売り込まれていると警戒されないための初対面での応対
営業担当者は初対面の顧客に心を開いてもらうために、さまざまな工夫をしていることと思います。しかし初対面の場は特に顧客が警戒をしているため、なかなかアイスブレイクをしても場の雰囲気が和まなかったりすることが多いと思います。
それは、顧客が営業担当者に対して「どんな売り込み方をしてくるのだろう」「強引な売込みをされたときにどうやって逃げようか」など、マイナスのイメージを持たれていることが多いからです。
そのため、ちょっとした対応の違いで「この人は強引に売り込もうとしている」と警戒されてしまい、距離を取られてしまいます。では、このような誤解をされないためにどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
客付けよりも顧客の生活に興味を持つ
どんな間取りが良いか、駅徒歩〇分がいいか、家賃の予算はなど、初対面ではさまざまな質問を顧客に投げかける必要があります。多くの場合、このような営業担当者からの質問は、営業担当者がどの物件を案内するか、どの物件なら顧客が契約してくれるかといった、いわゆる客付けを意識した質問に終始してしまっています。
もちろん、これらも大事なヒアリングではありますが、それ以上に顧客が嬉しいのは、「自分の生活をより良いものにしようと本気で思ってくれている」という営業担当者の姿勢です。
そのためにすぐに実践できる方法は、「今の生活の不満と、引っ越した後に叶えたい生活」をヒアリングするという方法です。
「いまの建物、間取り等でどんな不満がありますか?」
「次に引越す場合、こんな生活がしたいなどの願望はありますか?」
このような質問を通して、新居に求める本質が見えてきます。また、顧客としても、そこまで配慮して家探しをしようとしてくれているんだ、という喜びや安心感を得ることができます。
中立性よりやや顧客寄りの姿勢を示す
中立性というのは、売り手対買い手と言う向き合った関係性でなはなく、信頼出来る第三者のスタンスを取るという意味です。売る・売られるの関係性ではなく、【不動産の専門家としてアドバイスをする先生になる】というような意味合いです。
ただ、完全に第三者としての中立性よりも、少しだけ顧客寄りの姿勢を示したほうが、警戒心がなくなります。
イメージでお伝えすると、営業担当者と顧客が向き合って商談しているのではなく、一つのベンチに並んで座って、パートナーとして一緒に家探しをしているようなイメージです。
これは売り込むのではなく信頼できる仲間というような意識を持って、顧客と接するだけで相手が持つ印象はだいぶ違います。
不動産会社の人間ではなく、顧客の近くにいる不動産についてなんでも相談できる相手、そんな関係性を意識するだけで顧客が持つ印象は大きく違うものになります。
「無理に契約させたりしません」
「一緒に探していきましょう!どんな些細な不安でも教えてくださいね」
など、そのスタンスであればこういった言葉が自然に出てくると思います。
常に対案を提示する
対案を提示するというのは、常に顧客に選択権を与えるという意味です。顧客に対して選択肢を一つしか与えない場合、仮にそれで顧客が受け入れたとしても、強引に押し切られた感しか記憶に残りません。
そのため、顧客になにか行動を促す際は選択肢を提示し、顧客が自ら選んだ、という満足感を与えるように心がけます。
「いますぐ内覧へ行きましょう」→「本日でもご案内できますし、後日でも大丈夫ですが、いかがなさいますか?」など、選ぶ権利を与えつつ、「ただ、いつ申し込みが入るか分からないため早めの内覧がおすすめです」などと補足をすることで、顧客に当日中の案内を促しつつも、顧客が自ら選択した状態をつくることができます。
このように、ちょっとした一言で相手の印象は変わりますし、満足度も変えることができますので、ぜひ一つでも取り入れてみてください。
弊社では、不動産営業担当者向けの実務者研修の他、幹部育成、新人育成なども行っています。トップ営業が実践している顧客対応のコツや、マーケティング知識の向上、離職率の低下など、現場で培った実践ノウハウを、講師が直接お伝えいたします。
お困りごと、ご相談事項がありましたらお問合せください。