不動産営業も差別化をすべき理由

不動産営業は他の業界と違って差別化が難しい業界といわれています。
それは、多くの場合どの会社でも、誰でも同じ商品(物件)を取り扱うことができるという不動産業界の特殊性が影響しています。
そのため営業担当者が「当社でなければいけない理由」「私でなければいけない理由」が伝えづらくなってしまい、顧客からの指名や紹介を貰いにくい業界になっています。
今回は、不動産営業担当者がどのように他社と差別化して、指名や紹介を貰えるようになるのかの、基本的な発想について解説します。
不動産営業も差別化が必要な時代
不動産営業も差別化が必要になった背景は、ネットの普及で物件情報を顧客自身が探せるようになったことです。
(1)ポータルサイトの普及
LIFULL HOME’S等のポータルサイトの普及により、顧客が気軽に物件探しを自分自身で行えるようになりました。これにより、一昔前までは不動産会社の窓口で営業担当者と一緒に探しながら物件を見て、現地に行くという必要性がなくなり、営業担当者に仕事をお願いする価値が変化してしまいました。
(2)地域の周辺情報の認知拡大
以前は、地元に詳しい営業担当者が案内する物件の地域情報を引越し予定の顧客に伝える、車で案内するというのが一般的でした。しかし現在はGoogleやSNS等が充実しているため、現地に行かなくても地域情報が把握でき、気軽にリサーチすることもできるため、不動産会社に教えてもらう必要がなくなりました。
(3)YouTubeやSNSの充実
不動産の物件探しのノウハウや注意点など、物件選びに必要な不動産の知識はYouTubeやSNSで手に入る時代になりました。これにより顧客の不動産に対するリテラシーが向上したため、不動産の専門知識を生かした物件紹介という価値が薄れてきています。
つまり一昔前まであった、営業担当者に相談する価値や、物件案内をお願いする価値が年々薄れているということがいえます。だからこそ、これまでの価値基準とは違う、今の時代に合った「選ばれる理由」をつくり出すことが必要になっています。
差別化をしないリスク
では、不動産の営業担当者が今後も自身の差別化をしないと、どんなリスクがあるのかを考えてみましょう。
たとえば、
・単なる現地案内の人としか認識されず信頼もされないため、話を聞いてもらえない
・AIを活用した不動産営業に取って代わられてしまう
・初期費用の安い不動産会社に顧客が奪われてしまう
などのリスクが挙げられます。
初期費用の安さだけで選ばれるようになると、不動産会社は単なる価格競争に陥ってしまうため、働く人の給与待遇を考えると、そうはならない道を模索していく必要があります。
差別化をするメリット
一方で、差別化をするメリットにはどのようなものがあるかというと、次のようなものが挙げられます。
・「あなたに案内をお願いしたい」という指名が入るため1回目の現地案内で決まらなくても、次回以降も他社の物件であっても案内の指名がもらえる
・「あなたに案内をお願いする意義」を理解してもらえるため、紹介が生まれやすくなる
・価格じゃない価値で安定的に選ばれるようになり値引き競争から抜け出せる
いかがでしょうか、このような営業スタイルを取りたい営業担当者の方はぜひ一度、自分の差別化について考えてもらいたいと思います。次回以降のコラムでこの差別化のポイントについて具体的に解説していきます。
弊社では、不動産営業担当者向けの実務者研修のほか、幹部育成、新人育成なども行っています。トップ営業が実践している顧客対応のコツや、マーケティング知識の向上、離職率の低下など、現場で培った実践ノウハウを、講師が直接お伝えします。
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