻度(友人や家族を呼ぶ機会が多いか)
  • 在宅時間の長さ(リモートワーク・SOHO利用の有無)
  • インテリアに関する情報収集の傾向
  • 好きな建築家・デザイナーの有無

感性重視型の顧客は、直感で物件を即決する傾向があります。この場合、デザインコンセプトや素材へのこだわりを言語化して伝えるとよいでしょう。

ステータス性を強調する

デザイナーズマンションの提案では、そこに住むこと自体が持つステータス性を訴求の軸に据えると効果的です。

感性を重視する顧客は、物件の機能だけでなく「自分のライフスタイルや価値観を表現する手段にしたい」「おしゃれで特別な空間に住みたい」などの理由で住まいを選ぶ可能性があるためです。

なお、デザイナーズマンションでは、同じマンション内でも部屋ごとに間取りや内装が異なるケースが見られます。「この部屋だけの個性」という希少性も併せて伝えると、承認欲求の刺激にもつながり効果的です。

内見時に明るい空間を演出する

内見時は、明るさと開放感を引き出す演出が成約率を左右します。自然光や空間の抜け感は写真や図面では伝わりにくく、実際の空間体験そのものが意思決定の決め手となるためです。

実務的には、以下のような工夫が効果的です。

  • 自然光が入る時間帯(午前10時〜午後2時など)に内見を設定する
  • 高天井や吹き抜けの抜け感が伝わる立ち位置から説明を始める
  • コンクリートや木材などの素材に実際に触れてもらう
  • 共用部のエントランスから順に案内し、段階的に世界観に没入させる

案内の順序も重要な要素です。共用部のコンセプトから提示することで、専有部のこだわりを感じ取ってもらいやすくなり、物件全体の価値を立体的に伝えられます。

実務で押さえるべき提案時の注意点

デザイナーズマンションは、生活動線や収納、居住ルールとの相性次第で契約後にミスマッチが生じる可能性があります。トラブル回避と顧客満足度の維持・向上に向けて、事前に伝えるべき3つの確認事項を見ていきましょう。

生活動線と収納を確認する

デザイナーズマンションは独創的な間取りゆえに、生活動線や収納の使い勝手に制約がある物件があります。

設計者がデザイン性や空間の見せ方を優先するあまり、家具配置や収納計画が後回しになりやすいためです。具体的な事例は、以下のとおりです。

  • 変形間取りのため一般的なサイズのソファやベッドを置けない
  • 間仕切りが少なくプライバシー確保が難しい
  • 収納がほぼ存在せず、オープン棚で構成されている

営業担当者には、事前のヒアリングで顧客の家具サイズや所有物の量を確認し、現地で実用性を検証する流れが欠かせません。実用性に課題がある物件については、そのデメリットを隠さず正直に伝えたうえで対策を提案することで、信頼の獲得につながります。

居住ルールを確認する

デザイン優先で設計された物件には、「ベランダへの洗濯物・布団干しが禁止」のように、独自の居住ルールが定められているケースがあります。外観の美観を保つことが、物件の印象や価値の維持につながるためです。

規約で居住者の行動を制限している物件に関しては、どのような問題が発生するかを伝えることが欠かせません。たとえば、洗濯物を外干しできない物件では、浴室乾燥機や室内干しスペースの有無を、顧客への案内前に必ず確認しましょう。

断熱・遮音性能を確認する

断熱・遮音性能など、生活に密接する情報を顧客に正しく伝える必要があります。

コンクリートの打ちっぱなしや大開口の窓は意匠性に優れる一方、熱伝導や結露のリスクを抱えているのが実情です。また、コンクリートは熱伝導率が高く、冬の冷え込みや夏の蓄熱が室内環境に影響しやすい性質があります。

木造や鉄骨造のデザイナーズマンションも存在するため、構造ごとの特性を確認したうえで顧客に説明することが重要です。

まとめ

デザイナーズマンションには法的な定義がなく、物件ごとに個性が異なるため、営業担当者の知識量と提案力が成約率を左右します。

特徴や強み、注意点などを整理することで、顧客のタイプに合わせた的確な提案ができます。結果として成約率を高められ、また契約後のミスマッチも防げるでしょう。

LIFULL HOME'Sの「住まいんど診断」を活用すれば、顧客の住まい観を可視化でき、デザイナーズ物件の提案精度をさらに高められます。顧客理解を深める手段として、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

柴田 充輝
柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。保有資格はFP1級・社会保険労務士・行政書士・宅建士。金融メディアや不動産メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆経験がある。自身でも株式投資や不動産投資を行い、実体験に基づく質の高い情報の提供と、読者にとってわかりやすい執筆を心がけている。本業のかたわら、FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。

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