任意売却取扱主任者試験合格のために! 直前までにやっておくことは?
任意売却取扱主任者とは、不動産の任意売却を行うために必要な知識を持ち、依頼者の任意売却をスムーズに進めるために設けられた資格です。任意売却には、民事執行法や税法、宅地建物取引業法などの広い範囲の法律知識が必要になります。
宅地建物取引士など、ほかの資格と組み合わせることで、不動産に関する業務に幅広く携われるでしょう。この記事では、任意売却取扱主任者の試験合格のためのポイントや試験における注意点などを詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.任意売却取扱主任者試験に合格するためのポイント
- 1.1.短期集中型で勉強時間を確保する
- 1.2.過去問の演習を繰り返して、問題に慣れておく
- 1.3.試験直前は復習を重視する
- 1.4.スケジュールに余裕を持ち、体調管理に気をつける
- 1.5.試験の出題範囲
- 1.6.試験の出題範囲
- 1.7.資格登録と指定講習
- 2.試験における注意点
≫ 【資格取得】任意売却取扱主任者とは?資格の概要と業務内容を解説
任意売却取扱主任者試験に合格するためのポイント
任意売却取扱主任者試験は、出題範囲や合格基準などがあらかじめ示されているため、しっかりと試験対策を行えば、合格に近づきます。ここでは、試験に合格するためのポイントを解説します。
短期集中型で勉強時間を確保する
任意売却取扱主任者試験は、普段は仕事を行いながら受験を目指す人も多いでしょう。人によって学習スタイルは異なりますが、日頃コツコツと学習を重ねながら、試験が近づいたら短期集中型で勉強時間を確保するのも一つの方法です。
直前の勉強時間を多めに確保することで集中力が高まり、知識の定着を効率よく行えるでしょう。ただし、一気に勉強時間を増やすことで、生活リズムが崩れてしまい体調が悪くなる恐れもあるため、普段の勉強時間と比較をしながら取り組んでいくことが大切です。
過去問の演習を繰り返して、問題に慣れておく
任意売却取扱主任者試験を実施している一般社団法人の全国任意売却協会から、公式テキストと過去問集が販売されているので、基本的な学習はこの2冊を中心に進めます。全国任意売却協会のホームページでも、試験問題の大部分が公式テキストから出題されることが明記されており、公式テキストと過去問集を繰り返し学習することが、試験対策として一番の近道といえます。
過去問を解くときは、漫然と回答をするのではなく、どのような意図で出題されているのかを読み解くことが大切です。問われている意図が理解できれば、知識の定着が強固になり、スムーズに学習を進められるでしょう。
試験直前は復習を重視する
試験直前の時期においては、新たな知識を得ようとするよりも、これまでに学習したことを復習する時間を多く確保しましょう。任意売却取扱主任者の試験では、合格基準が総得点の60%以上で、択一問題と記述問題のそれぞれ50%以上となっています(合格点は難易度を考慮して調整される場合があります)。
そのため、試験対策としては満点を目指す必要はなく、むしろ1問1問をいかに正確に解けるかが重要です。一度解けた問題であっても、考え方に間違いがないかをしっかりとチェックしてみましょう。
復習に時間をかけることによって、問題の形式が変わって出題されたとしても、正しい答えを導けるようになるはずです。
スケジュールに余裕を持ち、体調管理に気をつける
毎日計画的に勉強を進めていくことは大切ですが、あまり無理をして勉強をしようとしても、パフォーマンスが悪くなってしまいます。また、仕事やプライベートの用事との兼ね合いから、しばらく勉強に手がつけられない期間も生じることもあります。
そうしたときに不安を感じてしまわないために、あらかじめ学習計画のスケジュールには余裕を持っておきましょう。十分な睡眠時間と休養を確保したうえで、無理のないスケジュールを立てることをおすすめします。
試験の出題範囲
任意売却取扱主任者の試験は年1回行われ、受験資格に学歴や職歴、年齢などの要件は設けられていないので基本的に誰でも受験ができます。出題される内容や合格後に必要なことなどを解説します。
試験の出題範囲
任意売却取扱主任者の試験は、4肢択一問題が40問(各2点)と、記述問題(各10点)が2問の計100点満点で採点が行われます。試験時間は2時間となっており、出題範囲は次のとおりです。
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前述のとおり、試験内容の大部分は公式テキストから出題されます。試験対策としては、早めにテキストを購入して、公式テキストで知識を学び、過去問の演習を繰り返し行うことが大切です。
資格登録と指定講習
任意売却取扱主任者の試験に合格したからといって、すぐに業務を行えるわけではなく、資格登録が必要になります。資格登録は指定講習を受講した人のみとなっており、約6時間の講義を受けなければなりません。
指定講習を受けた後に、修了証書と任意売却取扱主任者認定証が発行されます。また、合格後は5年間の有効期間があり、5年経過以降は1年ごとに6,000円(税抜き)の更新料が必要になります。
試験における注意点
任意売却取扱主任者の試験は、年によって合格率は異なりますが、直近の数年では40%程度の合格率となっています。宅地建物取引士の合格率が15%前後であるため、一見すると難易度が低いように見えます。しかし、不動産に関する実務経験を積み、キャリアアップとして受験する人が多いため、未経験で受験をする場合はそれなりの勉強時間が必要です。
また、任意売却取扱主任者の試験に合格をしてから5年以内に、指定講習を受けなければ資格登録が行えない点にも気をつけましょう。
なお、任意売却取扱主任者の資格は、宅地建物取引士や司法書士のように、資格を保有しているからといって独占業務があるわけではありません。たとえば、宅地建物取引士の場合は重要事項説明書の作成や説明などの独占業務があります。さらに、一つの事務所で業務に従事する者のうち5人に1人の割合で専任の宅地建物取引士を置かねばならず、安定的なニーズがあるといえるでしょう。
任意売却取扱主任者の資格単体で見れば、独占業務がないという観点でメリットは少ないように見えますが、ほかの資格と組み合わせることでキャリアの幅も広がります。資格の取得を目指す際に、どのように自分のキャリアに生かせるのかをよく検討してみましょう。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:任意売却取扱主任者の試験対策は?
A:まず、試験問題の大部分が試験を実施する団体の公式テキストから出題されるので、繰り返し学習を進めることが大切です。単に知識を覚えるだけでなく、出題者の意図を読み解きながら解いていくことで、応用力を身につけられるでしょう。
Q:試験の形式や出題範囲は?
A:試験は4肢択一と記述問題によって行われ、合格後に指定講習を受けることで資格登録できます。出題範囲は、宅地建物取引業法・民事執行法・税法・民法・弁護士法などの法律問題と、任意売却取引に必要な手続き等の商慣行や実務に関する問題となっています。
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