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不動産売買仲介で媒介契約を獲得するためのコツ

不動産売買の一つに、契約者間の取引・交渉を仲立ちすることを指す媒介契約があります。

媒介契約には、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3つの種類が存在します。なかでも専任媒介・専属専任媒介は、売主・貸主が1社の不動産会社と媒介契約を締結するため、不動産会社にとって有利に営業活動を進められることが特徴です。一方、売主にとっては、売却相手の自己発見やほかの不動産会社への依頼が制限されることから、媒介契約のハードルが高くなると考えられます。

売主によって、「できるだけ早く売却したい」「希望価格での売却を望んでいる」と条件は多岐にわたるため、それぞれに合わせて媒介契約を締結することが大切です。

この記事では、不動産売買仲介で媒介契約を獲得するためのコツについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.不動産売買仲介の媒介契約を獲得するコツ
    1. 1.1.①初回訪問で動機・ニーズをつかむ
    2. 1.2.②売主に応じてアピールポイントを変える
    3. 1.3.③売却価格の具体的な根拠を示す
    4. 1.4.④サービスの拡充で差別化を図る
  2. 2.媒介交渉を行う際の注意点
    1. 2.1.仲介手数料の値引きは安易に行わない
    2. 2.2.売却価格の査定時には物件情報を提供してもらう
  3. 3.まとめ

不動産売買仲介の媒介契約を獲得するコツ

不動産売買仲介において、売主との媒介契約を獲得するためのコツを4つ紹介します。


①初回訪問で動機・ニーズをつかむ

初回訪問では、売主からの信頼を得るために、売主が売却を決めた動機やニーズを把握することが重要です。

会社説明や売却事例紹介から始めるのではなく、コミュニケーションを通して、動機・ニーズを推測します。会話のなかで、売却理由や家族構成、お金に対する考え方などを感じ取ることがコツです。

ただし、初対面の営業担当者に対して、はじめから本音を話してくれない人もいます。売主との信頼関係を築くためには、一方的な質問ではなく、会話の流れで自然に聞き出すことを意識することが大切です。


②売主に応じてアピールポイントを変える

売主の興味関心を引くためには、売却を決めた動機・ニーズを踏まえたうえで、アピールするポイントを変えることもコツの一つです。

たとえば、有益な情報を効率よく入手したいと考える売主に対しては、売却実績や売却メリットを伝えます。

じっくり検討したいと思われる売主には、企業理念やコンセプト、営業担当の仕事への取組み方などをアピールすることで、人となりを知ってもらいやすくなります。

売主との会話を通して得た情報から“何を提案すれば相手に響くのか”を考えて、売主側のメリットや「こうすれば売れる」という具体的な方法を提案していくことがコツです。


③売却価格の具体的な根拠を示す

売却価格を提示する際は、どのようなデータや実績に基づいて売却価格を決定したのか、具体的な根拠を示すことが重要です。

物件の売却価格の根拠を示すための情報には、不動産協会が作成した価格査定マニュアルや不動産鑑定評価などが挙げられます。

また、売主との認識の相違や媒介契約後のトラブルを防ぐためにも、口頭ではなく書面で明示することが必要です。

宅地建物取引業法』第34条の2では、不動産の媒介契約を締結する際、物件の価格または評価額について書面を作成して、売主に交付することが義務づけられています。

第三十四条の二 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約(以下この条において「媒介契約」という。)を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。

引用元:e-Gov法令検索『宅地建物取引業法』第34条の2

​さらに同法第34条の2第2項では、売却価格の意見を述べる際に根拠を明示する義務が定められています。​​​​​​​

2 宅地建物取引業者は、前項第二号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。

引用元:e-Gov法令検索『宅地建物取引業法』第34条の2第2項

(出典:e-Gov法令検索『宅地建物取引業法』)


④サービスの拡充で差別化を図る

売主へのサービスを拡充させて、ほかの不動産会社との差別化を図ることも有効です。自社独自のサービスや幅広いニーズに応えるサービスを提供することで、不動産会社の付加価値が創出されて、売主へアピールができます。

売主にアピールできるサービスの例としては、以下が挙げられます。

▼売主にアピールできるサービス

  • 売却物件のクリーニング
  • 壁・床のリペア
  • 住み替え先の物件探しの支援
  • 建物状況調査(インスペクション)の実施 など

媒介交渉を行う際の注意点

媒介交渉を成功させるために、以下の注意点を押さえておくことが重要です。


仲介手数料の値引きは安易に行わない

売買が成立した際の報酬として売主から受け取る仲介手数料は、安易に値引きしないように注意する必要があります。

媒介契約では、売主への金銭的なメリットを強みとして訴求するために、仲介手数料を値引きするケースが見られます。しかし、仲介手数料の値引きは、媒介交渉で必ずしも有利になるとは限りません。

競合他社でも仲介手数料の値引きを行うことがあるため、これだけでは差別化につながらない可能性があります。

仲介手数料の値引きをする際は、売却物件の需要を踏まえることや、自社にとって有利な契約かどうか、媒介契約の種類・条件に応じて検討することが重要です。


売却価格の査定時には物件情報を提供してもらう

物件の売却価格を査定する際は、売主から物件情報を提供してもらうことも重要です。物件情報は売却価格に影響するほか、売買取引後に告知していない瑕疵が見つかると、トラブルにつながる可能性があります。

重要事項説明書や建築図面、リフォーム図面、修繕履歴などの情報を売主に提供してもらい、物件調査を実施することで、適正な物件査定ができます。

まとめ

この記事では、不動産売買仲介の媒介契約について以下の内容を解説しました。

  • 媒介契約を獲得するためのコツ
  • 媒介交渉を行う際の注意点

不動産売買仲介で媒介契約を獲得するためには、初回訪問時に会話を通して動機・ニーズを把握したうえで、アピールポイントを提示することが重要です。

そのほか、売主へのサービスを拡充させて、競合他社との差別化を図ることも有効です。売却価格については、具体的な根拠を示すとともに、書面によって売主に提示する義務があります。

また、媒介交渉を成功させるためには、安易に仲介手数料を値引きしないことや、売主から物件情報を得たうえで売却価格査定を行うことも重要です。

LIFULL HOME'Sでは、不動産会社さまの経営や業務にお役立ていただけるさまざまな情報を発信しております。媒介交渉のスキル向上を図るうえでご参考にされてはいかがでしょうか。

なお、3つの媒介契約の内容や仲介との違いについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

 ≫ 不動産取引における媒介・仲介の違いとは? 特徴と媒介契約の3つの種類を解説

  不動産取引における媒介・仲介の違いとは?特徴と媒介契約の3つの種類を解説 | LIFULL HOME’S Business 仲介・管理 不動産仲介業における媒介と仲介の定義をはじめ、両者の違い、媒介契約の3つの種類について解説します。 LIFULL HOME'S Business 仲介・管理


Business 編集部
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