宅建士不足時代に不動産会社が取るべき採用戦略|人材確保のポイントを解説

不動産業界で宅建士不足が深刻化するなか、「宅建士の資格を持つ人材からの応募が集まらない」「採用してもすぐに退職してしまう」と悩む不動産会社の経営者や採用担当者も多いのではないでしょうか。
人材の獲得競争は年々激しくなっていますが、採用方法や職場環境を見直すことで自社に合った人材を確保できる可能性は高まります。
この記事では、宅建士不足が進む背景から採用が難しい理由、不動産会社が取り組むべき採用戦略、人材確保のポイントまで詳しく解説します。宅建士の採用を強化したい不動産会社の経営者や採用担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.宅建士不足が深刻化している背景と宅建士採用が難しくなっている理由
- 2.専任宅建士不足が不動産会社へ与える影響
- 3.宅建士不足時代に採用を成功させる6つのポイント
- 3.1.1.給与だけでなく働きやすさをアピールする
- 3.2.2.宅建士が職場選びで重視する条件を理解する
- 3.3.3.未経験者を育成する採用へ切り替える
- 3.4.4.シニア・ブランク人材も採用対象にする
- 3.5.5.DXや業務効率化で働きやすさを高める
- 3.6. 6.採用後の定着率まで考えた採用戦略を立てる
- 4.宅建士不足を解消する4つの採用方法
- 4.1.1.自社採用サイト・求人媒体を活用する
- 4.2.2.SNS・社員紹介(リファラル採用)を活用する
- 4.3.3.ダイレクトリクルーティングを活用する
- 4.4.4.不動産業界専門の転職サービスを活用する
- 5.宅建士不足時代は採用戦略の見直しが不動産会社の成長につながる【まとめ】
宅建士不足が深刻化している背景と宅建士採用が難しくなっている理由
宅建士不足は、多くの不動産会社で深刻化しています。求人を出しても応募が集まりにくく、採用できても必要な人数を確保しにくい状況が続いています。
その理由の1つが、少子高齢化による働き手の減少です。不動産業界でも若手人材の不足が続いており、経験のある宅建士を採用しようとすると、多くの同業他社との人材獲得競争になります。
また近年では、給与だけでなく、働きやすさ・ワークライフバランス・キャリアアップのしやすさなどを重視して職場を選ぶ人も増えています。そのため、給与水準だけでは他社との差別化が難しいのが実情です。
専任宅建士不足が不動産会社へ与える影響
専任宅建士が不足すると、不動産会社の運営に大きな影響が出る可能性があります。宅建業者は原則として、宅建業に従事する従業者5人につき1人以上の専任宅建士を事務所ごとに配置しなければなりません。
専任宅建士が退職するなどして必要な人数を下回った場合は、2週間以内に不足を解消するための対応が必要です。人員を確保できないと、宅建業法で定められた配置基準を満たせない状態が続き、業務停止などの行政処分を受ける可能性があります。
また、宅建士の採用競争が激しくなると、求人広告を出す費用・人材紹介会社への紹介手数料・資格手当など、人材を採用・維持するための費用も増えやすくなります。
宅建士不足時代に採用を成功させる6つのポイント
宅建士不足が続くなかでも、採用方法や募集内容を工夫することで採用につながる可能性を高められます。ここでは、宅建士の採用を成功させる6つのポイントを解説します。
1.給与だけでなく働きやすさをアピールする
宅建士から選ばれるためには、給与だけでなく、働きやすい職場であることを伝えることが大切です。給与だけで差をつけようとすると採用コストが増えやすく、一度採用できても、より条件のよい求人があれば転職される可能性があります。
そのため、次のような勤務条件や福利厚生を具体的に伝え、自社で働く魅力を伝えましょう。
- 年間休日数
- 残業時間
- 有給休暇の取得状況
- 資格手当
- 育児・介護との両立支援
また、繁忙期と通常期の働き方の違いまで伝えることで、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。求職者に「長く働けそうな職場」だと感じてもらうことが、採用につながるポイントです。
2.宅建士が職場選びで重視する条件を理解する
宅建士の採用を成功させるには、企業が伝えたい情報ではなく「宅建士が転職先を選ぶために知りたい情報」を求人に反映することが大切です。そこで、仕事内容や給与だけでなく、次のような勤務条件も明確にしましょう。
- 営業ノルマの有無
- 評価基準
- 配属先
- 担当業務の範囲
- 将来のキャリアパス
また宅建士は「重要事項説明を中心に担当するのか」「営業や契約書作成まで担当するのか」などによって、実際の働き方が大きく異なります。面接で説明した内容と入社後の業務に違いがあると、早期離職につながりかねません。
そのため、社員の1日の業務の流れや職場の雰囲気なども伝え、応募者が入社後の働き方をイメージできる求人にすることが重要です。
3.未経験者を育成する採用へ切り替える
経験のある宅建士だけを採用しようとするのではなく、宅建資格を持つ業界未経験者を育成するという視点での採用も重要です。
経験者だけに対象を絞ると応募者が少なくなり、他社との採用競争も激しくなります。そのため、入社後の研修制度や教育体制を充実させ、未経験者が安心して業務を覚えられる環境を整えましょう。
また、契約書の作成や重要事項説明、接客・営業などの実務を学べる研修や、先輩社員が指導する体制を整えることで、業界未経験者も安心して成長できます。
さらに、入社後に担当する業務や、将来的にどのような仕事を任せたいのかまで示すことで、求職者は入社後の働き方をイメージしやすくなります。
4.シニア・ブランク人材も採用対象にする
宅建士不足への対応については、年齢や離職期間だけで候補者を絞らず、シニア層やブランクのある有資格者にも採用対象を広げることが重要です。実務経験が豊富な人材であれば、これまでの契約業務や顧客対応の経験を活かし、即戦力として活躍してくれる可能性があります。
一方で、フルタイム勤務が難しい人もいます。そのため、短時間勤務・週数日勤務・契約社員など複数の働き方を用意し、担当業務を明確にすることで応募につなげやすくしましょう。
また、法改正や電子契約など、最新の実務を学べる研修を実施することも大切です。過去の経験だけに頼るのではなく、新しい知識を身に付けられる環境を整えることで幅広い人材が活躍しやすくなります。
5.DXや業務効率化で働きやすさを高める
DXや業務効率化は、宅建士が働きやすい職場づくりにつながります。不動産業では、物件情報の入力から契約書類の作成、その後の社内稟議などに多くの時間がかかり、顧客対応に十分な時間を確保できないことも少なくありません。
そこで、顧客管理システム・電子契約・オンラインでの重要事項説明などを活用すれば、書類作成や移動の負担を減らし、残業時間の削減にもつながります。実際に国土交通省も、不動産取引や行政手続きのデジタル化を進めています。
ただし、ツールを導入するだけでは十分ではありません。業務の流れや二重入力が必要なシステムなどを見直し、現場の負担を減らせる仕組みを整えることが大切です。働きやすい環境を整えることで、採用活動の場面でも他社との差別化をはかれます。
6.採用後の定着率まで考えた採用戦略を立てる
宅建士不足を解消するには、採用人数を増やすだけでなく、入社した人材が長く働ける環境を整えることも重要です。採用しても短期間で退職してしまうと、求人広告費や社員教育にかけた費用や時間が無駄になるだけでなく、既存社員の負担も増えてしまいます。
そのため、入社後は定期的に面談を行い、仕事内容や職場環境に困りごとがないかを早めに確認しましょう。また、採用時に説明した仕事内容や勤務条件が実際の職場でも守られているかを確認することも大切です。
採用から入社後のフォローまで一貫して取り組むことで、人材の定着につながります。
宅建士不足を解消する4つの採用方法

自社の宅建士不足を解消するには、1つの採用方法だけに頼るのではなく「複数の方法」を組み合わせることが大切です。ここでは、不動産会社が活用しやすい4つの採用方法を解説します。
1.自社採用サイト・求人媒体を活用する
自社採用サイトと求人媒体を併用し、求職者との接点を増やしましょう。それぞれの特徴は次のとおりです。
証明書の種類 | 特徴 |
|---|---|
自社採用サイト | 仕事内容や給与に加え、社員の1日の業務の流れ・職場の雰囲気・研修制度・評価基準など、自社の魅力を詳しく伝えられる |
求人媒体 | 多くの求職者に対して求人情報を届けやすい一方で、掲載できる情報量や表現に制限がある場合がある |
求人媒体から自社採用サイトへ誘導することで、応募前に自社への理解を深めてもらいやすくなります。また、応募数やページの閲覧数、離脱率などを定期的に分析し、求職者が知りたい情報を追加しながら採用ページを改善していくことも大切です。
2.SNS・社員紹介(リファラル採用)を活用する
SNSや社員紹介(リファラル採用)は、求人媒体だけでは接点を持ちにくい人材に自社の魅力を伝えられる採用方法です。
たとえばSNSでは、次のような内容を継続的に発信することで、求人媒体だけでは伝わりにくい職場の雰囲気を知ってもらえます。
- 社員が働く様子
- 社内行事
- 研修風景
また、社員紹介(リファラル採用)は、自社の業務や社風を理解している社員が直接候補者を紹介するため、入社後のミスマッチが起こりにくい点もメリットです。
ただし、紹介した社員に紹介手当を支給する条件や選考ルールなどを事前に明確にしなければ、この制度が十分に活用されない可能性が高まります。SNSや社員紹介などの複数の採用方法を組み合わせ、応募の入口を広げることが人材確保につながります。
3.ダイレクトリクルーティングを活用する
求人を掲載して応募を待つ方法とは異なり、職歴や保有資格などを確認したうえで、自社に合う人材へ能動的にアプローチできます。
直近での転職を考えていない潜在層とも接点を持てるため、宅建士からの応募が少ない会社にも有効です。声をかける際は定型文を送るのではなく、「経歴のどこに魅力を感じたのか」「自社でどのような役割を期待しているのか」などを具体的に伝えましょう。
求める人物像を明確にしたうえで働きかけることで、採用のミスマッチも減らしやすくなります。
4.不動産業界専門の転職サービスを活用する
自社だけで宅建士を採用することが難しい場合は、不動産業界専門の転職サービスを活用する方法もあります。業界に詳しい担当者が求職者の経験や希望を確認したうえで紹介するため、不動産業務の経験者や宅建資格保有者に効率よくアプローチできます。
また、求人票の作成や面接の日程調整、条件交渉なども任せられるため、採用担当者の負担軽減にもつながります。
LIFULL HOME'S 不動産転職では、不動産業界に精通したコンサルタントが、人材要件の整理から候補者の紹介、面接、入社後のフォローまで一貫してサポートしています。宅建資格保有者や資格取得予定者も登録しており、採用が決まるまでは初期費用がかからない完全成功報酬型で利用できる点もメリットです。
自社の採用活動だけでは十分な応募を集められない場合は、専門の転職サービスを併用することで、人材と出会える機会を広げられます。
宅建士不足時代は採用戦略の見直しが不動産会社の成長につながる【まとめ】
宅建士不足が続く昨今は、従来の求人方法だけで必要な人材を確保することが難しくなっています。給与だけでなく、働きやすさや育成制度、柔軟な勤務体制を整え、求職者から選ばれる職場づくりを進めることが重要です。
自社採用サイトやSNS、ダイレクトリクルーティングに加え、不動産業界専門の転職サービスも活用し、自社に合った採用戦略を構築することが安定した人材確保と事業成長につながります。










