顧客からパーソナル情報を引き出す3つのポイント
不動産営業にとって、不動産の売却や購入を検討している顧客のパーソナル情報を事前に引き出せるかどうかはとても重要です。
しかし、顧客としては、電話口の営業担当者や、初対面のときにはなかなかパーソナルな情報を出したくないことが多いと思います。
では、どのような対応をすれば、顧客がパーソナル情報を出してくれるようになるのでしょうか?
今回は、顧客側から積極的に相談や情報を開示してもらうための方法を紹介します。
ポイントは以下の3つです。
①プロフィールシートを活用する
②パーソナル情報を出すメリットを伝える
③パーソナル情報を伝えたくなってもらう
営業担当者として、顧客との初回接点でどれだけ情報を引き出せるかは、その後の提案の内容やクロージング戦略を立てる上で非常に重要です。
しかし、これは営業担当者側の都合であって顧客の感情や希望とは全く違います。顧客としては、営業担当者にパーソナル情報を伝えるのは怖いと思うことが一般的です。
「どんな人かわからないのに、個人情報を伝えるのは怖い」
「情報を出したら売り込まれそう」
「あとからしつこく営業されそうだからあまり深くかかわりたくない」
など、営業担当者を警戒しています。
営業担当者としては情報が欲しい、けれど、顧客はできれば情報は出したくない。この認識のズレをどう埋めていくのかを考えていくことが大切です。
プロフィールシートを活用する
まず簡単にできる方法は、営業担当者であるみなさんが先に自己開示をすることです。みなさんは物件を紹介する前に、自分自身のパーソナルな部分を顧客に開示したことはあるでしょうか?
人間関係は返報性とか、人間関係は鏡の法則などと言われ、出してほしい情報があるならそれを先に開示することで、相手が教えてくれやすくなるということが言われています。
お住まいの地域を知りたいなら、自分の住んでいる場所を先に言う、家族構成を聞きたいなら自分の家族構成を言うなど、欲しい情報を先に自己開示することで、顧客が提示してくれやすくなります。
そのために使うのがプロフィールシートです。ご自身の実績はもちろん、好きなことや趣味、家族構成などを明記したプロフィールシートというものを初対面のときにお渡しすることで、雑談の話題や、親近感が生まれ、顧客側にもパーソナルな部分を開示しやすい雰囲気をつくることができます。
ここを突破口にして、顧客がどんな要望をもっているのか情報を得ることができ、より良い営業につながります。
パーソナル情報を出すメリットを伝える
もう一つ簡単にできる方法は、なぜ、そのパーソナル情報を差し出すべきなのか、その理由を顧客目線で伝えるという方法です。
例えば「今日ご案内する物件がお客様にとって本当に最適なのかどうか、プロの視点から分析して、もっと良い物件があればご提案できるようにしたいと考えています。その分析のために必要な情報をいくつか教えていただけますでしょうか」などと、顧客にとって「その情報を出すことが、自分のためになる」と思ってもらえるように説明するだけでも、パーソナル情報を差し出すハードルは低くなります。
パーソナル情報を伝えたくなってもらう
最後の方法は、いかにパーソナル情報を言いたくなる状態を作るか?という発想です。
前に記載したプロフィールシートやメリットが伝わることも大切ですが、「この人だったら、わがままな条件を伝えても何とかしてくれるかもしれない」という気持ちにさせることで、「もっと知ってほしい」「もっと伝えたい」という感情が芽生えます。
大事なのは、顧客が「安心して出してくれる」「パーソナル情報を出したくなる」状態にすることです。
営業担当者が、自分の営業成績のために「あなたのパーソナル情報が欲しい」という気持ちをだしてしまうと顧客は情報を出してくれません。顧客の気持ちを考えてどう動いていくかが重要だということを押さえていただければと思います。