集合住宅でも使えるEV充電インフラ補助金とは? 補助額や申請方法を紹介!
電気自動車の普及率が上昇し、EV充電器を自宅に設置する家庭も増えています。集合住宅にもEV充電器が求められつつある昨今、EV充電インフラ補助金を利用すれば、費用をかけずに導入することが可能です。
本記事では、集合住宅でも使えるEV充電インフラ補助金の概要や申請方法、集合住宅にEV充電器が求められる理由について紹介します。
目次[非表示]
- 1.EV充電インフラ補助金とは
- 2.EV充電インフラ補助金の申請方法
- 2.1.補助金申請から補助金交付までの流れ
- 2.2.申請期限
- 2.3.必要書類
- 3.集合住宅にEV充電器を設置する3つの理由
- 3.1.電気自動車の需要が高まる
- 3.2.不動産の資産価値の向上が期待できる
- 3.3.補助金を利用して無料でEV充電器の設置が可能
- 4.EV充電インフラ補助金を活用しよう
EV充電インフラ補助金とは
はじめにEV充電インフラ補助金が導入された背景と、補助上限額や要件について紹介します。
補助金導入の背景
EV充電インフラ補助金の正式名称は、「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」です。英訳の頭文字を取って「CEVインフラ補助金」とも呼ばれています。
日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルの実現を目指しています。使用時のCO2排出を削減した電気自動車が普及しつつあるため、需要を伸ばし、車両価格の低減を促すことを目的としてこの補助金が導入されました。
同時に電気自動車を充電できる機器の整備を全国に進めることも目的としており、令和6年度(2024年度)では100億円の予算が用意されています。
(出典:経済産業省 令和5年度補正予算・令和6年度当初予算「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」)
補助上限額と補助率
令和6年度のEV充電インフラ補助金は「急速充電器」「普通充電器」「高圧受電設備・設置工事費」の3種類に分かれており、それぞれ補助上限額と補助率が異なります。
集合住宅の場合は「普通充電器」に該当し、下表の補助上限額と補助率が適用されます。
普通充電器 |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|
対象設備 |
ケーブル付き充電設備 |
コンセントスタンド |
コンセント |
|||
6kW |
3kW・4kW |
|||||
駐車場形態 |
機械式・平置き |
機械式・平置き |
機械式 |
平置き |
||
機器補助率 |
1/2 |
|||||
機器上限額 |
35万円 |
25万円 |
11万円 |
7万円 |
||
工事補助率 |
1/1 |
|||||
工事上限額 |
135万円 |
135万円 |
135万円 |
95万円 |
補助金の要件
集合住宅に充電設備を設置する場合、以下の要件をすべて満たす必要があります。
-
設置する充電設備は以下の基準を満たしていること充電設備の種類ケーブルコンセント充電口数上限収容台数の10%以下、かつ10口以下収容台数以下、かつ20口以下
【注意点】
● 交付前に設置する充電設備は対象外
● 既に充電器が設置されている箇所については、BEV(バッテリー式電気自動車)PHEV(プラグインハイブリッド車)の駐車数が、充電器が設置されている区画の50%以上である場合には、追加設置申請が可能。
● 収容台数の10%を算出した際に小数点以下の端数がある場合は、その端数を切り上げた口数まで認められる。 - 充電設備の受電元は、共有部の配電盤・分電盤などとは別引き込みであること(ただし全戸数以上の駐車場区画に設置する場合は、各戸の分電盤を受電元にしてもよい)
設置する充電設備は普通充電設備、充電用コンセントおよび充電用コンセントスタンドであること
集合住宅の所有者が、自らの駐車場に設置することを目的としている申請ではないこと
最新の要件は、一般社団法人次世代自動車振興センターのホームページを参照してください。
EV充電インフラ補助金の申請方法
ここでは、EV充電インフラ補助金の申請の流れや期限、必要書類を紹介します。
補助金申請から補助金交付までの流れ
補助金の申請から交付までは、以下の流れとなります。
- オンライン交付申請
- 交付審査
- 交付決定通知書の受領
- 設置工事
- 実績報告の申請
- 実績審査
- 補助金の交付
オンラインでの交付申請後に交付決定通知を受けてから工事を開始します。補助金の交付までには、実績報告を行ってからおおよそ1ヶ月半〜2ヶ月ほどかかり、すぐに受け取れるわけではないことに注意しましょう。
申請期限
令和6年度第1期 |
令和6年度第2期 |
|
---|---|---|
申請期間 |
令和6年5月17日~6月17日 |
令和6年8月~9月中旬 |
実績報告締切 |
令和6年11月29日 |
令和7年1月末予定 |
※申請の一時停止に伴い第1期の申請受付期限が令和6年6月17日以降に延長されます。詳しくは一般社団法人次世代自動車振興センターのWebサイトをご確認ください。
必要書類
EV充電インフラ補助金の申請で必要な書類は以下のとおりです。
- 申請者本人確認書類(履歴事項全部証明書、運転免許証など)
- 充電設備本体の購入と設置工事にかかる見積書
- 充電設備等設置工事の申告方法(オンライン申請システムのデータ入力)
- 要部写真
- 設置場所見取図、平面図、配線ルート図、電気系統図(すべてA3サイズ)
- マンションなどであることを証明する書類(確認済証等など)
なお、既に充電設備がある状態で追加設置する場合や、充電スペース造成費を申告する場合などは、別途書類も求められるため注意しましょう。
集合住宅にEV充電器を設置する3つの理由
ここでは、集合住宅にEV充電器を設置する3つの理由を紹介します。
電気自動車の需要が高まる
日本政府は、2035年までに自動車新車販売をすべて電動自動車にすることを目標に掲げています。2023年12月時点では、電気自動車は年間14万台近く販売されており、毎年増加傾向です。
現在の電気自動車の販売比率は3%程度と、中国(11%)やヨーロッパ(20%)などと比較して低い割合であることがわかります。
政府としてもカーボンニュートラルの実現を目指していることから、今後ますます電気自動車の需要が高まり、それに伴う形で集合住宅にもEV充電器が求められるようになるでしょう。
不動産の資産価値の向上が期待できる
EV充電器の設置で、不動産の資産価値の向上が期待できます。電気自動車を所有している人たちは、EV充電器が設置されている建物であることが入居するうえでの必須条件です。そのため、EV充電器が設置されていなければ、それを理由に選択肢から外れてしまう可能性も高いといえます。
EV充電器を設置すれば、入居者層の間口が広がり空室対策となるうえ、災害時の緊急用充電器としても活用が見込めるでしょう。また、東京都では2025年4月から、1棟あたりの延べ面積が2,000m2未満の新築建築物へのEV充電設備の設置が義務化されます。
他県でも同様の条例が定められる可能性もあるため、早い段階から集合住宅にEV充電器を設置しておくとよいでしょう。
参考:東京都マンションEV充電器情報ポータル
東京都内の新築マンションは、2025年からEV充電器の一定規模の設置が都条例により義務付けされます
補助金を利用して無料でEV充電器の設置が可能
本補助金を利用すれば、無料でEV充電器の設置が可能です。EV充電器の導入費用は数十万円〜数百万円と高額なため、簡単に設置できるものではありません。本補助金は令和5年度より予算額が下がっており、令和7年度に関しては予算組されるか未定です。そのため、導入を検討している場合は、早期にEV充電インフラ補助金を利用し、費用をかけずに導入するのが得策でしょう。
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EV充電インフラ補助金を活用しよう
EV充電インフラ補助金とは、電気自動車の普及に伴って需要が増している充電機器の設置のために交付される補助金です。政府は2035年には自動車新車販売をすべて電動車にすることを目標としており、東京都においては、2025年にEV充電インフラの設置が義務化されます。
2024年6月現在は、R6年度第2期の申請開始時期が間近に迫っています。来年度以降も本補助金が利用できるとは限らないため、一般社団法人次世代自動車振興センターのWebサイトを参考にしながら、集合住宅への導入を検討してみてはいかがでしょう。
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