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空き家活用で使える補助金の種類や申請の流れ、注意点を解説

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相続した空き家を活用したいものの、解体やリフォームの費用が重くのしかかるケースは少なくありません。そこで検討したいのが、補助金の活用です。

国や自治体は、空き家の解体・改修・活用を後押しする補助金を用意しています。

ただし、制度の内容は自治体ごとに大きく異なり、申請のタイミングや条件を誤ると1円も受け取れないこともあります。本記事では、空き家活用で使える補助金の種類や補助金額の目安、見落としやすい注意点などを解説します。

空き家活用で使える補助金の種類

空き家活用で使える補助金は、おおむね「解体・除却」「改修・耐震」「リフォーム」「空き家バンク」の4系統に整理できます。多くは国の交付金を財源に、各自治体が独自の制度として運用しているため、内容や名称は地域によって異なります。代表的な4タイプを順に見ていきましょう。

種類

主な対象

補助率の目安

上限額の目安

解体・除却

老朽化・倒壊危険のある空き家

1/3〜1/2

50万〜150万円

改修・耐震

耐震・省エネ改修

制度による

制度による

リフォーム

移住・子育て世帯の改修

1/2程度

数十万円

空き家バンク

バンク登録物件の取得・活用

自治体による

自治体による

※補助率・上限額は代表的なレンジの目安です。実際の金額・条件は自治体ごとに異なります。

解体・除却の補助

老朽化した空き家の解体・除却に使える補助制度です。倒壊の危険がある建物や、旧耐震基準の住宅を対象とするケースが多く見られます。

補助率や上限額は自治体によって幅があるものの、補助率はおおむね工事費用の3分の1〜2分の1、上限額は50万円〜150万円程度が一般的です。

申請にあたっては、対象となる建物の状態や所有者の要件、施工会社の指定条件などを事前に確認しておく必要があります。

改修・耐震の補助

省エネ化や耐震補強など、空き家の改修工事を対象とした補助制度です。国の「住宅省エネ2026キャンペーン」をはじめ、自治体独自の制度も整備されています。

国のキャンペーンは複数の事業で構成されており、そのなかに高い省エネ性能を持つ住宅への改修を支援する「みらいエコ住宅2026事業」があります。この事業は、既存住宅のリフォームの場合、子育て世帯や若者夫婦世帯以外も対象となる点が特徴です。

耐震性が不足する空き家に補助制度を活用する場合は、併せて耐震改修を行うことが条件となることもあります。

出典:国土交通省 みらいエコ住宅2026事業

リフォーム補助

移住者や子育て世帯を対象としたリフォーム補助も、活用しやすい制度の1つです。空き家バンク登録物件の取得とセットで、改修費の一部を補助する自治体が多く見られます。

また、自治体によっては、移住者向けに空き家バンクの物件を取得した際に改修費や家財処分費を補助する制度を設けています。県外からの転入や年齢などの要件が定められている場合もあるため、対象者の条件をよく確認することが大切です。

空き家バンク補助

空き家バンクへの登録を前提とした補助制度もあります。空き家バンクとは、自治体が運営する空き家の情報マッチングの仕組みです。

対象条件は自治体ごとに異なりますが、主に「市税の滞納がない」「一定期間の居住・活用予定がある」などが求められます。申請前に自治体の募集要項や窓口で最新情報を確認しましょう。

【関連リンク】
補助金・助成金コラム一覧

補助金額の目安

補助金額は制度や自治体によって幅がありますが、相場感をつかんでおくと計画を立てやすくなります。多くの制度では「補助率」と「上限額」の両方が設定されており、実際の補助額は両者うちの低いほうが適用されるのが一般的です。

解体補助の場合、補助率は工事費用の3分の1〜2分の1、上限額は50万〜100万円程度が中心です。ただし、なかには補助率5分の4・上限150万円といった補助の手厚い自治体もあります。

補助金申請の流れ

補助金申請は「事前相談→申請→交付決定→契約・着工→完了報告→交付」という流れで進みます。なかでも重要なのが「着工前に申請する」という順序です。手順を取り違えると補助が受けられないため、各ステップを確認していきましょう。

対象条件を確認する

最初に行うのは、該当の空き家が補助の対象になるかどうかの確認です。建物の老朽度合いや所有者の要件、空き家バンク登録の有無などが条件になります。

自治体によっては現地調査を行い、老朽危険家屋にあたるかを判定するケースもあります。そのため、まずは空き家の所在地を管轄する自治体の窓口に相談するのが確実です。条件を満たさなければ申請しても受理されないため、最初の確認が欠かせません。

着工前に申請する

補助金申請で重要なのが、着工前に申請を済ませることです。交付決定通知を受け取る前に着工すると、原則として補助の対象外になります。

申請から交付決定までは、通常1〜2ヶ月程度かかります。解体会社や施工会社との契約も、交付決定を受けてから正式に結ぶのが安全です。なお、補助金は工事完了後の後払いが基本のため、いったんは費用を立て替える資金計画も立てておきましょう。

補助金申請時の注意点

補助制度には、見落としやすい落とし穴がいくつかあります。事前に知っておけば、無駄な申請や想定外の負担を避けられます。

予算・先着順のケースがある

多くの自治体では、補助金に年度予算の枠を設け、先着順で受け付けています。人気の自治体では、年度開始直後の4月に枠がすべて埋まることも珍しくありません。

「来年度に申請しよう」と先送りしても、翌年度も同じ予算規模で先着順になるケースが多いため、確実とはいえません。確実に活用するには、年度開始前に書類を準備し、受付開始早々に提出するのが有効です。

会社が指定されているケースがある

補助金の交付条件として、施工会社を「市内に本社や営業所がある解体・改修会社」に限定している自治体も少なくありません。この条件の背景には、地元雇用と地域経済への配慮があります。

この場合、相見積もりを取る会社の選択肢が狭まる可能性があります。会社を選定する前に、自治体の要件を必ず確認しておきましょう。条件を満たさない会社に発注すると、補助が受けられなくなります。

解体後には税負担が重くなる

空き家を解体すると、土地の固定資産税が上がる場合があります。住宅が建っている土地に対する「住宅用地特例」の対象外になり、軽減措置の適用がなくなるためです。

小規模住宅用地(200m2以下)では、この特例によって固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されています。更地にすると特例が外れ、土地の固定資産税は最大で約6倍になり得ます(実務上で多いのは3~4倍程度)。

一方で、空き家を放置して「管理不全空家」や「特定空家」として勧告を受けた場合も、住宅用地特例の対象から外れます。2023年12月施行の改正法により、管理不全空家も特例解除の対象となったためです。

解体費用や補助金だけでなく、将来の固定資産税、活用の方針を併せて判断することが大切です。

出典:東京都主税局「「特定空家等」または「管理不全空家等」に該当すると土地に対する固定資産税・都市計画税の税額が高くなる場合があります。」

出典:国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」

活用できる補助金の調べ方

自分の所有する空き家に使える補助制度は自治体ごとに異なるため、まずは地域の制度を調べることから始めましょう。検索のコツを押さえると、効率よく見つけられます。

「○○市 解体補助金」「○○市 空き家 リフォーム 補助金」のように、自治体名と用途を組み合わせると目的の制度にたどり着きやすくなります。制度名は「除却費補助金」「空き家活用補助」など、自治体によって異なる点にも留意しましょう。

ネット検索で不明な点が残る場合は、自治体の空き家対策窓口や都市整備課に電話で問合せをするのが確実です。地域の不動産会社も補助金や活用策に詳しいため、相談先として頼りになります。

【関連リンク】
補助金・助成金コラム一覧

まとめ

空き家活用で使える補助金は、解体・改修・リフォーム・空き家バンクの4系統に大別されます。ただし、自治体によって補助率や上限額に幅があるうえ、着工前の申請が必須である点に注意が必要です。

空き家を解体すると住宅用地特例が外れて固定資産税が増えるおそれがありますが、放置して勧告を受けた場合も同様に税負担が重くなります。補助金だけでなく、将来の税金や活用方針まで含めて総合的に判断することが欠かせません。

柴田 充輝
柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。保有資格はFP1級・社会保険労務士・行政書士・宅建士。金融メディアや不動産メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆経験がある。自身でも株式投資や不動産投資を行い、実体験に基づく質の高い情報の提供と、読者にとってわかりやすい執筆を心がけている。本業のかたわら、FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。

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