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営業ノウハウ

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売却物件を増やすための自社ブランディング方法とその具体例とは?

職業柄、様々な不動産会社の幹部の方とお話しする機会がありますが、多くの不動産会社の課題のひとつとして、「売却物件の獲得方法がわからない」という課題があります。

2023年の現在、大手不動産会社に多くの売却案件が流れているような印象を受けます。たしかに、売却検討者からすると、「名のある不動産会社」に物件を任せたほうが安心かもしれません。また、大手不動産会社の「強気の仕入金額」も、原因のひとつなのでしょう。今後も、こうした傾向は強くなるような気がしています。

では、大手不動産会社以外は、売却物件が獲得できないか、と言われれば、けっしてそうではありません。小規模の不動産会社でありながらも、しっかりと反響を獲得し、売却物件を獲得できている不動産会社もあります。今回は、こうした売却物件獲得がうまくいっている不動産会社の事例を「ブランディング」という軸で、紹介していきます。

現在、大手不動産会社を除いて、売却物件を獲得できている不動産会社の多くが、「自社のブランディング」に力を入れています。

「ブランディング」とは、その会社の会社自体、または商品、サービスのイメージ発信を通じて、顧客にそのイメージを構築させるものです。とある飲料メーカーのCMでは、爽やかなイメージ動画をCMで流し、そのイメージを絶えず視聴者に伝えることで、顧客はその飲料会社のロゴを見ただけで、その飲料水の味を想起することができます。

「ブランディング」というと、大手の会社やメーカーなどが実施している施策だと思われる方も多いかもしれませんが、小さな会社でも有効な施策のひとつです。特に今後の不動産会社では、このブランディング施策は、非常に重要な要素になります。大手不動産会社ではなく、小さな不動産会社でも、ブランディング戦略を立てることで、売却物件の獲得が容易になっていきます。

では、他社ではどのようなブランディング施策を行い、売却物件の獲得をしているのでしょうか?順序立てて説明していきたいと思います。

目次[非表示]

  1. 1.自社の強みを「打ち出す」
  2. 2.SNSの有効活用
  3. 3.顧客とのコミュニケーション

自社の強みを「打ち出す」

前回の記事でもお伝えしましたが、自社の強みをどれだけ打ち出すのかが、最初の鍵となっています。

ホームページに自社の強みをしっかりと掲載したり、SNSで発信したりすることで、顧客に会社の「どこが強み」なのかをアピールすることができます。

たとえば、有効な打ち手のひとつとして、地域性を打ち出すことがあげられます。具体的な商圏エリアを明確にし、それを発信します。とある不動産会社では、SNSに不動産情報のみならず、地域の情報やそのエリアの飲食店などを紹介し、しっかりとその地域の魅力をアピールしています。これにより、この地域に住んでいる住人が売却を検討する際、この不動産会社にお願いしてみたい、と思ってもらえれば、大成功です。

またサービスの独自性もひとつのアピールポイントになるでしょう。とある不動産会社では、査定方法や査定書のサンプルなどを紹介し、他社との違いを打ち出しています。また、とある不動産会社では、任意売却に特化した売却サービスを打ち出し、多くの反響を獲得しています。改めて、他社とは違ったサービスを検討してみてもよいかもしれません。

また社長や営業メンバーを打ち出す方法も施策のひとつです。社長自身がYoutubeで不動産市況や売却のノウハウを説明したり、ホームページなどで営業メンバーのプロフィールなどを細かく発信したりすることも有効な方法です。

いずれにしても、こうした自社の強みを打ち出すことで、売却検討者の目にとまり、問い合わせの誘引を図ります。

SNSの有効活用

自社の強みをホームページなどに打ち出すだけで、売却物件の反響が増加するかと言えば、けっしてそうではありません。重要なことは、「SNSの継続的な発信」です。

ベストは、YouTube、Instagram、TikTok、Twitterなどの主要なSNSメディアをミックスして使いこなすことです。とはいえ、もちろん全てのSNSをフルで運用するのは、大変です。最初はどのSNSメディアを中心に発信をするのか「主戦場」を決めて発信していくのがよいでしょう。主戦場を決め、その他のSNSと連携を取ることで、より多くのユーザーへのアピールが可能となります。

内容としては、先程紹介したようにYouTubeで、社長自らが不動産取引のノウハウを発信するのもひとつです。また、Instagramで売却のノウハウを簡単にまとめた画像などを発信したり、ライブ配信を行い、売却ノウハウの説明を行ったりするのも効果的です。TikTokはYouTubeのショートバージョンになります。短い再生時間で売却のノウハウや不動産取引の方法などを伝えることで、インパクトを与えます。Twitterでは、主観を交えて、文字として不動産取引のあれこれを発信していきます。

ここで注意すべきことは、最初に設定した「強み」の部分としっかり相関性があることです。たとえば地域性を強みにしている不動産会社であれば、SNSの発信内容も地域情報の発信を行うことが重要になります。

また、継続して発信することも忘れてはなりません。ほとんどの不動産会社が、発信を途中で止めてしまうことで、その後の効果を得ることができなくなっています。中長期的に「しつこく」、「継続的に」情報発信することです。

顧客とのコミュニケーション

「強み」を打ち出し、SNSで定期的に発信すると、徐々にフォロワーが増えていきます。フォロワーに対して、ただSNSで発信するだけではなく、フォロワーとコミュニケーションをとることも重要になってきます。

一番、スタンダードな方法としては、「相談会」です。

とある不動産会社では、インスタライブで「不動産売却のノウハウ」の相談会を定期的に実施しています。またとある不動産会社では、YouTubeでセミナーを告知し、同様の売却セミナーなどを実施しています。少し前まで、こうした取り組みは、不動産投資の営業でよく行われていましたが、今は、売買仲介、賃貸仲介問わず実施されるようになりました。

相談会の時間は1時間程。不動産の取引に関しては、ほとんどの顧客が「素人」です。丁寧に不動産会社として「当たり前のこと」を伝えることがベースになります。またそれと同時に「相談会、セミナーでしか伝えられないこと」もしっかりと伝えていかなければいけません。エリアのトレンドや、高い価格で売却できる方法などがそうです。

また参加者に対しては、セミナー後の「個別無料相談会」などを打診したり、定期的な独自の情報などを発信したりして関係性を構築していくと、より関係性が強くなります。

上記のような取り組みを継続的に実施していくことを前提に、「査定サイトから反響を獲得する」または、「ランディングページ等を作成し、リスティング広告を出す」、「SNS広告を出す」、「チラシ投函を行う」、「紹介客を獲得する」というアクションを実施します。

心情的に多くの不動産会社が、早く売却物件を獲得したいがために、ブランディング施策を打つ前に、上記の獲得アクションを取ってしまいますが、長い目で見ていくと、こうしたブランディング施策をコツコツと打っていくことで、中長期的に物件獲得率が上がっていきます

顧客が不動産会社を選ぶ際は、その不動産会社が信頼に値するか、プロの目線を持っているか、そして早期に、より高い価格で物件を売却できるのか、を重視します。

しっかりと強みを打ち出し、情報を定期的に発信することで、顧客の信頼を得ることができます。また、最後の「早期に、より高い価格で物件を売却できるのか」という視点に対しては、特にSNSでの継続発信が後押しします。たとえば、地域の相場情報の発信やマーケットの発信は、顧客の相場から乖離した希望価格を補正させる効果があります。顧客への情報提供により、「顧客を教育」することで、適正な価格で仕入れることができます。

以上のような施策は、けっしてすぐに効果が出るものではありません。しかし中長期的に計画を立て、それを実行する場合と、全く何もしない場合では、差は大きく生まれます。ぜひ社内で検討してみてください。


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株式会社南総合研究所 南 智仁
株式会社南総合研究所 南 智仁
1978年生まれ。不動産会社に勤務後、大手ポータルサイトに入社。退社後、株式会社南総合研究所を2018年に設立。大手から中小不動産会社様向けに幅広くコンサルタント支援を実施。支援業務として、経営戦略の策定から実行支援。またクライアント独自の不動産業務改善、オリジナル研修等を提供。特に賃貸仲介業の売上向上支援や賃貸管理業務の生産性向上支援は、クライアントから高い評価を得ている。

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