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営業ノウハウ

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不動産営業に役立つ“イエスセット話法”のトーク例とポイント

不動産仲介営業における商談の場で、顧客に肯定的な返答をもらえずに、もどかしい思いをしたことがある方は多いのではないでしょうか。特に、クロージングのプロセスでは、できる限り「Yes(イエス)」の返答をもらいたいと考えるのが自然です。

そこで有効な手法が“イエスセット話法”です。イエスセット話法は、商談の場で顧客から「イエス」の返答を獲得できる効果が期待されています。

この記事では、「不動産の賃貸・売買の仲介営業に役立つテクニックを知りたい」「イエスセット話法の具体的な方法を知りたい」という担当者の方へ向け、イエスセット話法のトーク例や実践ポイントなどを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.イエスセット話法とは
  2. 2.【営業プロセス別】イエスセット話法を用いたトーク例
    1. 2.1.アイスブレイク
    2. 2.2.ヒアリング
    3. 2.3.物件提案
  3. 3.イエスセット話法を実践するときのポイント
    1. 3.1.①必ずイエスがもらえる質問をする
      1. 3.1.1.1. 誰もが「イエス」と共感できる質問
      2. 3.1.2.2. すでに共有している情報を基に「イエス」と同意できる質問
    2. 3.2.②質問を複数パターン用意する
    3. 3.3.③最終的な目的を明確にしておく
  4. 4.まとめ

イエスセット話法とは

イエスセット話法とは、質問に対して相手から「イエス(はい)」の返事を積み重ねることで、同意を得やすくなる心理的交渉術の一つです。

人は質問に対して「イエス」の同意を繰り返すと、反論しにくくなり、次の質問に対してもイエスと返事をしてしまう傾向にあります。この心理は、自らの行動や意見・信念などを一貫させたいという“一貫性の法則”に基づくとされています。

不動産営業においても、商談時に顧客の「イエス」が得られるようにトークを進めることで、顧客が営業担当者本人や提案内容を肯定的に捉える作用が働きます。これにより、安心感や共感が生まれ、信頼の獲得、ひいては成約へとつながる可能性が高まります。

【営業プロセス別】イエスセット話法を用いたトーク例

イエスセット話法は、不動産営業のさまざまな商談のプロセスで取り入れることが可能です。ここからは、イエスセット話法を用いたトーク例を営業プロセス別に紹介します。


アイスブレイク

アイスブレイク(※)でイエスセット話法を取り入れることで、顧客をリラックスさせ、その後のコミュニケーションを円滑に取れるようになります。

なお、アイスブレイクでは季節や気候の話題のように、相手が同意しやすい内容から会話をスタートさせましょう。

▼アイスブレイク時のトーク例

  • 「急に寒くなりましたね」
  • 「昨日の雨は大変でしたね」

※アイスブレイクとは、緊張状態(=アイス)を打ち砕く(=ブレイク)という意味があり、初対面の相手の緊張感をほぐして話しやすい雰囲気をつくる手法です。


ヒアリング

顧客の要望・ニーズを把握するためのヒアリングでは、すでに合意がある事柄について質問することで、イエスの返事を獲得できます。

商談の冒頭でうかがった内容を「確認している」というスタンスで質問すれば、尋問のように感じられるのを防ぐことが可能です。以下のように、再確認するための質問を投げかけてみましょう。

▼ヒアリング時のトーク例

  •  「◯月末にお引越しを希望されているということで間違いございませんか」
  •  「土日・祝日がお休みとのことで、週末でしたらお部屋の見学が可能ということでよろしいでしょうか?」


物件提案

ヒアリングで収集した要望・ニーズに合わせて物件提案をするときにも、イエスセット話法を活用できます。顧客が求める要素・かなえたい暮らしに対する質問を投げかけることで、イエスの返事を得やすくなります。

以下のように、生活や暮らしが具体的にイメージできるような内容を盛り込みましょう。

▼提案時のトーク例

  • 「このキッチンからリビングが一望できますよね。お子さまの様子を見ながら料理したいというご希望に沿っているのではないでしょうか」
  • 「この物件なら、通勤時間が30分短縮できるのではないでしょうか。通勤疲れが軽減できるといいですよね」

イエスセット話法を実践するときのポイント

商談で顧客の「イエス」を獲得するためには、意識しておくポイントがあります。ここからは、イエスセット話法の実践ポイントを3つ紹介します。


①必ずイエスがもらえる質問をする

イエスセット話法で質問を投げかけるときには、顧客から“必ずイエスがもらえる質問”をすることがポイントです。必ずイエスがもらえる質問は、大きく分けて2種類あります。

1. 誰もが「イエス」と共感できる質問

例)「最近天気がいいですよね」

2. すでに共有している情報を基に「イエス」と同意できる質問

例)「ご家族構成は、ご夫婦とお子さま2人でお間違いないでしょうか」

1はアイスブレイク、2はヒアリングといったように、商談のプロセスに応じて使い分けるのが有効です。


②質問を複数パターン用意する

イエスセット話法を成功させるには、イエスの返事を繰り返して会話のラリーを続けることもポイントです。

ただし、質問を繰り返しすぎると、顧客に不快な思いを抱かせてしまう可能性があるため注意が必要です。積み重ねるイエスの数は3回ほどに抑えるのが望ましいといえます。

▼質問例

  • 「ご家族さま3人で暮らされる物件をお探しとのことですね」
  • 「ご両親とお子さまですと、最低でも2部屋以上は必要ですよね。2LDK以上の物件でお探ししてよろしいでしょうか」
  • 「おすすめ物件が2~3件あるので、見ていただいてもよろしいでしょうか」

質問を複数パターン用意しておくと、イエスがもらえなかった場合に新たな切り口からアプローチできるようになります。


③最終的な目的を明確にしておく

顧客に質問するときは最終的な目的を明確にしておくことが大切です。物件の内見や商談予約、契約の申し込みなど、顧客に「イエス」と同意してもらいたい質問を明確にしておくことで、自然に会話に盛り込めるようになります。

▼質問例

  • 「お客さまにおすすめしたい物件がございますので、ご案内してもよろしいでしょうか」
  • 「ご希望とご予算に合う物件でしたら、ご成約を検討いただけそうですか」
  • 「この物件はお客さまの条件とご予算のご希望を満たしています。本日お申し込みされますか?」

決定打となる質問に対して「イエス」をもらい、申し込みや契約に対して合意を得ることで、クロージングで成約に導きやすくなります。

まとめ

不動産営業の商談でイエスセット話法を取り入れることで、営業担当者や提案内容に対して肯定的に捉える作用が働き、成約につながりやすくなります。

イエスセット話法はアイスブレイクやヒアリング、物件提案などのプロセスで活用できます。イエスセット話法を実践する際は以下のポイントを押さえましょう。

  • 必ずイエスがもらえる質問をする
  • 質問を複数パターン用意する
  • 質問の最終的な目的を明確にする

今回紹介した質問例やポイントを押さえつつ、不動産営業のトークにイエスセット話法を取り入れて成約率の向上を図ってはいかがでしょうか。

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Business 編集部
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