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家電リサイクル法とは? 管理会社の義務や注意点について解説

家電リサイクル法とは?管理会社の義務や注意点について解説

家電リサイクル法(正式名称「特定家庭用機器再商品化法」)は、資源の有効利用と廃棄物の適正処理を目的とし、2001(平成13)年に施行された法律です。

エアコンやテレビ、冷蔵庫などの特定家電製品を対象としており、管理会社はこの法律において、適切な廃棄物処理と資源循環促進のために重要な役割を担っています。

具体的には、管理会社は自らが小売業者に該当する場合も含めて、製造業者や小売業者と連携し、リサイクルの円滑な実施を支援しなければなりません。

本記事では、家電リサイクル法に基づく引取義務違反の事例を踏まえ、管理会社が果たすべき義務や注意点を解説します。

目次[非表示]

  1. 1.家電リサイクル法とは?
  2. 2.家電リサイクル法に基づく処分方法
    1. 2.1.家電リサイクル法の対象品目
    2. 2.2.廃棄物の回収方法
    3. 2.3.家電リサイクル法の引取料金
  3. 3.家電リサイクル法上、管理会社が果たすべき義務
    1. 3.1.家電リサイクル法の引取義務違反にかかる勧告事例
      1. 3.1.1.●勧告内容
      2. 3.1.2.●報告を求めた事項
    2. 3.2.管理会社が家電リサイクル法上の小売業者に該当するケース
    3. 3.3.家電リサイクル法上の小売業者に該当した場合の義務
  4. 4.家電リサイクル法における賃貸借契約時の注意点
  5. 5.まとめ

家電リサイクル法とは?

家電リサイクル法は、一般家庭や事務所から排出されたエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機から、利用可能な部品や材料をリサイクル(再商品化)し、廃棄物を減らすとともに、資源の有効利用を促進するための法律です。

消費者(排出者)はリサイクル料金の支払いと適切な引き渡し、小売業者は使用済み家電の引き取りと製造業者への引き渡し、製造業者は使用済み家電の引き取りとリサイクルを行います。

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家電リサイクル法の対象となる家電。経済産業省 引っ越しをする消費者向け資料(チラシ)より

(出典:経済産業省 引っ越しをする消費者向け資料(チラシ)

家電リサイクル法に基づく処分方法

家電リサイクル法に基づく処分方法について、回収方法や料金を解説します。

家電リサイクル法の対象品目

家電リサイクル法の対象品目は、以下の「家電4品目」(いずれも家庭用機器)です。

・エアコン
・テレビ(ブラウン管、液晶・有機EL・プラズマ)
・冷蔵庫・冷凍庫
・洗濯機・衣類乾燥機

事業所で使用されている場合でも、家庭用機器であれば対象となります。

廃棄物の回収方法

廃棄物の回収方法は、買い替えか処分のみかで変わります。

・新しい家電に買い替える場合

新たに製品を購入する店に引き取りを依頼。

・買い替えではなく処分のみの場合

製品を購入した店に引き取りを依頼。購入した店が不明な場合は市区町村の案内に従って処分。

引き取りを依頼すると、お店やその委託を受けた事業者などが回収のために訪問します。この際に、消費者(排出者)は「家電リサイクル券」に必要事項を記載し、リサイクル料金を支払うことが一般的です。

なお、引き取りを依頼する方法のほか、料金郵便局振込方式で料金を支払い、直接引き取り場所へ持ち込むこともできます。

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経済産業省は家電リサイクル法特設サイトで家電リサイクル法の制度や仕組みについて案内しています

(出典:家電リサイクル法特設サイト

家電リサイクル法の引取料金

不要になった家電を引き取ってもらうには、リサイクル料金と収集・運搬料金が必要です。

リサイクル料金はメーカーごとに定められ、収集・運搬料金は各小売業者が設定します。

次の表は、主要メーカーのリサイクル料金をまとめたものです。


リサイクル料金(税込み)※2025年1月時点

製品
リサイクル料金

エアコン

990円

ブラウン管式テレビ(小)※15型以下

1,320円~1,870円

ブラウン管式テレビ(大)※16型以上

2,420円~2,970円

液晶・有機EL・プラズマ式 テレビ(小)※15V型以下

1,870円

液晶・有機EL・プラズマ式 テレビ(大)※16V型以上

2,970円

冷蔵庫・冷凍庫(小)※170L以下

3,740円

冷蔵庫・冷凍庫(大)※171L以上

4,730円

洗濯機・衣類乾燥機

2,530円

(出典:一般財団法人 家電製品協会「リサイクル料金 主要メーカー一覧」

家電リサイクル法上、管理会社が果たすべき義務

ここでは家電リサイクル法における管理会社への勧告事例を基に、管理会社が小売業者に該当する場合の義務について解説します。

家電リサイクル法の引取義務違反にかかる勧告事例

自らが管理する賃貸物件のオーナーに家電4品目の小売販売を行っている会社に対し、家電リサイクル法第9条の小売業者の引取義務違反に該当するとして、勧告ならびに報告を求めた事例です(2023年3月発表)。

同社は、家電リサイクル法の小売業者に該当するものの、2020年4月以降、テレビ、洗濯機、エアコン、冷蔵庫の引取義務を果たしていませんでした。

これに対し、経済産業大臣および環境大臣は、次の勧告と報告を求めました。

●勧告内容

・「自らが過去に販売した家電4品目」または「買換えの際に引き取りを求められた家電4品目」について排出者から引き取りを求められたときに、これらを引き取ること。
・廃家電4品目を引き取ったときは、自ら当該廃家電4品目を機器として再度使用する場合、または機器として再度使用し、もしくは販売する者に有償若しくは無償で譲渡する場合を除き、家電リサイクル法第10条に基づき製造業者等に当該廃家電4品目を引き渡すこと。

●報告を求めた事項

・2023(令和5)年3月からの1年間における、全支店(営業所等)の毎月の廃家電4品目の引き取りおよび引渡しの状況
・2023(令和5)年3月からの1年間における、家電リサイクル券の適切な運用、委託先の管理体制の構築及びコンプライアンス体制の強化を含む家電リサイクル法違反についての再発防止策の四半期ごとの実施状況

参照:経済産業省「家電リサイクル法に基づく引取義務違反に係る勧告等を行いました」

管理会社が家電リサイクル法上の小売業者に該当するケース

マンションやアパートに設置するエアコンなどの調達方法や販売店への発注方法、代金の収受方法によっては、管理会社が家電リサイクル法上の小売業者に該当する場合があります。

具体的には、「オーナーに対して最終的に家庭用エアコンなどを販売した者」が小売業者と見なされます(下図参照)。

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賃貸管理業者が小売業者に該当する場合の例。経済産業省「賃貸管理業者の皆様へのお願い 家電リサイクル法上の小売業者に該当していませんか?~家庭用エアコンの適正な処分に関するお願い~」より

(出典:経済産業省「賃貸管理業者の皆様へのお願い 家電リサイクル法上の小売業者に該当していませんか?~家庭用エアコンの適正な処分に関するお願い~」

家電リサイクル法上の小売業者に該当した場合の義務

管理会社が小売業者に該当する場合、次の義務が生じます。

・消費者および事業者からの引き取り
・製造業者への引き渡し
・家電リサイクル券の発行・管理・保管
・収集運搬料金の公表・応答

具体的には、下図のような流れで製造事業者が使用済みの自社製品を引き取るための拠点(指定引取場所)に引き渡す必要があります。

①家電リサイクル券の発行
②消費者もしくはオーナーからのリサイクル料金・運搬料金の受領
③廃棄物の引き取り
④家電リサイクル券写しの交付
⑤⑥指定引取場所への運搬
⑦リサイクル料金の支払い

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家電リサイクル券センター(RKC)に入会している小売業者が家電リサイクル業務を行う場合(料金販売店回収方式)の流れ

(出典:経済産業省「賃貸管理業者の皆様へのお願い 家電リサイクル法上の小売業者に該当していませんか?~家庭用エアコンの適正な処分に関するお願い~」

なお、管理会社が小売業者に該当しない場合でも、オーナーなどの家電製品の所有者に対し、 購入先の小売業者に家電リサイクル券の発行と排出者控えの交付を依頼するように提案する必要があります。

家電リサイクル法における賃貸借契約時の注意点

賃貸管理における家電リサイクル法の適用については、所有者と入居者の責任分担を明確にしておくことが必要です。家電4品目の中でも、入居者が退去時に残置した冷蔵庫や洗濯機、テレビなどは、管理会社にとって頭の痛い問題となります。

これらの残置家電に対して、管理会社は、家電リサイクル法に基づき適切な処分を行う責任を負います。リサイクルに要する費用は原則として入居者負担ですが、事前の取り決めがなければ、管理会社が負担せざるを得ないケースもあります。

そのため、賃貸借契約時に退去時の家電処分についての取り決めを明確に行っておくことが重要です。

また、共用ロビーの冷蔵庫やエレベーター内のテレビモニターなど、共用部に設置した家電についても、廃棄する場合は管理会社として適切な処分が求められます。

対象家電が家電リサイクル法の対象となるかを確認し、該当する場合は小売業者への引取依頼や指定引取場所への運搬、あるいは自治体の規則に従って処分する必要があります。

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廃棄物を処分する際は「無許可」の回収業者 を利⽤しないよう、経済産業省は注意を呼びかけています

まとめ

管理会社は、家電リサイクル法に基づき、廃家電を適切に処分する責任があります。法律に則った対応をしなければ、罰金などの法的制裁だけでなく企業イメージの低下にもつながりかねません。

これらを避けるためには、家電リサイクル法の運用について、定期的な研修や社内マニュアルの作成などを通じて、知識や法律の最新動向を共有することが大切です。

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吉満 博
吉満 博
不動産コンサルタント・ライター。株式会社あつみ事務所 代表取締役。不動産の購入から売却まで出口戦略、資産性を踏まえ、長期の視点で不動産コンサルティング・売買仲介サービスを提供する。また、購入・住み替え前のライフプランニングから、資金計画や住宅ローン、保険の見直しなど、お金に関するセカンドオピニオンを提供。不動産・住宅ライターとして、不動産メディアを中心に、これまでの建築設計、不動産売買の経験を踏まえた記事執筆をおこなう。

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