パノラマ画像を不動産集客につなげるためのコツ 空間全体を伝える!
デジタル技術の発展により、現在は不動産業界でもさまざまな形でオンラインによるサービスが普及しています。不動産会社に足を運ぶ顧客のほとんどは、インターネットで事前に情報収集するため、Web上の情報を充実させることが集客の重要なポイントとなります。
不動産仲介では、写真や動画をうまく活用して物件の魅力を知ってもらうのが近道です。物件を360度見渡せるパノラマ画像は、画面を通じてより多くの情報を届けられる有力なアイテムとなります。
今回はパノラマ画像を効果的に活用するためのポイントを見ていきましょう。
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目次[非表示]
- 1.パノラマ撮影のポイント
- 1.1.カメラを隅に寄せる
- 1.2.適切な向きで撮影する
- 1.3.廊下の写真なども撮っておく
- 2.天井の高さや明るさにも注意
- 2.1.視点は天井高の半分に設定する
- 2.2.十分な明るさを確保する
- 3.物件をパノラマ画像で紹介するメリット
- 3.1.来店率が向上する
- 3.2.成約までのプロセスを効率化
- 4.オンラインで活用できる素材を充実させよう
パノラマ撮影のポイント
パノラマ画像を用いる際には、できるだけ部屋が狭く映らないように心がける必要があります。ここでは、部屋の奥行きを伝えやすくするポイントやパノラマ撮影のコツを確認しておきましょう。
カメラを隅に寄せる
パノラマ画像には360度すべてを載せられることから、慣れないうちは部屋の真ん中に置いて撮影してしまいがちです。しかし、中央から撮影すると写真に奥行きがなくなるため、実際よりも部屋が狭く見えてしまいます。
部屋の奥行きを伝えやすくするためには、カメラを部屋の入り口や壁に寄せて撮るのが基本です。また、扉は閉め切らずに開け放しておき、圧迫感が生まれないようにするのもポイントです。
適切な向きで撮影する
360度カメラを撮影に用いる際は、「向き」を意識することも大切です。360度カメラは全方位を撮影できるため、向きを気にせずに使われてしまいがちです。しかし、360度カメラにも正面と背面があり、部屋を広く見せるためには正面を空間に向ける必要があります。
写真の向きは撮影後に変更することも可能ですが、編集の手間を考えれば撮影時に適切な方向を意識しておくほうがいいでしょう。
廊下の写真なども撮っておく
物件の写真を撮影する際には、部屋や各設備だけでなく、廊下の写真も忘れずに撮っておきましょう。特に複数の部屋がある間取りの場合は、廊下の写真があることで部屋同士の関係性が分かるため、より物件の内部をイメージしてもらいやすくなります。
天井の高さや明るさにも注意
室内の撮影を行う際には、天井の高さや部屋全体の明るさにも気を配る必要があります。ここでは、それぞれの基本的なポイントを確認しておきましょう。
視点は天井高の半分に設定する
部屋を広く見せるためには、カメラの位置にも注意することが大切です。カメラの位置が高いと、視点から天井までの距離が近くなるため、圧迫感を与えてしまう原因になります。
反対に低すぎれば写真に違和感が生まれてしまうため、ちょうど「部屋の天井高の半分くらい」の視点を心がけるのがおすすめです。一般的な賃貸物件では、天井高が2.5m程度であるため、1.2~1.3mの高さがベストな位置ということになります。
成人の視点よりもやや低めに設定する必要があるので、必ず三脚やスタンドを用意しましょう。
十分な明るさを確保する
部屋の印象は明るさによっても大きく左右されます。物件選びでは日当たりを重視する方も多いため、写真が暗ければそれだけで魅力が失われてしまいます。
基本的には、晴れた日の朝から昼の時間帯に撮影を行うのが適切です。南向きなら日中、東向きなら午前中など、部屋の方角に合わせて最適な時間帯を決めるといいでしょう。
また、空室の場合は照明が全室に付いていないこともあるため、カメラの設定を変えたり照明を使ったりして、やや明るめに撮ることを意識しましょう。
物件をパノラマ画像で紹介するメリット
物件紹介にパノラマを用いることで、具体的にどのようなメリットが生まれるのでしょうか。ここでは、不動産会社側と顧客側の両方に目を向けて、2つのポイントをご紹介します。
来店率が向上する
一般に取り扱われているほとんどの物件は、レインズなどのネットワークを用いてどの不動産会社でも紹介できる仕組みとなっているため、集客力を高めるには「紹介方法での差別化」が重要なポイントとなります。同じ物件が複数の不動産会社で扱われている場合、顧客からすれば「より詳しい情報を掲載している会社のほうが安心できる」と感じるのは自然なことです。
パノラマ画像を活用すれば、競争優位性を確立でき、顧客の来店率向上につながります。
成約までのプロセスを効率化
物件の仲介を行う場合、顧客には実際に内見の案内を行い、そのうえで契約するかどうかを判断してもらうのが一般的です。テキスト情報や間取り図、写真だけでは分からない情報も多いため、内見後に「イメージと違っていた」と感じるケースも少なくありません。
その場合、候補とは異なる物件を一から探し、新たに内見をしてもらうこととなるため、成約までのプロセスが倍増してしまいます。また、その日のうちに気に入った物件を見つけてもらえたとしても、オーナーとの調整が進まなければそのまま内見を行うことはできないため、後日改めての案内となってしまいます。
一方、あらかじめパノラマ画像を用意しておけば、顧客にはじっくりと画像を吟味してから来店してもらえるため、成約までのプロセスを効率化できます。従業員の負担が軽減されるため、組織全体として人手不足の解消にもつながるでしょう。
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オンラインで活用できる素材を充実させよう
今回ご紹介したように、パノラマ画像は「より物件の雰囲気が分かる」「物件の魅力をさらに伝えられる」といったメリットをもたらします。そのほかにも、オンラインで活用できる素材を増やしていけば、業務負担軽減と顧客満足度の向上を両立させやすくなるでしょう。
ここでは、不動産会社における代表的なオンラインサービスをいくつかご紹介します。
オンライン内見
オンライン内見とは、現地にいる担当者と顧客がビデオ通話をつなぎ、顧客の代わりにリアルタイムで内見をすることです。映像で物件内部を配信するとともに、顧客の依頼に沿って家具を設置する場所を採寸したり、室外の景色を映したりすれば、よりリアルな体験を提供することができます。
現地に足を運ばなくても気になるポイントを確認してもらえるため、「遠方の顧客を取り込める」「育児や介護で外出しにくい方にも利用してもらいやすい」といったメリットがあります。
IT重説
従来は対面でのやりとりが必須であった重要事項説明が、現在ではビデオ通話などを用いたオンラインでも行えるようになっています。これをIT重説と呼び、オンライン内見と同じく、遠方の顧客や外出が難しい顧客の利用ハードルを下げられるのがメリットです。
IT重説の取り組み方については、国土交通省が実施マニュアルを作成しているので、そちらを参考にするのがおすすめです。
オンライン相談
ビデオ通話などを用いて、物件探しのサポートや物件に関する質問を受け付けます。オンライン内見やIT重説と同じように、不動産会社へ足を運ぶのが難しい顧客を取り込めるのがメリットです。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:部屋を広く見せる物件写真の撮り方は?
A:カメラはできるだけ入り口や壁際に寄せ、撮影する空間を広くとるのが基本です。そのうえで、「適切な向きを意識する」「扉は開け放しておく」といった細かなポイントを押さえておきましょう。
Q:物件紹介にパノラマ写真を用いるメリットは?
A:来店前に多くの情報を届けられるので、来客率や成約率の向上が期待できます。また、成約までの工数が削減されるので、従業員の負担軽減につながるのもメリットです。