不動産仲介営業でのSNS活用! 営業手法やポイントを解説
今や情報の収集・発信・拡散に欠かせない存在となったSNS。企業の営業活動でもSNSが活用されており、不動産営業においても例外ではありません。
不動産は購入までの検討期間が長期化する傾向にあるため、成約につなげるためには顧客との信頼関係を築くことが重要です。SNSを活用した営業活動は、顧客との信頼関係を構築するために適しているといえます。
この記事では、SNSを活用した不動産仲介営業の手法をはじめ、有効な理由や、成功に導くポイントについて解説します。
なお、不動産営業におけるSNSマーケティングの種類と活用法については、こちらの記事で解説しています。
≫ 不動産業界における効果的なSNSマーケティングの種類と活用法
目次[非表示]
- 1.SNSを活用した不動産仲介営業の手法
- 2.不動産仲介営業にSNSが有効な理由
- 2.1.①営業活動のヒントになる
- 2.2.②効率的なアプローチができる
- 3.SNS活用を成功へ導くポイント
- 3.1.①プロフィールを明確に記載する
- 3.2.②面識のある人とつながる
- 3.3.③仕事以外のことも投稿する
- 4.まとめ
SNSを活用した不動産仲介営業の手法
企業がSNSを活用して見込み顧客の獲得や関係構築を行い、販売・契約につなげる営業手法を“ソーシャルセリング”といいます。海外では一般的な手法であり、近年日本でも広まりつつあります。
活用するSNSは、Twitter・Instagram・Facebook・YouTube・noteなどが挙げられます。
ソーシャルセリングは、見込み顧客との1対1での交流で信頼を獲得して、契約や販売につなげる手法です。そのほかにも、“ソーシャルメディアマーケティング”という手法がありますが、これは、多数の潜在顧客に対してアプローチを行う手法です。
ソーシャルセリングは、あくまで見込み顧客との信頼関係を築いて、販売に向けた段取りを組むことが目的であり、直接商品・サービスを売買するものではありません。日ごろからSNSを活用して、地道に情報を発信していくことが重要です。
ソーシャルセリングの具体的な手法は、以下のとおりです。
▼ソーシャルセリングの具体的手法
- 自社に興味のありそうなユーザーをフォローしたり、“いいね”やコメントをしたりしてコミュニケーションを図る
- SNSのDM機能で、不動産イベントの招待やキャンペーン情報を送る
- 営業担当者が住宅にまつわる身近な情報発信を行う
- SNS上で不動産に関する質問を募集して、答えながら見込み顧客を探す
不動産仲介営業にSNSが有効な理由
不動産仲介営業でSNSが有効な理由には、営業活動のヒントになることや、効率的なアプローチができることが挙げられます。
①営業活動のヒントになる
SNS上にある名前や家族構成、仕事、趣味などの情報は、営業活動のヒントにしたり、日々の交流で心理的距離を縮めるための話題の材料にできます。
営業担当者は、SNSの投稿・プロフィールなどの情報から、見込み顧客となり得る顧客の属性・ニーズを把握することが可能です。情報を活用することで、普段の営業活動に取り入れる話題・アプローチを検討できるようになります。
また、すでに直接的な接点のある顧客とSNSで相互フォローすることで、より身近な存在として、深い信頼関係を築くことも期待できます。
②効率的なアプローチができる
SNSは時間や場所を問わず情報発信ができるため、潜在顧客・見込み顧客へ向けて効率的なアプローチを行えます。
従来の営業であれば、商談に至るまでにアポイントメントを取る必要がありましたが、ソーシャルセリングでは、曜日・時間帯を気にせずに行動を起こすことが可能です。
また、不動産売買に興味を持つユーザーに対してアプローチを行えるため、やみくもな訪問営業や電話アポイントメントよりも精度を高められます。効率的な営業活動が可能となることで、無駄な労力・時間の削減にもつながります。
SNS活用を成功へ導くポイント
不動産仲介営業において、SNSを活用したソーシャルセリングを実施する際には、3つの点に注意する必要があります。
①プロフィールを明確に記載する
SNSのユーザーに興味を持ってもらうためには、営業担当者のプロフィールを明確に記載することがポイントです。
基本的な個人情報に加えて、経歴や趣味などを記載することで、営業担当者の人となりが伝わり、ユーザーとの信頼関係が築きやすくなります。また、アイコンを顔写真に設定することで、信頼を得やすくなるといった効果も期待できます。
営業担当者のプロフィールに記載する情報として、以下が挙げられます。
▼プロフィールに記載する情報
- 不動産会社の名前
- 不動産会社の概要(業種、専門分野、実績等)
- 営業担当者の名前・役職・保有資格・得意分野・趣味
- 企業理念やコンセプト
②面識のある人とつながる
ソーシャルセリングを始める際は、打ち合わせや相談などで直接関わったことのある人から交流を持つことがポイントです。
SNSで企業アカウントを作って、新たな見込み顧客と接点を持とうとしても、フォロー・フォロワーが0人では、相手に警戒されてしまう可能性があります。
また、もともと接点のある見込み顧客との信頼関係を構築できれば、紹介や口コミの信頼度が高まるといった効果も期待できます。
SNSで見込み顧客とつながる主な方法は、以下のとおりです。
▼SNSで見込み顧客とつながる方法例
- 商談時に企業のアカウントのフォローをお願いする
- 物件問合せがあった顧客に向けて、フォローキャンペーンを実施する
- 不動産イベントの告知(DMやメール等)にアカウント情報を掲載する
③仕事以外のことも投稿する
潜在顧客・見込み顧客に興味を持ってもらうためには、仕事の情報だけでなく、プライベートに関する内容も投稿することがポイントです。
営業担当者がプライベートなことを発信することで、相手に親近感や好印象を与えられ、信頼を得やすくなります。
仕事以外の内容を投稿する方法には、以下が挙げられます。
▼プライベートに関する投稿例
- 営業担当者の一日の業務内容や、社内風景などを毎日投稿する
- ボランティアや地域イベントへの参加時の様子を投稿する
また、ターゲットの年代に合わせて、利用するSNSを選ぶことも重要です。年代別のSNSサービスの利用率は、以下のとおりです。
▼年代別:SNSサービスの利用率
画像引用元:総務省『令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
(出典:総務省『令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』)
まとめ
この記事では、不動産仲介営業におけるSNS活用について、以下の内容を解説しました。
- ソーシャルセリングについて
- 不動産仲介営業にSNSが有効な理由
- SNS活用を成功へ導くポイント
SNSによって見込み顧客との信頼関係を構築して、販売・契約につなげることがソーシャルセリングの目的です。ユーザーの投稿・プロフィールから営業に役立つ情報を収集できるほか、興味関心度の高いユーザーに効率的にアプローチできます。
ユーザーとの信頼関係を構築するには、営業担当者のプロフィールを明確にして、最初のうちは面識のある人とつながる、仕事以外の内容も投稿することがポイントです。
不動産仲介営業の効率化や見込み顧客の獲得に向けて、SNSをうまく活用してみてはいかがでしょうか。
なお、不動産営業に効果的なSNSマーケティングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫ 不動産業界における効果的なSNSマーケティングの種類と活用法