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2024年7月1日以降、800万円以下の不動産契約で仲介手数料見直し

2024年7月1日以降、800万円以下の不動産契約で仲介手数料見直し
国土交通省は2024年6月21日に「不動産業による空き家対策推進プログラム」を策定しました。今後、国土交通省は本プログラムに沿って、不動産関連団体と連携を取り、不動産会社による空き家の流通促進の取組みを推進していくとしています。

今回は、本プログラムから、2024年7月1日以降の契約が対象となる「空き家などにかかる媒介報酬規制の見直し」について詳しく見ていきます。

目次[非表示]

  1. 1.空き家などにかかる仲介手数料の特例とは? 
    1. 1.1.これまでの報酬規制と課題
  2. 2.特例による仲介手数料の変更点
    1. 2.1.売買取引にかかる報酬額
      1. 2.1.1.原則
      2. 2.1.2.特例(低廉な空家などの媒介の特例)
      3. 2.1.3.対象となる「低廉な空家など」の考え方
    2. 2.2.賃貸借取引に係る報酬額
      1. 2.2.1.原則
      2. 2.2.2.特例(長期の空家などの媒介の特例)
      3. 2.2.3.対象となる「長期の空き家など」の考え方
  3. 3.注意点

空き家などにかかる仲介手数料の特例とは? 

空き家が全国で急増していますが、一方では、二拠点居住や地方移住などのニーズも高まりつつあります。不動産業界には、空き家の活用や新たなニーズへの対応などが求められています。

「不動産業による空き家対策推進プログラム」では、不動産会社が物件調査や価格査定、物件の仲介、利活用までのノウハウを発揮できるように策定されました。「空き家などにかかる媒介報酬規制の見直し」は、「空き家流通のビジネス化支援」の施策の一環として実施されます。

これまでの報酬規制と課題

空き家は年々増加しており、総務省調査※による2023年の時点での「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家数」は385万戸と、総住宅数(6,502万戸)の約5.9%を占めています。

※総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)」結果(令和6年4月)

国土交通省が宅建業者を対象にアンケート調査を実施したところ、「空き家を取り扱うことについてネックとなる理由」について「業務の負担に対して、収益性が低いこと」が61.7%と最も高く、次いで「建物の劣化や不具合等、物件を取り扱うリスクが重いこと」が34.6%、「通常の仲介よりも現地調査等の手間・時間がかかること」が32.0%という結果となりました。収益性の課題により不動産事業者が積極的に安価な不動産に対しての仲介がしにくいという現状がうかがえます。


(出典:国土交通省 不動産業による空き家対策推進プログラム(参考資料)

宅建業法により、不動産会社が請求できる報酬額には上限が設定されていますが、売買価格が低い物件については前述の収益性に課題があることから、今回、報酬の上限が見直されました。

特例による仲介手数料の変更点

2024年7月1日以降、仲介手数料の「特例」が設けられます。特例の対象となる取引、変更点を確認しましょう。

売買取引にかかる報酬額

原則

不動産会社が、依頼者の一方(売主もしくは買主)から受領できる仲介手数料(税込)は、「物件価格に応じて一定の料率を乗じて得た金額を合計した金額」以内。

物件価格と料率(原則)

物件価格
料率

200万円以下

5.5%

200万円超~400万円以下
4.4%

400万円超

3.3%


特例(低廉な空家などの媒介の特例)

不動産会社は、依頼者の一方(売主若しくは買主)から受領できる仲介手数料(税込)について、「低廉な空家等」(物件価格が800万円以下の宅地建物)の仲介については、当該媒介(仲介)に要する費用を勘案して、【原則】による上限を超えて受領できる。ただし、その上限額(税込)は「30万円×1.1倍の金額」以内。

対象となる「低廉な空家など」の考え方

・価格800万円以下の宅地・建物
・使用の状態は問わない

(出典:国土交通省 <消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ

賃貸借取引に係る報酬額

原則

不動産会社が、依頼者の双方(貸主および借主)から受領できる仲介手数料の合計額(税込)は、「1ヶ月分の賃料×1.1倍の金額」以内。

※居住用建物の場合、依頼者の一方から、受領できる仲介手数料は、1ヶ月分の借賃に0.55を乗じた金額以内 (媒介の依頼を受けるに当たって依頼者の承諾を得ている場合を除く)

特例(長期の空家などの媒介の特例)

不動産会社は、貸主である依頼者から受領できる仲介手数料(税込)について、「長期の空き家など」の仲介については、当該媒介(仲介)に要する費用を勘案して、「原則」による上限を超えて受領できる。ただし、その上限額(税込)は「1ヶ月分の賃料×2.2倍の金額」以内。

「特例」の適用時は、依頼者の双方(貸主及び借主)から受領できる仲介手数料の合計額(税込)の上限額(税込)も、「1ヶ月分の賃料×2.2倍の金額」以内。

対象となる「長期の空き家など」の考え方

・「現に長期間にわたって居住・事業等の用途に供されていない」
 少なくとも1年を超えるような期間にわたり居住者が不在となっている一戸建ての空き家や分譲マンションの空き室
・または「将来にわたり居住・事業等の用途に供される見込みがない」
⇒ 相続などにより利用されなくなった直後の一戸建の空き家や分譲マンションの空き室であって、今後も所有者等による利用が見込まれないもの

(出典:国土交通省 <消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ

注意点

国土交通省は、特例の開始に伴い、依頼者へ対しての事前の説明と合意に特に留意する必要があるとしています。特例の対象となる場合は、契約後のトラブルを防止するため、あらかじめ丁寧な説明のうえ合意しておくことが重要です。国土交通省が公表している消費者向けの「不動産取引に関するお知らせ」のページでも解説されていますので、説明時にはこちらのページも参考にするといいでしょう。

(出典:国土交通省  空き家などにかかる媒介報酬規制の見直し

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Business 編集部
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