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エージェントモデルを用いたこれからの仲介業とは?【セミナーレポート】

エージェントモデルを用いたこれからの不動産仲介業とは?【セミナーレポート】

LIFULL HOME'S Businessは、不動産会社の方向けにセミナーを開催しております。2024年3月21日に、「【経営者必見!】TOP5%を目指す!エージェントモデルを用いたこれからの仲介業とは?」と題したセミナーを開催しました。

セミナーでは、RE/MAX JAPAN CEOの佐久川氏が、日本の不動産会社に理想的な利益構造をもたらすエージェントモデルを紹介したうえで、RE/MAX加盟店の1つであるRE/MAX L-styleの大西氏が、Q&A形式でオーナーの実感を語りました。セミナーから一部をご紹介します。

【登壇者】
RE/MAX JAPAN CEO 佐久川 靖行氏
RE/MAX L-style 代表取締役 大西 征昭氏

目次[非表示]

  1. 1.日本の不動産会社の課題
    1. 1.1.不動産会社の経営に大切な要素
    2. 1.2.日本の不動産会社の現状
  2. 2.ラットレースから脱するために
    1. 2.1.脱ラットレースの利益構造イメージ
    2. 2.2.RE/MAXのエージェントセントリックモデル
  3. 3.エージェントを集める3つのカギ
    1. 3.1.グローバル
    2. 3.2.ダイバーシティ
    3. 3.3.コミュニティ
  4. 4.RE/MAXのエージェントと加盟店の関係性は?
    1. 4.1.RE/MAXのエージェント人材
    2. 4.2.RE/MAXの加盟店オーナー
  5. 5.Q&A
    1. 5.1.Q1:RE/MAXに加盟した背景は?
    2. 5.2.Q3:加盟後に苦労したポイントは?
    3. 5.3.Q4:加盟して良かったことは?
    4. 5.4.Q5:成功するエージェントとは?
    5. 5.5.Q6:チームを拡大するためにオーナーとして意識していることは?
  6. 6.まとめ

日本の不動産会社の課題

RE/MAX JAPAN CEOの佐久川 靖行氏は、新卒で不動産会社に入社して以来、不動産業界での起業やM&Aを経て、「不動産会社の経営者も従業員も幸せになれる経営を模索し続けてきた」と語ります。20年経営した不動産会社を手放した後、RE/MAXとの出会いを機に、日本の不動産業界の課題に向き合う佐久川氏は、不動産会社の経営に大切な要素と現状を次のとおり分析します。

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RE/MAX JAPAN CEO 佐久川 靖行氏


不動産会社の経営に大切な要素

ビル・ゲイツ氏、スティーブ・ジョブズ氏、松下幸之助氏といった名だたる経営者らが、「経営に大切な要素」として掲げるキーワードが、「人」です。不動産会社の経営も例外ではなく、会社にとって重要な「物件」や「情報」をもたらしてくれる「人」が、最も大切な要素といえます。

従来の不動産ビジネスでは、ともすると物である「物件」に重きがおかれてしまいます。しかしながら、「物件中心の経営は、一向に資産が貯まらないラットレースへとつながる傾向にあります」と、佐久川氏。「今こそ、物中心の経営から人中心の経営へと転換すべき」と強調します。

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従来の不動産ビジネスからの転換。モノ中心からヒト中心へ。セミナー投影資料より

日本の不動産会社の現状

佐久川氏は、現に日本の不動産会社は「経営数値がラットレース状態」と指摘します。

日本の不動産会社のうち、約95%が10名未満、約85%が5名未満の会社です。これらの会社の経営数値を分析すると、5名未満の会社の粗利は2,000~3,000万円、10名未満の会社の粗利は5,000万円弱というように、社員数に比例して売上げ・利益ともに増加しています。

しかしながら、これらの会社は社長の売上げに依存していることが多く、次の展開を描きにくいことが課題です。佐久川氏は、「中小の不動産会社にとって、店舗運営にかかる経費は重く、社長がリスクを背負ってイチかバチかで運営している状況ではないでしょうか」と、自身の経験を振り返りながら語ります。

一方で、「10名以上の組織になれば、トップ5%の存在となる可能性が高い」と、佐久川氏。スタッフが10名以上になると、売上げ・利益は増加する一方で、粗利率が低下する傾向にあります。この規模では、仲介事業単体で利益を出すことは難しいものの、社長個人が手掛ける買取り再販やリノベーション、コンサル事業などが収益の中心となり、利益が大幅に増加します。ただし、仲介以外の事業の比重が高まるため、全体として粗利率が下がる傾向がみられます。10名以上の会社であっても、社長個人の売上げへの依存度が高い状態にあるのです。

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不動産仲介店舗の経営にかかる経費が大きく、リスクも高いという現状があります。セミナー投影資料より

ラットレースから脱するために

こうした日本の不動産会社の現状を受けて、佐久川氏は、「ラットレースから脱するには、従業員を増やし、社長個人への依存度を下げる必要があります」と強調します。

脱ラットレースの利益構造イメージ

佐久川氏は、「脱ラットレースの理想の利益構造イメージ」を提示。それは、社長個人の売上げで損失を補填する利益構造ではなく、従業員の売上げで損失を補填し、そこに社長個人の売上げを上乗せできる利益構造です。

この利益構造を実現するには、優れた人材が不可欠です。しかしながら、人口減少・少子高齢化で働き手が減少の一途をたどり、コロナ禍を経て働き方や仕事に対する価値観が変化している現在、従来のピラミッド型の組織では人材を確保しにくい現状があります。もはや、採用と雇用継続のためにコストをかければ人材が集まる時代ではなくなっているのです。

RE/MAXのエージェントセントリックモデル

「『人vsコスト』という究極の経営課題を解決できるのが、RE/MAXのエージェントセントリックモデルです」と、佐久川氏。RE/MAXのエージェントセントリックモデルとは、自立して不動産ビジネスを展開したいと考えるエージェントが、それをサポートするオフィスオーナー(RE/MAX加盟店)にお金(エージェントフィー)を支払い、オフィスに所属することで、RE/MAXのエージェントと加盟店がリスクとリターンを相互に共有するビジネスモデルです。

これは、「社員に給料を支払い、売り上げを伸ばす」という従来の発想とは異なり、「エージェントフィーを払うエージェントを増やすことで、経費を抑えながら利益を積み上げる」という発想です。固定費をエージェントフィーでカバーしながら、仲介事業におけるエージェントのコミッションと社長個人の売上げによって利益を積み上げる、まさに「脱ラットレースの理想の利益構造」であると言います。

とはいえ、「米国発のエージェント制は日本では通用しないのでは」と懐疑的な声も聞かれます。これに対して、「これまでの不動産会社の従業員候補者とRE/MAXのエージェント候補者とは、ターゲットが異なります」と、佐久川氏。

「RE/MAXのエージェントは、マズローの5大欲求で言うところの『生理的欲求・安全欲求・社会的欲求』といった低次欲求よりもむしろ、『承認欲求・自己実現・自己超越』といった高次欲求のために働く人が多く、自立心の強い人たちです」(佐久川氏)

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脱ラットレース、理想の利益構造イメージ。セミナー投影資料より

エージェントを集める3つのカギ

佐久川氏は、RE/MAXで活躍するエージェントの事例を挙げながら、「エージェントを集める3つの鍵」を紹介しました。

グローバル

1つめの鍵は、「グローバル」です。

優秀な人材ほど、成長するグローバルブランドのもとで働くことを望み、世界を見据えています。日本の人口減少に伴い、経済の停滞が懸念されていますが、海外、特に東南アジアのような成長エリアでは、経済拡大が見込まれています。このような国際的な視点を持つ人材が、これからのビジネスの成功には欠かせません。

例えば、RE/MAXのエージェントには、米国での生活経験を活かし、外国籍の顧客を対象にビジネス展開して日本一の実績を残した人がいます。このエージェントは、「世界とつながりながらエージェント同士で切磋琢磨できる環境が、私にとって最高の環境」と話しているそうです。

ダイバーシティ

2つめの鍵は、「ダイバーシティ」です。

予測困難なVUCA時代には、多様な視点を持つチームが状況への適応力を高め、競争力を発揮します。不動産業界でも、新築住宅、シェアハウス、相続物件と、扱う物件もニーズも多様化しています。そのため、働く人々の背景やスキルにも多様性が求められます。

RE/MAXには、これまで見過ごされてきた多様な人材が活躍できる環境が整っています。例えば、主婦でありながら不動産ビジネス未経験だったエージェントが、自宅を購入した経験と顧客目線を活かして活躍しており、RE/MAXで新人賞を受賞し、仕事と家庭の両立を実現していると言います。

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予測困難なVUCA時代において、多様性はカギに。セミナー投影資料より

コミュニティ

3つめの鍵は、「コミュニティ」です。

近年、フリーランスとして働きながらも、単なる下請けではなく、自身のビジネスを構築し、コミュニティに所属する「ネオ・フリーランス」という働き方が注目を浴びています。そして、RE/MAXのエージェントはまさに、「ネオ・フリーランス」の生き方を体現しています。

例えば、あるエージェントは、コロナ禍をきっかけに独立を決意し、不動産キャリアの最終章を「お客様のために価値あるものにしたい」と考え、RE/MAXのコミュニティで活躍しています。その結果、不動産業界におけるキャリアで初めて、顧客から「最高のエージェント」と評価されたといいます。このように、ビジョンや価値観を共有する人々とともに働けるコミュニティは、エージェントの安心感、セルフブランディング、働きがいの形成に寄与しているようです。

コミュニティビジネスの考え方では、人を「コスト」ではなく「資源」として捉えます。RE/MAXには、エージェントやオーナー同士が情報を共有し、協力しながら価値を創造する文化が醸成されています。

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いいヒトを集める3つのカギ。セミナー投影資料より

RE/MAXのエージェントと加盟店の関係性は?

佐久川氏は、RE/MAXのエージェントを「自立してビジネスを展開するアントレプレナー(entrepreneur:起業家)」と表現します。そして、エージェントと加盟店の関係性は「雇用主と社員」ではなく、ともにチームとして働く「ビジネスパートナー」だと言います。

RE/MAXのエージェント人材

佐久川氏は、RE/MAXのエージェントには、従来型の組織では出会えないような人材が集まっているといいます。例として、次のような人材を佐久川氏は挙げました。

・    多様な背景を活かして未経験で不動産ビジネスに挑戦したエージェント
・    リフォームの個人事業や他業種の会社を経営しながらハイブリッドに働くエージェント
・    不動産業界でのキャリアを活かしてセカンドキャリアで活躍するエージェント
・    多言語・外国籍のエージェント
・    主婦・シングルマザー・未経験女性のエージェント

他にも、多様性豊かなエージェントが活躍しているといいます。

RE/MAXの加盟店オーナー

加盟店オーナーも、大企業から独立起業したオーナーからメガフランチャイジーまで、さまざまです。コロナ禍をチャンスと捉え、加盟店に加わったオーナーも少なくありません。

佐久川氏は、次のような加盟店オーナーを紹介しました。

・    在籍エージェント30名超の店舗を運営するオーナー
・    不動産未経験からシェアオフィスを活用して開業し、加盟店に加わったオーナー
・    父親の不動産会社を事業承継して加盟契約を結んだオーナー
・    100年企業を事業承継してリフォームや買取再販も含め幅広く手掛けるオーナー

Q&A

最後に、2018年にRE/MAXに加盟し、2019年から5年連続で店舗売上げ全国1位を誇るRE/MAX L-styleの大西オーナーに、加盟店オーナーとしての実感をQ&A形式で聞きました。

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RE/MAX L-style代表取締役 大西 征昭氏

Q1:RE/MAXに加盟した背景は?

22歳で大学卒業後、最初に不動産ビジネスに携わったときに売買仲介に従事しましたが、顧客層とのギャップを感じ、賃貸仲介に転向しました。その後、フルコミッションで7年間働き、賃貸管理会社に移って5年間経験を積みました。独立後はフランチャイズに加盟し、売買仲介と賃貸仲介を手掛ける会社を10年半運営しましたが、ポータルサイト頼りの反響営業に限界を感じ、紹介中心の営業に切り替えようと試みました。しかしながら、社員と自身の熱量の差を感じて独立を決意。1人で3年間活動する中で、顧客も増えて安定を得たものの、1人で活動する寂しさを感じることもあり、今後の働き方に疑問を感じたところ、RE/MAXと出会い、加盟を決めました。

Q2:加盟前に抱いていた経営課題は?

1人で事業を運営するなかで、店舗が無人になる時間が長くなったり、契約業務に追われて集客に手が回らなくなったりと、マンパワーの限界を感じることが多々ありました。一方で、社員と自身の熱量の差に悩んだ過去の経験から、従業員を雇用することへの懸念もありました。RE/MAXのエージェントモデルを知ったときは、正直なところ「エージェントが集まるのだろうか」と懐疑的な部分もありました。しかし、理念を共有しながらも自立したエージェント同士がともに働けるチームを作れるのであれば、理想的な職場環境になると感じました。

Q3:加盟後に苦労したポイントは?

加盟してすぐの段階では、エージェントの役割や活動内容について一から説明する必要があり、教育には大きな苦労がありました。当初は、一般的な不動産会社に就職を希望していても就職先が見つからないような候補者が集まってきたのも事実です。しかし、その段階を乗り越えなければ次に進めないと考え、同行営業や勉強会など、具体的な施策を通じて育成を図りました。次第に、エージェントの働きやすさと売上げの両立ができる環境が整ってきた結果、優秀な人材が集まる好循環が生まれました。

Q4:加盟して良かったことは?

当社に在籍しているエージェントも他の加盟店のエージェントも、非常に優秀です。一般的な不動産会社では採用が難しいレベルの人材が増えていると感じています。彼らの高いコミュニケーション能力や視点、仕事への姿勢から得られる刺激が大きく、毎日の仕事が充実しています。RE/MAXに加盟するオーナーも感度が高く、彼らとの会話のなかから自然に仕事のヒントを得られる環境もありがたく感じています。

Q5:成功するエージェントとは?

成功するエージェントには覚悟があります。「この仕事で生きる」と決心し、それを周囲に伝えられる強い意志があります。経験や知識はサポートで補えますが、気持ちの部分は他者から与えられません。

また、案件が増えてくると1人では仕事を回せなくなるものですが、そんなときには、仲間に仕事を託すことで業務を効率化し、さらなるビジネス拡大に向けた協力体制を構築します。このように、エージェント間で仕事を分担し、チームワークを活かすことも重要です。

Q6:チームを拡大するためにオーナーとして意識していることは?

エージェントの夢を膨らませる職場環境を作ることです。覚悟と夢を持って参画してくれるエージェントを迎えるにあたり、「この仲間とビジネスをやり切る」という一体感を醸成することが、オーナーの役割です。そのためには、オーナー自身が楽しみながら働く姿勢が必要です。

まとめ

ラットレース状態に陥りがちな日本の不動産会社の経営課題を打破するには、従来型の経営から脱し、自立したエージェントが加盟店との間でリスクとリターンを共有しながらビジネスパートナーとして協働できるエージェント制という方法も考えられるでしょう。

エージェント制を成功させる3つの鍵「グローバル」「ダイバーシティ」「コミュニティ」を意識して、優秀なエージェントを獲得し、理想的な利益構造を実現してみてはいかでしょうか。詳しい情報を知りたい方は、こちらをご参照ください。

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Business 編集部
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