不動産営業で覚えることとは? 基本となる3つの知識や業務を解説
不動産営業には、物件の紹介や内覧、契約書作成などのさまざまな業務があります。
専門的な知識やスキルを身に付けることも大切ですが、新人の営業担当者の早期戦力化を図るためには、まずは日常の基本的な業務を覚えてもらうことが必要です。
本記事では、不動産営業の新人研修・育成の際に覚えてもらうとよい3つの基本的な知識や業務について解説します。
目次[非表示]
- 1.1.ビジネスマナー
- 2.2.物件の提案業務
- 2.1.レインズでの物件登録・検索
- 2.2.物件の問合せ
- 2.3.内覧
- 3.3.書類作成・申請業務
- 3.1.入居申し込み
- 3.2.住宅ローンの事前審査
- 3.3.契約書の作成
- 4.まとめ
1.ビジネスマナー
まず、新人の不動産営業担当者が習得しておいたほうがよいことは基本のビジネスマナーです。
不動産営業では、お客さまや物件のオーナー、管理会社、保険会社などさまざまな人と関わります。相手方に失礼のないように、来客対応や電話・メールでの対応マナーを覚えておく必要があります。
ビジネスマナーを教育する際は、新人同士でロールプレイングを実施することが効果的です。その後、先輩・上司のフォローのもと、実務で実践することで学んだことが身に付きやすくなります。
来客対応
来店されたお客さまへの対応は不動産営業の基本です。
来客対応で覚えること
- 挨拶(会社名と名前を伝える)
- 正しい言葉遣い
- 接客ブースへの案内
- お茶出し
- 来店理由のヒアリング(物件探し、相談、内覧予約など)
来店理由のヒアリングについては、来店シートを使用する会社もあります。その場合は、お客さまに対してシートに関する簡単な説明を行うことも必要です。
電話対応
不動産営業で頻繁に発生するのが電話対応です。営業担当者が覚える基本のマナーには以下があります。
電話対応で覚えること
- 挨拶(会社名や氏名を名乗る)
- 相手方の名前、要件の把握
- 再連絡の有無、折り返し先の確認
電話対応では、相手方に聞き取りやすいように明るく丁寧に話すことがポイントです。日時や金額、時間などの特に重要な事項については、相手方が言ったことを復唱して確認しながらメモを取ることで認識の齟齬(そご)や失念を防げます。
電話先の相手が不在の場合には、電話がつながる日時をうかがい、こちらから折り返すようにします。
メール対応
不動産営業では、お客さまからの物件の問合せ、契約や引き渡しに関する問合せがメールで行われる場合もあります。メール対応で身に付けておきたい基本マナーには以下があります。
メール対応で覚えること
- 基本情報(会社名・担当者名・連絡先)の記載
- 要件が分かるメールの件名
例)◯◯物件の空室問合せについて
契約日の日程調整について
- 丁寧な文章かつ正しい言葉づかい
メールを受け取ったときには、24時間以内に返信を心がけるのがポイントです。休業日で返信できなかった場合には、メールの冒頭で謝罪の旨を述べる必要があります。
メール対応では、お客さまから問合せのあった物件のほかに類似の物件情報を追加で紹介したり、メール対応の業務を効率化するためにテンプレートを作成したりといった対応も大切です。
2.物件の提案業務
売買・賃貸の仲介業務では、物件の検索や提案をする業務があります。お客さまの探している物件条件を丁寧にヒアリングしたうえでマッチする物件を検索・提案するのが主な業務です。
レインズでの物件登録・検索
レインズとは、不動産流通機構が運営する物件情報交換のためのシステムのことです。レインズを利用している不動産会社では、システムの利用方法や物件の検索方法を覚える必要があります。
レインズの使い方で覚えること
- 検索条件(エリア・駅・間取り・階数)の入力方法
- 物件情報の見方
- 情報共有やプリントアウトの方法
レインズで物件を検索すると、築年数・間取り・敷金・礼金などの情報を閲覧できます。これらの情報はお客さまへの提案時に必要になるため、検索結果の見方についても覚えておくことが重要です。
自社で売り物件を保有している場合には、レインズへの掲載方法も覚える必要があります。
物件の問合せ
物件について確認が必要になった際、オーナーや管理会社に直接問合せをするケースもあります。
たとえば、レインズに掲載されていない情報や敷金・礼金の調整可否、保証人の有無、保険の加入、入居可能時期などを確認する場合です。
物件の問合せで覚えること
- オーナーや管理会社への連絡方法
- 敷金・礼金や保証人、保険などの仕組み
- 申し込みから入居までのフロー
提案時に確認が必要な項目については、社内でマニュアル化しておくことがポイントです。これにより、お客さま対応の際に必要事項を漏れなく確認できます。
内覧
お客さまが希望する物件の内覧を手配するのも、営業担当者の重要な業務の一つです。仲介会社は物件を所有する売主・管理会社に対して内覧を申し込み、お客さまに同行します。
内覧で覚えること
- 内覧予約や問合せの方法
- 内覧の方法(鍵の受け渡し、オートロックの解除)
- 車での案内方法
- ヒアリングの項目
- デメリットの伝え方
内覧方法については物件によって対応が異なるため、オーナーや管理会社にその都度確認する必要があります。車での内覧を行う場合は、駐車場の調べ方やエリアの交通ルールなども覚えることがポイントです。
また、内覧の際にお客さまへヒアリングする項目や物件のデメリットをどのように伝えるかという点も身に付けることが望ましいでしょう。
3.書類作成・申請業務
物件の売買や賃貸契約を進める際には、さまざまな申し込みやそれに伴う書類作成業務が発生します。
新人の営業担当者は書類の作成方法や申請手順を覚えるとともに、上司や管理者が申請前に必ずチェックを行い、記入漏れやミスがないように確認することも重要です。
入居申し込み
お客さまと賃貸借契約を結ぶ際は、本契約の前に入居審査のための入居申し込みが必要です。必要な項目を漏れなく記載しなければならないため、注意しなければなりません。
入居申し込みで覚えること
- 入居申込書の記入項目
- 連帯保証人や保険加入についての基礎知識
- 入居審査のフロー(手順や日数など)
- 契約にかかるお金や申込金の計算方法
入居審査の通過後は、7~10日程度で契約に進むことが一般的です。この際、仲介手数料や申込金、それぞれの支払い時期などをお客さまに伝えておくことで、スムーズに契約を進めやすくなります。
住宅ローンの事前審査
不動産売買で住宅ローンを活用する場合には、契約締結前に金融機関で住宅ローンの事前審査が行われます。
ローンを借り入れるお客さまの本人確認書類、収入証明書類などを用意したうえで、金融機関へ提出するという流れです。
住宅ローンの事前審査で覚えること
- 事前審査に申し込むタイミング
- 事前審査の必要書類
- 事前審査の流れと日数の目安
- 担保物件や団体信用生命保険に関する知識
新人の営業担当者であっても、事前審査や流れについてお客さまから質問される可能性があります。基本的な知識を習得しておくことで適切に説明できます。
契約書の作成
賃貸・売買の契約には、紙の契約書が用いられます。業種によって用いられる契約書は異なるため、実務で使用する契約書から覚えることがポイントです。
契約書の作成で覚えること
- 代表的な契約書の作成方法(不動産賃貸借契約書、売買契約書)
- 契約に対するリスク(特記事項、瑕疵)
- 契約時の支払内容
契約に必要な書類、確認事項などをマニュアル化しておくことで、新人営業担当者への教育を行いやすくなります。また、契約に際してリスクがある場合には、事前にお客さまに伝えておくことも欠かせません。
まとめ
不動産営業で覚えておきたいのは、基本的なビジネスマナーや現場で行われる基本業務についてです。
不動産営業に限ったことではありませんが、基本のマナーや業務を覚えることで、実務で活用しながら知識や経験を積むことができます。また、新人の営業担当者を育成するうえでは、ルールや手順をマニュアル化することも大切です。
電話対応や物件の案内方法、書類作成方法などを覚えたうえで、スキルの向上、資格の取得などに挑戦してみてはいかがでしょうか。