訪問査定につなげるための文章術
査定依頼を受けても机上査定で終わってしまう、なかなか会ってもらえない、などの経験はありませんか?営業担当者を家に入れることに抵抗感をもつ顧客が多いため、このように資料だけで判断されてしまうことが多々あります。
ただ、やはり実際に物件を見て正しい査定をしながら、「営業担当者自身」もよくわかっていただいて任せて欲しいと思いますよね。
今回は、メール送信時に意識しておきたい、「わざわざ来てもらわなくていい」と思っている顧客に対して、どのように対応すれば会っていただける確率が上がるのか?という点について解説します。
会いたくない顧客の心理
訪問査定を断られると「なぜ会ってくれないのか?」「会った方が絶対にいい査定ができるのに」と考えるかもしれませんが、これは売り手目線の論理です。顧客側は確かに査定をしてほしい、家の価値を知りたいと思っているのですが、一方で不安も感じています。
それは、
1.見ず知らずの人に家に来てほしくない
2.防犯上、他人を家に上げたくない
3.営業されたくない
4.しつこい担当者がいたら面倒くさい
など。こういったリスクを回避するために訪問を拒否していることが多いです。
こういった恐怖、不安を払拭していくことが、営業担当者に求められている行動だとも言えます。では、どうやってその不安を払拭していくことができるのでしょうか?
会いたくない状態を解消するための発想
解決策としては、顧客が考えるであろう訪問を拒否する理由を先回りして解消しておく、というのが分かりやすくシンプルな発想です。
例えば、
1.見ず知らずの人に家に来てほしくない
⇒ 自己紹介シートを準備して送付する
2.防犯上、他人を家に上げたくない
⇒ 外観とヒアリングだけでも査定の精度が上がることを説明
3.営業されたくない
⇒ あくまでも査定だけで金額の提示をすることや契約を迫らないことの約束
4.しつこい担当者がいたら面倒くさい
⇒ 退出を促されたらすぐに帰ることを約束
など、来てほしくない理由を思いつく限り全て洗い出し、それに対して先回りして情報を出しておくことは簡単にできます。
「先に言えば説明、後で言えば言い訳」というフレーズを念頭に、顧客から断られる前にいかに説明しておくかを考えて行動してみて下さい。
顧客目線での価値提供の視点
顧客が訪問査定を希望しないもう一つの大きな理由は「訪問査定をするメリットがわからない」ということです。つまり、机上査定で十分ではないか、訪問までしてもらっても別に変わらないだろう、と思われているから訪問査定が取れないという状態です。
営業担当者は、机上査定と訪問査定の違いを具体的に理解していると思いますが、不動産業に詳しくない顧客側からすると、その価値の差が分かっていないことが多いです。
そのため、プロである皆さんが、顧客に対して訪問査定をしない場合と訪問査定をした場合の違いを具体的に言語化して、伝えることが大切です。
なぜ、机上査定だけではだめなのか?
なぜ、訪問査定もしたほうがいいのか?
この問いかけに対する合理的な回答を準備して「説明」することが成功の鍵となります。その場の思いつきで話すのではなく、事前に想定して準備しておくことでより成約率を高められます。
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