不動産仲介業の源泉営業とは?成果を出すためのコツを解説
物件探しのために、不動産ポータルサイトやSNSなど、インターネットで情報収集する人が増えています。
そうしたなか、顧客からの問合せを待つ“反響営業”を主軸としている不動産会社も多いのではないでしょうか。
一方、従来の営業スタイルとして根付いているのが、“源泉営業”と呼ばれる手法です。
反響営業だけでなく源泉営業にも力を入れたいと考えている方は、それぞれの手法で成果を出すためのコツについて理解を深めておくことが重要です。
この記事では、不動産仲介業の源泉営業とは何か、反響営業との違いや種類、メリット・デメリット、成果を出すためのコツについて解説します。
(出典:国土交通省『令和3年度 住宅市場動向調査報告書』)
目次[非表示]
- 1.不動産仲介業の源泉営業とは
- 2.源泉営業の種類
- 3.源泉営業のメリット・デメリット
- 4.源泉営業で成果を出すには
- 5.まとめ
不動産仲介業の源泉営業とは
不動産仲介業の営業活動は、反響営業と源泉営業の2つに分けられます。
反響営業とは、自社のWebサイトや広告を見て反響(問合せや資料請求など)があった顧客に対してアプローチする営業スタイルです。コンタクトがあってからアプローチを行うため、顧客は物件に興味があり、ニーズが顕在化している状態といえます。
源泉営業は、営業担当者が新規顧客を発掘してアプローチを行う営業スタイルのことです。営業担当者から顧客に対して最初にコンタクトを取り、成約につなげるためのアプローチを行います。
反響営業とは異なり、不動産取引に興味のない、ニーズが顕在化していない顧客を対象としていることが特徴です。
不動産仲介業の反響営業については、こちらの記事で詳しく解説しています。
源泉営業の種類
不動産仲介業の源泉営業には、主に3つの種類が挙げられます。
①飛び込み営業
飛び込み営業とは、アポイントメントなしで個人宅を訪問して、不動産仲介の媒介契約や売買契約を取りつける営業手法です。
主に新築マンションや一戸建て住宅の売買、物件の仕入れ営業などで行われています。
②電話営業
電話営業とは、電話帳や名簿リストなどを活用して、ターゲットとなりえる顧客に電話をかける営業手法です。
電話営業を通じて商談のアポイントメントを獲得してから、最終的な成約へとつなげることを目的としています。
不動産仲介だけでなく、物件の仕入れや投資用マンション販売などの職種でも行われています。
③キャッチ営業
キャッチ営業とは、街中や展示場、ショッピングモールなどで人に声をかけて、そのあとの営業活動につなげる手法です。
資料の提供や名刺交換などで個人情報を取得して、後日に電話営業・訪問営業を行ったり、商談・査定の予約につなげたりします。
キャッチ営業は、売買仲介営業の客付けを行う際にも活用されています。
源泉営業のメリット・デメリット
不動産仲介業における源泉営業は、営業担当者にとって以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
源泉営業のメリットには、収入アップや営業スキル向上が挙げられます。
源泉営業は、潜在顧客がターゲットに含まれるため、一般的に反響営業よりも成約につなげる難易度が高いといわれています。また、宣伝費や広告費が発生しないため、売り上げに対する人件費率を高められることも特徴です。
このような理由から、成約に至った場合のインセンティブを高めに設定している会社もあり、営業成績が上がれば収入アップを目指すことが可能です。
さらに、難易度が高いといわれる源泉営業に取組むことで、自身の営業スキルの向上にもつながるため、キャリアアップや独立開業なども目指せます。
デメリット
源泉営業のデメリットには、体力的・精神的な負担が大きいことが挙げられます。
源泉営業は、不動産取引に興味を持たない層にもアプローチを行うため、断られることが多く、見込み顧客の発掘から成約までには複数のプロセスを踏む必要があり、体力や忍耐力も求められます。
また、顧客から断られ続けたり、上司からノルマについて注意されたりすることで、モチベーションの低下する人や、ストレスを感じる人もいます。
源泉営業で成果を出すには
不動産仲介業の源泉営業で成果を出すためには、目標設定とニーズの見極めを行うことが大切です。
①目標を設定する
アプローチを行う際は、目標を設定したうえで、その目標達成に向けて積極的に行動することが重要です。
源泉営業では、営業担当者からアプローチを行い、商談のチャンスを増やす必要があります。そのためには、毎日コツコツとアプローチを行う行動力と忍耐力が求められます。
目標を設定することで、目標達成意識が高まり、モチベーションを維持しやすくなります。
▼目標設定の例
- 1ヶ月の飛び込み営業で10件は商談につなげる
- 電話営業を1日50件行う
- キャッチ営業で顧客情報を10件取ってくる
②ニーズを見極める
成約につながる見込みのある顧客に対して優先的にアプローチを行うには、不動産取引に対するニーズを見極める必要があります。
ニーズを見極めるためには、会話のなかで顧客の話をよく聞き、住宅に関する潜在的な不安・不満・要望を引き出すことが重要です。
顧客の潜在的なニーズを引き出すことで、契約につながる見込みがあるか否かを判断できるようになり、効率的な営業活動を行えます。
大前提として、“顧客に話を聞いてもらう”というハードルを越えるためには、営業担当者に対する信頼を得ることが必要であることも忘れないようにしましょう。
まとめ
この記事では、不動産仲介業の源泉営業について以下の項目で解説しました。
- 源泉営業と反響営業との違い
- 源泉営業の3つの種類
- 営業担当者側のメリット・デメリット
- 成約につなげるためのコツ
源泉営業は、営業担当者が新規顧客の発掘を行い成約につなげる営業スタイルのことで、訪問営業、電話営業、キャッチ営業などの種類があります。
高収入を目指せたり、営業スキルが身に付いたりするメリットがある一方、断られやすく精神的・体力的な負担となりやすいといったデメリットもあります。
成約につなげるためには、目標を設定したうえで着実にアプローチを行うとともに、顧客との会話のなかでニーズを見極めることがコツです。
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なお、不動産営業のコツについては、こちらの記事でも解説しています。
≫ 契約の取れる不動産営業のコツとは? 失敗パターンや考え方を解説