2025年1月から「囲い込み」が指示処分の対象に。改正内容をあらためて確認
2024年6月、宅地建物取引業法施行規則の改正が公布されました。本改正は2025年1月に施行され、併せて「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」も改正されます。2025年1月以降、いわゆる「囲い込み」に関して確認がされると、是正の指示処分となることが言及されました。
あらためて改正内容を確認しておきましょう。
目次[非表示]
- 1.2025年1月以降、処分の対象となることを明言
- 1.1.改正内容
- 1.1.1.依頼者への周知について
- 1.1.2.指定流通機構への登録等について(新設)
- 2.国土交通省が売主向けのリーフレットを作成
2025年1月以降、処分の対象となることを明言
今回、改正される「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え」(第34条の2関係)では、「依頼者への周知について」の内容が改正され、「指定流通機構への登録等について」の項目が新設されました。
改正内容
依頼者への周知について
・現行
依頼者への周知については、特に次の点について注意を喚起することとする。
(1)~(3) (略)
(4) 宅地建物取引業者が依頼物件を指定流通機構に登録した場合は、当該宅地建物取引業者から指定流通機構が発行する登録済証の交付を受けること等により、登録されたことを確認すること。
・改正内容
依頼者への周知については、特に次の点について注意を喚起することとする。
(1)~(3) (略)
(4) 宅地建物取引業者が依頼物件を指定流通機構に登録した場合は、当該宅地建物取引業者から指定流通機構が発行する登録済証(以下「登録証明書」という。)の交付を受けることにより登録されたことを確認するとともに、レインズ(指定流通機構が運営する宅地建物取引業者間の物件情報交換システムをいう。以下同じ。)のステータス管理機能を通じて当該依頼物件に係る取引の申込みの受付に関する状況等の最新の登録内容を確認すること。
指定流通機構への登録等について(新設)
登録証明書の交付時における説明等について
宅地建物取引業者は、指定流通機構に物件を登録したときは、登録証明書を交付する際に、レインズのステータス管理機能を通じて当該物件に係る取引の申込みの受付に関する状況等の最新の登録内容が確認できることに関し、依頼者に対して分かりやすく説明を行うことが望ましい。
なお、宅地建物取引業者が専属専任媒介契約及び専任媒介契約に基づき指定流通機構に登録した物件について、当該物件に係る取引の申込みの受付に関する状況等の登録内容が事実と異なるときは、法第65条第1項の指示処分の対象となる。
宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(平成13年国総動第3号)新旧対照条文
(出典:国土交通省 「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(平成13年国総動第3号)新旧対照条文宅地建物取引業法 法令改正・解釈について )
2016年、消費者保護と不動産流通の活性化を目的に、レインズに取引状況の登録制度が実装され、売主用の確認画面の提供が開始されました。2025年1月の改正により、実装から9年を経て、ステータス管理の徹底が求められることとなります。
今後、より売主がステータス画面を確認しやすくなるよう、不動産会社が公布する登録証明書にQRコードが掲載される予定です。また、不動産会社は、売主に対して分かりやすく説明することが望まれます。
国土交通省が売主向けのリーフレットを作成
今回の改正にあわせて、国土交通省は12月24日に物件の売主向けのリーフレットを作成しました。リーフレットには、レインズのステータス管理機能や、登録証明書から取引情報を確認する方法などがまとめられています。売主に登録証明書について説明をする際は、国土交通省のリーフレットを活用するとよいでしょう。
詳細は国土交通省のホームページを参照ください。
レインズの機能強化物件の売主向けリーフレット
(出典:国土交通省 レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました!~ご自身の物件の取引状況を確実かつ簡単に確認できるようになります~ )
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