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人口減少で不動産の価格は下がる? 空き家や国際情勢の影響とは

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少子高齢化といわれる現代において、不動産の価格が今後どのように推移していくのか気になっている賃貸仲介・売買仲介・不動産会社の営業担当者さまもいるのではないでしょうか。

少子高齢化と同様に社会問題となっている空き家の増加と併せて、不動産価格にどのような影響をもたらすのかを知っておく必要があります。そこで本記事では、人口減少による不動産価格への影響について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.日本国内における人口減少の問題
  2. 2.日本国内における空き家の現状
    1. 2.1.増加し続ける空き家
    2. 2.2.空き家の増加と不動産価格の関係
  3. 3.不動産価格が影響を受けるさまざまな要因
    1. 3.1.①金利
    2. 3.2.②国際情勢
    3. 3.3.③国内イベント
  4. 4.不動産価格に影響を与える要因を把握しておくことが重要
  5. 5.まとめ

日本国内における人口減少の問題

少子高齢化が進む日本では、2008年をピークに人口が減少し続けています。

特に、住宅購入に需要があるとされる生産年齢人口(15~65歳)は、以下のように減少すると見込まれています。

(画像出典:総務省『平成30年版 情報通信白書のポイント』


▼人口減少の推計

  2017年:総人口に占める生産年齢人口の割合は60%(7,596万人)

  2040年:総人口に占める割合は53.9%まで減少すると推計(5,978万人)


さらに、厚生労働省の資料では、2060年には総人口が9,000万人を割り込むと予想されています。

(出典:総務省『平成30年版 情報通信白書のポイント』厚生労働省『日本の人口等関係資料』

日本国内における空き家の現状

人口減少で懸念されるのが空き家の問題です。ここでは、日本国内における空き家の現状と不動産価格との関係について見ていきましょう。


増加し続ける空き家

(画像出典:国土交通省『空き家等の現状について』


国土交通省の資料によると、1983年から2013年の30年間で空き家の数は500万戸近く増加しています。

▼空き家数の推移

年度
実数
1983年
330万戸
1988年
394万戸
1993年
448万戸
1998年
576万戸
2003年
659万戸
2008年
757万戸
2013年
820万戸


また、上記に含まれる空き家のうち、賃貸用・売却用の予定を除いた“その他の住宅”については、125万戸から318万戸と大きく増加しています。


空き家の増加と不動産価格の関係

こうした空き家の増加によって市場に流通する中古物件が増えることで、不動産価格が低下すると考える方もいるのではないでしょうか。

しかし、空き家自体は増加しているものの、すべてが売り物として市場に出回るわけではありません。そのため、空き家の増加が必ずしも不動産価格に影響するとはいえません。

売りに出されている空き家のなかで“活用可能(※1)”と考えられる空き家は、“その他の空き家”318万戸うち、全国で約48万戸とわずかです。空き家の数だけ中古物件が増えるわけではないため、不動産価格に直接大きな影響を与えるとは考えにくいでしょう。

※1・・・利用可能と考えられる空き家とは、駅から1km以内で簡易な手入れによって活用できる空き家のことを指します。

(出典:国土交通省『既存住宅市場の活性化について』『空き家等の現状について』)

不動産価格が影響を受けるさまざまな要因

不動産価格は、さまざまな要因によって影響を受けます。主な要因には以下の3つが挙げられます。


①金利

金利は不動産需要に影響を与える要素の一つです。金利が下がれば住宅ローンの負担が低減します。不動産投資家にとっても資金調達が行いやすくなるため、不動産市場が活発になります。

したがって、低金利のときは住宅の需要が増加し、不動産価格も高く推移しやすくなるというわけです。一方、高金利のときは住宅の需要も減少しやすくなります。需要が減少している状況で不動産の供給量が変わらなければ、不動産価格が下落する可能性があります。


②国際情勢

経済がグローバル化している現在では、国際情勢が不動産価格にも影響を与えます。インバウンド投資が活発になると、国内の観光地やホテルなどの不動産市場も活発になります。

反対に、国際情勢が悪化すれば、日本の市場へ流れる外国資本が減り、国内の不動産価格が下落する可能性もあります。


③国内イベント

大規模な国内イベントが開催されると、ホテルや旅館、飲食店などの需要が高まります。特に不動産価格が上昇しやすくなるのはイベント開催周辺地域です。

直近では、2021年7月に東京を中心とした各地で、2025年には大阪にて国際的なイベントの開催が予定されています。これらの影響により、開催エリア周辺の不動産価格が上昇する可能性が考えられます。

不動産価格に影響を与える要因を把握しておくことが重要

不動産価格はさまざまな要因で変動するほか、需要と供給のバランスによって決まります。

不動産仲介の営業において今後の目標を決める際には、商材となる不動産に影響を与える経済や国際情勢についての最新情報を収集し、不動産価格を総合的に捉えることが重要です。

まとめ

少子高齢化による人口減少が進むなか、不動産需要が減少し、不動産価格が下がることが懸念されています。空き家が増加している現状がある一方で、中古物件として利用可能な不動産は限られています。

また、金利や国際情勢などの影響によって需要と供給のバランスが崩れ、不動産価格に影響を及ぼすこともあります。これらの理由から人口減少だけが不動産価格の低下に直接影響するとはいい切れません。

不動産営業や賃貸管理を行うにあたっては、このようなさまざまな要因を把握したうえで、今後の事業計画や営業活動の判断材料にすることが重要です。

Business 編集部
Business 編集部
不動産仲介・賃貸管理業務に従事するみなさまを支援すべく、不動産営業のノウハウや人材採用、市場トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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