賃貸仲介営業で成果を上げる5つの接客ポイントとは
私は仕事柄、複数社の賃貸仲介の営業のかたとお話をする機会があります。そのなかには、圧倒的な成績を残す営業メンバーもいれば、営業に苦戦している営業メンバーもいます。
面白いもので、各社でナンバーワンの成績を出し続ける営業メンバーの特徴を考えてみると、パッと見た印象で共通しているところは、あまり無いように感じます。年齢層もバラバラ。男性のスタッフもいれば、女性スタッフもいらっしゃいます。見た目も、派手な方もいれば、地味な方もいます。営業スタイルもバラバラです。とにかくグイグイと物件を勧めるタイプのスタッフもいれば、あまり口数が多くなく、重要なポイントのみ伝えるスタッフもいます。
では、こうした各社の優秀な営業メンバーが共通して実施していることは、あるでしょうか?これまでの優秀な営業メンバーの取り組みを振り返ってみると、意外にも共通点がいくつかあります。見た目やスタイルは違えども、接客時の細かいポイントで共通している実施事項があるのです。
今回は、優秀な営業メンバーが接客時に実施しているテクニックをいくつか紹介してみたいと思います。
ちなみに、優秀な営業メンバーの定義とは、「中長期にわたり高い成約率を維持している」ということです。最大瞬間風速のように、一時的に高い営業数字を達成する営業メンバーは、たくさんいます。しかし、中長期にわたり、結果を出し続ける営業メンバーは、そこまで多くはありません。
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初頭効果が高いことは、多くの営業テクニックに勝る
初頭効果というのは、第一印象がその後の相手に対する印象を意識づけるというものです。
たとえば、第一印象が良いと、その後もずっとその相手に対して良い印象を継続的に持ち続けます。逆に、悪い印象だと、相手に対してしばらくの間、マイナスの印象を持ったままになります。
これまで出会った優秀な営業メンバーの人たちで、第一印象が極端に悪い人はいません。明るいかたも、おとなしいかたも、基本的には、第一印象がとても良いかたが多いです。
ちまたには、多くの接客テクニックがありますが、この第一印象の良さを与えるという行為に勝るテクニックは、ないのではないかと個人的には感じます。いくらテクニックを身につけていても、第一印象が悪ければ、意味をなしません。まず、この初頭効果を上げることを徹底的に意識してみてほしいです。
ちなみに、初頭効果を上げる具体的な対策として、
▼ 清潔感
これまでお会いした成果をだす営業メンバーのかたで、清潔感のないかたは、いませんでした。
▼ 表情が豊か
明るい営業メンバーでもおとなしい営業メンバーでも、全員共通して「表情は豊か」でした。無愛想な営業メンバーだと、残念ながら高いマイナスポイントになってしまいます。しっかりと自然に笑顔で対応できる営業メンバーは、とても営業活動において有利に働きます。
▼ ビジネスマナーをしっかり身につけている
これも当たり前ですが、最低限のビジネスマナーを身につけておかなければなりません。名刺の渡し方、言葉遣いなど、あまりにもビジネスマナーのない営業メンバーの第一印象は、かなり悪いです。
▼ 声が通りやすい
大きな声で話す営業メンバーもいれば、小さな声で話す営業メンバーもいます。問題は声量の大小ではなく、その声が「通りやすいか」どうかです。明瞭な声で話す営業メンバーは、やはり好印象を与えます。
当たり前のように感じるかもしれませんが、意外とこうした第一印象の与える影響に気を使わない営業メンバーが多いのも事実です。いま一度、自分の第一印象を検証してみてもよいかもしれません。
ヒアリングに時間をかけることで、顧客の望んでいるものを完全に把握する
優秀な営業メンバーのかたは、ヒアリングに時間をかけていることも共通点のひとつです。問合せた物件について入居時期や動機などを徹底してヒアリングします。これまではコロナ禍で、対面でのヒアリングはなかなか実行しにくい現状がありました。
しかし、そうした状況下でも、優秀な営業メンバーは、オンライン面談や電話などで、しっかりとヒアリングをしていました。不思議なもので、これも優秀な営業メンバーが共通して実施している対応です。
当然のことながら、尋問のようにヒアリングをすると逆効果になります。時折、相場や感想などを伝えながら、うまくヒアリングを進めていくことがポイントになります。
ヒアリングをすると、顧客の「希望の物件」のイメージが対面をしている営業メンバーにもはっきりとわかるようになります。これにより、物件提案がとても楽になります。逆に、売上の安定しない営業メンバーは、ヒアリングにバラツキがあるように感じます。
顧客によってヒアリングに時間かけるケースもあれば、そうではないケースもあると、おのずと売上は不安定になります。どの顧客にも差がなくヒアリングをしっかり行うことが、重要になります。
即レス対応と的確な返答が顧客の信頼を勝ち取る
顧客の質問に対して、即レスすることも営業において重要な要素です。これも優秀な営業メンバーに共通している項目です。これは不動産営業に限らずさまざまな業種の営業に共通しているところではないでしょうか?
では、なぜすぐにレス対応することが重要なのでしょう。基本的に顧客は、四六時中、チャットやメールを見ているわけではありません。ただ、チャットやメールを送信した時点では、顧客は、「パソコンやスマホを開いている状態」です。情報を取得できる顧客に対して、すぐに返信することで、顧客は返信されたメッセージを返しやすくなります。情報のやり取りが活性化されることで、商談が他のライバル会社より進んでいきます。
また、それと同時に即レスすることで、「信頼性」を獲得することができます。営業において顧客の信頼を獲得することは、非常に重要な要素となります。
ただ、即レスをしてもその返答が、質問意図と異なってしまうと、信頼を獲得することはできません。当然のことながら、顧客の質問に「簡潔に、適切に」答えることを忘れてはいけません。
提案時に常に複数物件を比較し、説明することで顧客の検討物件を絞り込むことができる
ヒアリングを行い、希望条件をもとに物件を順番に提案しているだけではなかなか成約率は上がりません。優秀な営業メンバーは、常に顧客が問合せた物件や、基準となる物件と提案した物件を比較しながら説明します。「この物件は問合せされた物件より高いですが、設備が充実しています」のように比較説明をすることで、それぞれの物件の特徴をうまく伝えます。
たしかに、順番に淡々と物件を単体で説明されるよりも、比較しながら説明されることで、顧客の頭のなかで物件情報が整理しやすくなります。これにより、顧客自身も真剣に物件の検討を始めます。
先程述べたように優秀な営業メンバーには、目に見えた共通点はほとんどありません。しかし、この「比較しながらの物件の提案」も、共通している活動のひとつです。
テストクロージングを多用することで、成約率を向上させる
物件提案時に、物件を絞り込んでいく過程で優秀な営業メンバーは、テストクロージングをしていきます。テストクロージングとは、物件提案や内見の途中で顧客に契約の意思確認を行うことです。
たとえば、提案時、気に入った物件のある顧客に対して「この物件を内見して、懸念点なければ申し込みできそうでしょうか?」と質問をしていき、懸念点を払拭することなどがそうです。こうしたオープンクエスチョンを顧客に行うことで、最終的なクロージングがとても楽になります。
賃貸仲介においてテストクロージングをするタイミングは、ヒアリング時、提案時、内見前、そして内見時の4回程度あります。優秀な営業メンバーは、テストクロージングを適宜行い、成約率を向上させます。
以上のように、賃貸仲介業で優秀な成績をたたき出す営業メンバーには共通して実践していることがあります。ぜひ、自身の営業でも実践できているかどうか確認してみてください。
共通して実践している施策
- 初頭効果の活用
- ヒアリングの徹底
- 比較しながらの物件説明
- テストクロージングの実行
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