入居者への付加価値「ビューン読み放題マンション」。全国13万戸が導入

2024-06-24 01:52Business 編集部業界ネタ_トピックス

空室対策として、家賃、敷金や礼金などを下げる、人気の設備を設置する、リノベーションする……など、いくつかの方法が考えられます。入居者への特典として、昨今、導入が増えているのが電子書籍の読み放題サービスです。賃貸物件の空室対策や、入居者の満足度向上のため、新たな付加価値として注目を集める「ビューン読み放題マンション」を取材しました。

目次[非表示]

1.2017年6月にサービス開始。導入戸数は右肩上がりに増加中
2.特徴は豊富なコンテンツと利用のしやすさ
3.導入まで最短1週間。1戸当たり150円ほど
4.分譲マンションや賃貸物件での導入事例

2017年6月にサービス開始。導入戸数は右肩上がりに増加中

株式会社ビューンは2010年に、ソフトバンク株式会社のグループ会社として設立しました。iPadに最適なコンテンツを提供することを目的に、日本で初めて雑誌読み放題サービスを始めた企業です（2024年5月から、Link-Uグループ株式会社のグループ会社に）。

総務省の令和5年情報通信白書によれば、2022年の個人のインターネット利用率は84.9％となっており、13歳から59歳までの年代では9割を超え、インターネットは電気や水道などのような、生活に欠かせないインフラになりつつあるともいえます。インターネット利用の一般化と同様に、顧客向けサービスとしてカフェやホテルなどでもフリーWi-Fiが提供されていることが珍しくはなく、同様に賃貸物件でも普及が進んでいます。

「ビューン読み放題マンション」はISP（集合住宅向けインターネットサービス）のオプションサービスとして提供されており、ビューン読み放題マンションの導入数の増加は、すなわちインターネット利用料が無料の物件の増加ともいえます。

「全国の賃貸物件や分譲マンションで導入いただいており、2024年4月に13万戸を突破しました。特に2021年以降に大きく導入数が増えており、コロナ禍での在宅時間の増加やリモートワークの普及なども背景としてあると思います」（株式会社ビューン法人事業開発部部長石井裕介氏）

「ビューン読み放題マンション」の導入数推移

特徴は豊富なコンテンツと利用のしやすさ

昨今、電子書籍の読み放題サービスはいくつかありますが、ビューンは日本で初めて雑誌読み放題サービスを開始した会社です。現在は雑誌以外にも、多くのコンテンツを配信しています。

「雑誌は800誌2,500冊、旅行ガイドは『るるぶ』や『ことりっぷ』、『地球の歩き方』などで全国47都道府県、海外も含め 350冊以上、マンガは6万冊以上で、随時新しいコンテンツが更新されています。われわれが提供する個人向けの『ブック放題』というサービスがありますが、そちらは30歳～50歳代の利用が多く、読み放題サービスは、幅広い年代で利用されています」（石井氏）

コンテンツが豊富であることから、ビューン読み放題についても、年齢性別を問わず、幅広い年代で利用されていることがうかがえます。さらに、利用者にとってメリットといえるのが、利用のしやすさです。

「月に1回、マンション居室内の一括インターネットにスマートフォンなどを接続していただければ、ビューン読み放題が利用できます。接続後は、マンション以外の場所、外出先や旅行先などでもご利用が可能です」（石井氏）

導入まで最短1週間。1戸当たり150円ほど

賃貸管理会社やオーナーの方が導入をする場合、ビューンが提携しているISP企業とすでに契約をしていれば、1週間程度で「ビューン読み放題」が開始できます。入居者へは、接続用のURLを伝えるだけなので、利用開始の際にも、アナウンスの際にも手間はかかりません。前述したとおり、月に1回の認証が必要なため、入居者が退去した場合も自動的に利用不可となるため、退去時の対応も不要です。

「13万戸のうち、賃貸物件の割合が大きく、平均10戸くらいの比較的小規模なマンションやアパートなどで導入いただいています。『入居者への付加価値としてマンガ読み放題をPRしたい』というふうにお声がけいただくことが多いです」（石井氏）

分譲マンションや賃貸物件での導入事例

「導入いただいたマンションオーナーさまから、ご好評のお声をいただいております」（石井氏）

・マンションオーナーさまからのご感想
コスト面、雑誌の登録数、導入のしやすさが他の電子書籍サービスと比較しても圧倒的に良かったのがビューン読み放題マンションだったため、今年度より本格的に導入させていただきました。一人暮らしの若者が多い物件に導入した為、閲覧数も毎月安定しており入居者からも大変好評です。
リーシング時のメリットもございますが、入居後の入居者の満足度も高く評価いただいております。

「また、明和地所株式会社さまの分譲マンション『CLIO(クリオ)』シリーズの入居者特典として提供する次世代バーチャルライブラリーのコンテンツとしてビューン読み放題をご利用いただいています。また、株式会社穴吹ハウジングサービスさまが賃貸物件入居者の方向けに提供するアプリ『ハッピーサポートFor賃貸』に『ビューン読み放題』が組み込まれており、入居者の方向けの特典としてご活用いただいております。今後は学生寮との提携も検討しております」（石井氏

LIFULL HOME’Sが発表したプレスリリースでは、「インターネット使用料無料」は特に九州地方でトップ10に入る人気条件であり、希望する入居者は一定数いそうです。インターネット使用料無料が賃貸物件のスタンダードになった場合、かつ「ビューン読み放題」が利用できる環境というのは、入居者の付加価値となりえそうです。