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今さら聞けない?リバースモーゲージとリースバックの違い

LIFULL HOME’S総研の中山です。

今年の猛暑もようやくピークを越え、朝晩は涼しく感じるようになりました。年々厳しさを増す夏期の暑さは、温室効果ガスの排出量の増加に伴う地球温暖化によるものですが、これ以上の温暖化・災害激甚化を防止し2050年にカーボンニュートラルを実現するためにも、住宅の低炭素化、断熱性能の向上による省エネ化が急務です。

特に家庭部門(主に住宅で消費されるエネルギー)は、2030年までに2013年比で66%削減するという目標が立てられています。

今年6月13日に可決・成立した改正建築物省エネ法では、2025年から住宅トップランナー制度の対象に賃貸アパートも含めることになっていますから、賃貸住宅の省エネ化も待ったなしです。

目次[非表示]

  1. 1.リバースモーゲージは1981年に武蔵野市の主導で始まった
  2. 2.リースバックは保有資産を売却して売主から借りる仕組み

リバースモーゲージは1981年に武蔵野市の主導で始まった

今回はリバースモーゲージとリースバックについてです。自宅にそのまま住み続けられるという点、および最終的には所有権が移転するという点で、リバースモーゲージとリースバックは似たような仕組みと思っている人が少なくないので、この2つの違いについては利用者にしっかり説明して理解を得ましょう。

リバースモーゲージは、不動産などを資産として保有していながら、生活資金やその他に活用する現金資金が乏しく、生活の先行きに不安を抱えている高齢者を対象にスタートしました。仕組みとしては、所有している自宅と土地を担保にしてお金を借りるのですが、その借り入れた資金を毎月定額で受け取る方式や、半年に1回、1年に1回など自由に設定することができ、もちろん借り入れた際に全額受け取ることもできます。

通常の不動産担保ローンと異なるのは借入金の返済です。通常の不動産担保ローンは元本返済分と決まった利息を合わせて毎月返済していきますが、リバースモーゲージでは毎月発生する利息のみ返済するという商品や、資金を借り入れた人が存命中は一切返済が発生せず、お亡くなりになった後に一括精算するといった方法が採用されます。

これらの方法であれば、借り入れた資金を老後の生活資金として気兼ねなく使うことができますし、毎月の返済額は利息のみ、もしくはゼロですから、経済面での不安を抱えることなく安心して生活することができます。

抵当権は設定されますが、自宅や土地の所有権はそのまま、もちろん借り入れた資金を一括返済して抵当権を抹消することもできます。また、担保として提供した金融機関が抵当権を行使して所有権を移転させるということは存命中にはありませんから、安心して借り入れできるという点も魅力です。

いいことずくめのように見えますが、対象となる不動産が資産性を高く維持できそうな都市圏の物件にほぼ限られること、推定相続人の同意があらかじめ求められるケースがあること、また想定以上に長生きして融資限度額まで使い切ってしまう可能性があることなどは、リスクとして考慮しておく必要があります。

将来についてはどうなるか予測不能で、目論見どおりに人生が進むことはなかなかありません。相応にリスクがあることは、利用しようと考える高齢者にはご認識いただくべきでしょう。

リースバックは保有資産を売却して売主から借りる仕組み

一方、リースバックは、所有している自宅と土地を売却して資産を現金化するのですが、その後は売却した自宅に賃料を支払ってそのまま住み続けることができるという仕組みです。

リバースモーゲージのように自宅を担保とした融資ではなく、不動産売買と賃貸を組み合わせたサービスという点が大きく違います。金融商品ではありませんから、上記に示した対象物件の条件や相続人の同意といった手続きがなく、リバースモーゲージよりも活用のハードルが低く設定されているということができます。

つまり、リバースモーゲージを申し込んだが金融機関に断られたという場合でもリースバックなら活用可能、というケースが想定できるのです。また副次的には所有権に伴って固定資産税などの公租公課の負担がなくなるというメリットもあります。

ただし、リースバックの場合は所有権が移転していますから、その後の賃貸借契約が変更になる可能性があることに注意が必要です。もちろん当初何年という契約の設定、もしくは定期的に更新を続けることも条件次第で可能ですが、自宅を購入した買主=不動産会社が賃料を更新時に引き上げるケースや、開発したいので退去してほしいという要求が示されることもあり、そういった場合に、法律で定められた手続きに則って権利を行使されると対抗する手段がありません。

また、賃貸借の契約期間は2~3年以内(しかも定期借家契約)などと制限される場合もあり、そのまま住み続けられる安心がいつまで続くのか、という点は重々確認が必要です。

さらに、自宅に住み続けることが条件ですから、売却額が市場の相場価格よりも低くなってしまうというリスクもあります。売却後もできる限り長く住み続けたいと考えるならば、売却額はさらに下がってしまいます。

リバースモーゲージとリースバックの仕組み、そして所有か活用かという態様の違いとリスクについても留意して、これから活用しようという相談を受けたときには、納得して利用してもらえる体制を整えてもらいたいと思います。

 
中山 登志朗
中山 登志朗
株式会社LIFULL / LIFULL HOME'S総合研究所 副所長 兼 チーフアナリスト 出版社を経て、 1998年より不動産調査会社にて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演多数。2014年9月より現職。

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