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営業ノウハウ

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事例から学ぶ! 顧客満足度を高める営業手法とは?

本コラムは不動産賃貸仲介営業における「営業力向上」を目的とした、シリーズコラムです。

第1回では、問合せから来店につなげるうえで重要になってくる「初期対応の原則」について今すぐ使える実践テクニックを交えながら、ポイントを解説しました。

第1回はこちら:不動産賃貸仲介業界向け!来店率を高める初期対応の原則とは

第2回では、LIFULL HOME'Sが不動産会社向けに提供しているサービス「LIFULL HOME'S 接客診断(以下接客診断)」のデータから、どのような接客が顧客満足度を高めるのか、また顧客満足度を下げるのかを考え、初期対応手法(メール・電話)のベースづくりについて解説します。

自身だけではなく、周囲を巻き込み、体系化することを本コラムのゴールとします。

目次[非表示]

  1. 1.顧客満足度を高めるポイントとは
    1. 1.1.LIFULL HOME'S 接客診断とは
    2. 1.2.お客さま対応を客観的に見る重要性
    3. 1.3.顧客満足度を高める6つのポイント
  2. 2.接客グランプリ上位企業から学ぶ~総合満足度編~
    1. 2.1.接客グランプリ上位企業の対応事例(総合満足度)①
    2. 2.2.接客グランプリ上位企業の対応事例(総合満足度)➁
    3. 2.3.総合満足度を高める対応まとめ
  3. 3.接客グランプリ上位企業から学ぶ~メール対応編~
    1. 3.1.満足度の低い対応事例①(メール対応)
    2. 3.2.満足度の低い対応事例➁(メール対応)
    3. 3.3.接客グランプリ上位企業の対応事例①(メール対応)
    4. 3.4.接客グランプリ上位企業の対応事例➁(メール対応)
    5. 3.5.顧客満足度を高めるメール対応まとめ
  4. 4.接客グランプリ上位企業から学ぶ~電話対応編~
    1. 4.1.満足度の低い対応事例①(電話対応)
    2. 4.2.接客グランプリ上位企業の対応事例①(電話対応)
    3. 4.3.接客グランプリ上位企業の対応事例➁(電話対応)
    4. 4.4.顧客満足度を高める電話対応まとめ
  5. 5.おもてなし力を向上させる営業手法とは
    1. 5.1.お客さまが何を必要としているか想像する
    2. 5.2.ファーストメールに盛り込むべき要素
    3. 5.3.電話対応におけるヒアリングポイント
  6. 6.顧客満足度を高める6つのポイントまとめ

顧客満足度を高めるポイントとは

LIFULL HOME'S 接客診断とは

顧客満足度を高めるポイントを解説する前に、本コラムで事例を扱う接客診断とは何か?をはじめにお伝えします。

接客診断は、お客さま目線による「良い点・不満点」をフィードバックし、自社や店舗の改善につなげていただくことができる覆面調査サービスです。

「メール対応」「電話対応」「接客対応」における営業対応をまんべんなく調査し、合計200点満点の調査項目で診断をします。

調査項目は大きく3つ「組織サポート力」「ホスピタリティ」「セールス力」のカテゴリで構成されており、個人だけではなく店舗全体の対応改善ポイントを把握し、鍛えることで、満足度向上につなげていきます。

(参考:LIFULL HOME'S 接客診断について詳しく知りたい方はこちら

お客さま対応を客観的に見る重要性

接客診断にかかわらず、客観的にお客さま目線で店舗・個人の対応を振り返ることは重要です。なぜなら、「営業力に課題がありそう」といったお話はよく伺いますが、深掘りをしていくと何が課題なのかが、実はわかっていないということがよくあります。

お客さま目線で「どう見えているか」を事実として知ることで、ぼんやりとしていた課題が明確になり、改善行動をすることができます。

顧客満足度を高める6つのポイント

顧客満足度を高めるには、さまざまな要素や手法がありますが、本コラムでは、下記6つのポイントを挙げています。



項目だけ見ていただくと、すでに実践していると感じるかもしれません。今回は、顧客満足度を高める6つのポイントを、より具体的な行動としてイメージしていただくために、接客診断を通じて見えた実際の事例をご覧ください!

自社・自身の対応と照らし合わせ、できている・できていないといった内省につなげていただくと、いいのではないでしょうか。

とくに初期対応において重要な➁反響発生後の対応・運用のルール化、④スピーディーかつ丁寧な初期対応について重点的に触れていきたいと思います。

接客グランプリ上位企業から学ぶ~総合満足度編~

接客グランプリ上位企業の対応事例(総合満足度)①

下記は、接客診断を受けた会社様をランキング化する「接客診断グランプリ」で、診断結果の総合満足度得点が上位の不動産会社様の事例です。

覆面調査員が不動産会社様の対応で、どんな満足度を得られたかフリーコメントを記載する総評コメントをご紹介します。

本事例から学ぶポイントは2点

(1)類似物件のご紹介+期待を超える提案
お問合せいただいた物件以外にもいくつか類似物件を紹介したことが喜ばれています。お問合せ物件を紹介するのは当たり前ですが、類似物件のご紹介+お客さまの潜在的なニーズをくみ取り、期待を超える提案があると、お客さまの満足度が変わることがわかります。

(2)お役立ち情報の提供
周辺環境や自治体の制度など、お客さまに合わせた情報を伝えています。物件の情報についてはプロフェッショナルかと思いますが、周辺環境や自治体の制度などエリアに特化した情報についてはどうでしょうか。市役所や区役所に行くと上記のような情報がまとまっているので事前に情報をまとめておくのもポイントです。

接客グランプリ上位企業の対応事例(総合満足度)➁

続いて2社目の事例です。
いかがでしょうか。内容は違いますが、1社目でご紹介した事例とポイントは同じです。

類似物件のご紹介をすることに対する満足度が高いとも考えられますが、類似物件を紹介できるように事前準備をしていることが、お客さま一人ひとりに対し丁寧な対応をする安心感・信頼感につながっているのではないでしょうか。

事前準備に時間を割きすぎても良くないですが、あらかじめリサーチしておくことはとても重要です。

総合満足度を高める対応まとめ

2社の事例を見ていただきましたが、その他も含め総合満足度が高い会社の共通点からポイントを4つまとめます。

①問合せメールへのスムーズな対応
②電話応対時の丁寧かつ事前のヒアリング
③来店時にスタッフ全員がお迎えする(挨拶)
④類似条件の物件の提案

自社・自身の振り返りをしていただくうえでの「ものさし」として“友人・知人に紹介したいと思えたか”を意識していただくといいかもしれません。

接客グランプリ上位企業から学ぶ~メール対応編~

満足度の低い対応事例①(メール対応)

前項では、接客グランプリ上位企業の事例をお伝えしましたが、ここからはメール対応にフォーカスして、改善事例を見ていきます。

本事例でお伝えしたい改善ポイントは1点

・最初に問合せ内容をしっかりと回答する

お客さま視点では、まずは問合せ内容に対する回答が欲しいと感じます。

問合せ内容の回答よりも先に他の情報があると、確認したい箇所にたどり着くのに時間がかかり、好い印象がありません。この場合は、問合せ内容に対する回答をお伝えした後に、キャンペーンについてご案内するといいでしょう。

満足度の低い対応事例➁(メール対応)

続いて2つの改善事例をみていきます。

事例2は、テンプレートを活用したメール返信を行っている会社によくある改善事例です。電話で来店予約をされているお客さまに対し、再度来店予約を促すメールをお送りしています。テンプレートを活用することはおすすめしていますが、送付前に間違いがないか

確認するフローを入れる、電話予約されている場合のテンプレートを用意するなど、運用ルールを見直す必要があります。

事例3は、お客さま視点で考えられているかがポイントになります。皆さんが普段送信しているメールを、スマートフォンで確認したことはありますか?不動産会社はパソコンでメールを作成しても、スマートフォンが普及している現在、お客さまはスマートフォンでメールを確認する方が多いのではないでしょうか。

ぜひ一度確認をし、お客さま視点で改善してみましょう。

接客グランプリ上位企業の対応事例①(メール対応)

メール対応における改善事例を3つ見ていただいたところで接客グランプリ上位企業のメール対応事例からポイントをお伝えします。

事例1から学ぶポイントは2つ

①回答内容をしっかりと記載する
➁質問を投げかける

①については、改善事例でもお伝えしたとおり、質問にしっかりと回答しているかでお客さまに与える印象は変わります。

➁については応用スキルとなりますが、ファーストメールで質問を投げかけることでお客さまとのコミュニケーションを意識していることが伝わる、良い例です。

質問の仕方は大きく2つ、オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンがあります。

  • オープン・クエスチョン…フリー回答を促す質問
  • クローズド・クエスチョン…Yes/Noで答えられるような選択肢のある質問

ファーストメールでは選択式のクローズド・クエスチョンを入れるのがおすすめです。

例えば「ほかにどんな物件を探していますか」といったオープン・クエスチョンは答えにくい印象がありますが、「どのような点を重視しているか」といったお客さまが持っている選択肢から答えられる質問のほうが答えやすくなります。

接客グランプリ上位企業の対応事例➁(メール対応)

続いて、接客グランプリ上位企業メール対応事例2つ目をご紹介します。

事例2から学ぶポイントは1つです。

・インターネットに掲載されていない+αの情報を伝える

ポータルサイトやホームページからの問合せで「物件の詳細が知りたい」といった内容を

受け取ったことはないでしょうか。今はインターネット上に物件の賃料や写真、スペック等あらゆる情報が掲載されています。そのうえで「物件の詳細が知りたい」というのは、どういうことなのか考えてみましょう。

インターネットに掲載されていない、より細かい情報をお客さまは求めています。そこまでくみ取って返信をすることで、満足度はより向上するのではないでしょうか。

顧客満足度を高めるメール対応まとめ

「第一印象」でどれだけお客さまの期待を上回ることができるかが大切です。メール対応では以下6つのポイントをぜひ意識してみてください。

  • わかりやすい差出人名/件名
  • 問合せに対する確実な回答
  • 要望を深掘りするための質問
  • インターネット上に掲載されていない情報
  • オンライン対応の可否
  • 類似条件の物件情報の提示

接客グランプリ上位企業から学ぶ~電話対応編~

満足度の低い対応事例①(電話対応)

続いては、接客診断から電話対応の改善事例を2つ見ていきます。



事例1でお伝えしたい改善ポイントは2点

・自社に電話したお客さまに音声がどのように聞こえているか確認する
・お客さまを思いやる対応、お声がけをする

いずれも初めて来店されるお客さまに対して、自社の印象を大きく変えるポイントとなります。事例2は店舗の連携が改善ポイントとなります。

お客さまから店舗にお電話いただいた際に、担当が外出や休みのこともあるのではないでしょうか。そんなときに、お客さまが一から状況を説明させられる場合、対応したスタッフだけでなく店舗も好い印象は与えません。

店舗内で案件状況を把握し、店舗にご連絡があった際に担当以外もスムーズに対応ができるようにすることが必要になります。

接客グランプリ上位企業の対応事例①(電話対応)

改善事例を踏まえ、接客グランプリ上位企業の電話対応事例を見ていきます。



事例1から学ぶポイントは1つです。

・電話でヒアリングを行う

お客さまに合わせた提案を行うには、情報が必要です。お電話でヒアリングをしておくことでご来店前の事前準備に大きな差が出きます。

電話でヒアリングする際は、「お時間1、2分よろしいでしょうか」「ご来店前に少しヒアリングさせていただきたいのですが」といったワンクッションをおいて丁寧な対応ができているかでも、お客さまの満足度は変わってきます。

接客グランプリ上位企業の対応事例➁(電話対応)

続いての事例です。



入電時、スムーズに対応ができたことで、お客さまによい印象を与えた事例です。また、何げない会話からお客さまの要望を聞き取ってヒアリングを進めている点も学びたいポイントです。

顧客満足度を高める電話対応まとめ

電話対応は事前準備を効率化させる重要なタイミングです。会話の中で、さりげないヒアリング力を高めましょう。電話対応では以下6つのポイントをぜひ意識してみてください。

  • 最低でも3コール以内に応対する
  • 確認で終わらせず、簡易的なヒアリングを徹底する
  • 会話のなかから相手のニーズをつかむ
  • 相手の状況を考慮した対応を心がける
  • 不安を取り除き、期待感を高める会話をする
  • 来店時の注意点など事前の情報提供も実施をする

おもてなし力を向上させる営業手法とは

お客さまが何を必要としているか想像する

住み替え検討の流れには「情報収集」「比較検討」「絞り込み」のフェーズがあります。おそらく皆さんが最初に問合せを受けたとき、お客さまの状況は「情報収集」「比較検討」段階と考えられます。おもてなし力を向上させるには、お客さまが何を必要としているかを考え、どういった情報提供をするとよいかを想像しながらやり取りをすることが大切です。

ファーストメールに盛り込むべき要素

挨拶/名乗り/概要(要件)/本文は、初期対応の原則として必須です。

+αとして問合せの回答、情報提供、質問を心がけましょう。

①挨拶/名乗り/概要(要件)
問合せいただいた物件が「空室」であることは、最初に伝えることが大切です。

➁問合せ物件の確認
問合せいただいた物件の情報を記載し、確認をします。

③+αの回答
問合せに質問がある場合は、きちんと回答を記入しましょう。インターネット上の物件情報(広告)に掲載していない事柄(周辺情報や自治体情報など)が重要です。

④情報提供
メインは問合せ物件ですが、情報提供として、類似物件情報もお伝えしましょう。

⑤情報提供→質問につなげる
情報提供と併せて質問を記載することで、お客さまが質問に答える理由、動機づけができます。

例)ご案内当日ですが、仲村さまのご希望条件に近しい物件が〇件ございます。
○○さまの最適な住まい探しをお手伝いできますよう、差し支えなければ、下記の質問へご回答をお願いいたします。


電話対応におけるヒアリングポイント

来店(対面)時に効率的かつ満足度の高い提案をするための手段として以下のポイントをヒアリングすることを意識しましょう。全部を網羅する必要はありません。

【時期】

  • いつまでに引っ越す必要があるのか
  • なぜその期日までに引っ越すのか
  • 前後することは可能か

【動機】

  • なぜ引っ越すのか
  • 引越しへの意欲と重要度
  • 現状の住まいへの不満はあるのか

【条件】

  • どんな部屋に住みたいか
  • 現状の住まいで好き、嫌いなところ
  • どうしてその条件がよいのか

顧客満足度を高める6つのポイントまとめ

顧客満足度を高めるポイントについてお伝えしました。
改めて、店舗・個人に切り分け、以下6つのポイントをベースに言語化・実践・改善に取り組んでいただけると幸いです。

【店舗】
①お客さまを迎え入れる環境づくり
➁反響発生後の対応・運用のルール化
③来店時の挨拶やご案内、お見送りの徹底

【個人】
④スピーディーかつ丁寧な初期対応
⑤徹底した傾聴姿勢 → 期待を上回る情報提供
⑥顧客視点に立った契約の後押し

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Business 編集部
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