住宅ペアローンの需要増、大手銀行が団信を拡充
「ペアローン」は、夫婦、もしくは親子それぞれが同じ金融機関で契約する住宅ローンです。物件価格の高騰を受け、近年ペアローンの利用が増えています。ペアローンの利用状況と、大手銀行の動きについてまとめます。
「ペアローン」利用は約2割
住宅金融支援機構の調査によれば、2023年10月から 2024年3月までの期間、住宅ローンを利用して住宅を購入した人のうち、「ペアローンを利用」が22.8%、「収入合算を利用」が15.4%でした。ペアローンを利用した人は約2割、収入合算と合わせると約4割となります。
「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」の調査によれば、20歳代、30歳代は、ペアローンの利用率が高い傾向にあります。ペアローンを利用することで借入金が高くなる傾向にあることから、住宅価格の高騰を受け、若い世代で利用が進んでいることがうかがえます。
(出典:住宅金融支援機構 住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2024年4月調査)】)
大手銀行でペアローン団信を開始
通常、ペアローンの団体信用生命保険は、夫婦や親子などのペアローン利用者の片方に万が一のことが起こった場合、片方のローンの残債は弁済されますが、もう一方の返済は継続されます。昨今のペアローン需要増を受け、一部銀行ではペアローン団信の拡充を図っています。
PayPay銀行は、2024年6月1日より、「ペアローン向け全疾病保障付き連生団体信用生命保険(以下、ペアローン連生団信)」の取り扱いを開始しました。PayPay銀行の「ペアローン連生団信」は、どちらかが亡くなった場合や高度障害状態になった場合、ペアローンを組んだ2人のローン残高の合計金額が保険金として支払われ、ローンを完済することができます。
また、みずほ銀行は、2024年7月1日よりペアローン利用者向け連生団体信用生命保険(以下、「ペアローン団信」)の提供を開始。ペアローン団信は、住宅ローンを組む双方を保障対象とし、どちらか一方に万が一のことが起こった際は、両者の債務残高合計が保障されます。
りそな銀行、埼玉りそな銀行は、2024年10月1日より、がん特約付きペアローン型団体信用生命保険の取り扱いを開始することを発表しています。りそな銀行は、住宅ローン残高の約3割をペアローンが占めており、また住宅ローンの選定理由の2番目に「団信の内容」が挙げられることから、利用者のニーズにこたえる形で開発されました。
ペアローン団信(2024年7月時点)
銀行 |
名称 |
開始時期(予定) |
上乗せ金利 |
連携保険団体 |
---|---|---|---|---|
PayPay銀行 |
超サポ団信(ペア型) |
2024年6月1日 |
0.2%~0.4% |
カーディフ生命保険株式会社 |
みずほ銀行 |
ペアローン団信 |
2024年7月1日 |
0.2% |
第一生命保険株式会社 |
りそな銀行 |
ペアローン型団信(仮) |
2024年10月1日 |
未公表 |
日本生命保険 |
住宅の提案の際に、住宅ローンについて購入希望者から相談を受ける機会があるかもしれません。ペアローンを希望される方もいらっしゃるかもしれませんので、最新の情報はぜひ各銀行などのホームページを参照してご確認ください。
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