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不動産テックとは?4つの技術と仲介業での活用分野を解説

DXが推進される今、さまざまな業界でIT技術を活用したビジネスモデルの変革が求められています。

そうしたなか、不動産業界においては、営業活動や契約業務が人の手に依存している部分が多く、IT活用によるビジネスモデルの変化に対応しきれていない会社も少なくありません。そこで活用が期待されているのが“不動産テック”です。

不動産仲介会社に勤める人のなかには、「不動産テックについて聞いたことはあるものの、詳しい意味や技術についてはよく知らない」「どのような業務に活用できるのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。

本記事では、不動産テックの意味をはじめ、不動産テックを支える技術、不動産仲介業務における活用分野について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.不動産テックとは
  2. 2.不動産テックに期待できる効果
    1. 2.1.情報の透明化による取引の活性化
    2. 2.2.業務効率化による生産性の向上
    3. 2.3.取引機会の増加
  3. 3.不動産テックに用いられる4つの技術
  4. 4.不動産仲介業における不動産テックの活用分野
    1. 4.1.仲介業務支援
    2. 4.2.オンライン接客・内見
    3. 4.3.IT重説・電子契約
    4. 4.4.売却物件の価格査定
  5. 5.まとめ

不動産テックとは

不動産テックとは、不動産とテクノロジーを組み合わせた造語です。Real Estate(リアルエステート)やProperty(プロパティ)と組み合わせて、“リーテック”や“プロップテック”などと呼ばれることもあります。 

不動産テックは、IT技術を活用して不動産業界の業務課題を解消したり、従来の商慣習を変えたりできる、新たな価値・仕組みを指す言葉と定義されています。 

不動産仲介業務の効率化だけでなく、新たなサービスや顧客体験の創出などが含まれており、消費者にもよい変化をもたらすことが期待されています。

不動産テックに期待できる効果

不動産テックを活用することによって、次のような効果が期待されています。


情報の透明化による取引の活性化

不動産テックを取り入れると、不動産に関する情報が透明化されて、取引の活性化をもたらすことが期待できます。

不動産業界では、長らく情報の不透明性が問題視されてきました。業界特有の慣習として、仲介会社に情報が偏りやすく、オーナーや一般消費者が取引に不利になりやすいといった問題があります。

不動産テックが普及すれば、ITを通して不動産情報が網羅的に公開されるようになり、売主や買主、貸主、借主、一般消費者が透明性の高い情報を取得することが可能になります。その結果、不動産取引の円滑化・活性化につながるでしょう。

また、不動産仲介会社が不動産に関する質の高い情報を提供することによって、消費者との接点を拡大できるほか、自社の信頼獲得につなげることも可能です。


業務効率化による生産性の向上

不動産仲介会社の業務効率化を図るうえでも、不動産テックが有効です。

不動産仲介会社の業務は、物件情報の更新や問合せ対応、内覧、契約書面の作成など、多岐にわたります。これらの業務を人の手で行っている場合、担当者の業務負担が大きくなり、コア業務に注力できなくなるといった問題があります。

不動産テックを活用して、業務の一部を自動化・デジタル化すれば、業務効率の向上や生産性の向上にも貢献します。


取引機会の増加

不動産テックを取り入れることで、取引機会の増加も期待できます。

対面で顧客対応を行う場合、顧客に店舗まで足を運んでもらう必要があります。不動産テックを取り入れて、オンライン上での接客や内覧、電子契約ができる仕組みを構築すれば、場所・時間の制約の解消が可能です。

場所・時間の制約が解消されて利便性が高まることで、これまで場所・時間の都合が合わずに来店や内覧ができなかった顧客との取引機会が増える可能性があります。

不動産テックに用いられる4つの技術

不動産テックに用いられるIT技術には、大きくVR(Virtual Reality:仮想現実)・AR(Augmented Reality:拡張現実)、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、AI(Artificial Intelligence:人工知能)、ブロックチェーンの4つが挙げられます。

それぞれのIT技術と活用シーンは、以下のとおりです。

▼不動産テックに用いられるIT技術


技術

活用シーン

①VR・AR
  • VR:コンピューター上に現実世界のような仮想空間をつくり出す技術
  • AR:現実の風景にデジタルコンテンツの視覚情報を重ねて表示する技術
  • VR:擬似内見
  • AR:家具・レイアウトのシミュレーション
②IoT
ITデバイスだけでなく、あらゆるモノとインターネットがつながる技術
  • スマートホーム
  • スマートロック
  • Webカメラによる物件内のチェック
  • 入退室管理システム
③AI
  • 人間の動作・知能をコンピューターが自動で行う技術
  • 蓄積したビッグデータを基に解析・処理を行う技術
  • 市場分析
  • 不動産価格の査定
  • 物件マッチング
④ブロックチェーン
端末同士を接続して、暗号化技術を用いて分散的に処理・記録するデータベース技術
  • 取引情報の管理・共有
  • IT重説(※)
  • 電子契約

※IT重説とは、賃貸借契約・売買契約における重要事項説明をWeb会議やビデオ通話などのオンラインサービスを活用して行うもの。

不動産仲介業における不動産テックの活用分野

不動産テックは、不動産仲介業のさまざまな業務に活用できます。ここでは、主な活用分野について解説します。


仲介業務支援

不動産の仲介業務を支援するために、不動産テックを用いたさまざまなシステムが登場しています。

不動産業務支援システムを活用することで、業務効率化や情報共有の円滑化、集客数向上などが期待できます。

不動産業務支援システムに備わっている仲介業務に関する機能には、以下が挙げられます。

▼業務支援システムの機能

  • 賃貸・売買物件のポータルサイトへの一括入稿
  • 物件確認の自動応答(電話やAIチャットボットなど)
  • 不動産仲介会社間での流通情報の配信
  • 顧客管理による自動追客 など

なお、不動産業務支援システムについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

 ≫ 不動産業務支援システムとは? 導入メリットと選び方を解説


オンライン接客・内見

不動産テックは、対面での接客や内見のサポートをオンライン化できるシステム・サービスにも活用されています。ITツールやAI、VRなどを活用することで、以下のような対応が可能になります。

▼不動産テックを取り入れたオンライン接客・内見の対応例

  • 物件探しや問合せ、内見予約のチャット対応
  • AIによる問合せ対応、物件提案
  • VR・ビデオ通話を活用した内見の実施

オンライン上で接客・内見ができるようになると、現地へ足を運ぶための移動時間やコストを削減できるようになり、業務の効率化を図れます。

また、顧客は自宅から物件紹介を受けたり、内見できたりするため、遠方に住む人や仕事や家事で忙しくて来店を諦めていた層の集客も期待できます。

VRを用いた内覧のメリットや導入時の注意点については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

 ≫ 【不動産業界のトレンド】VR内覧のメリットと導入時の注意点を解説


IT重説・電子契約

不動産テックを活用して、重要事項の説明をパソコンやスマートフォンなどで行うIT重説や電子契約も可能になります。

IT重説ができるサービスを利用すると、契約締結時に必要な重要事項説明をオンライン上で実施できます。また、電子契約サービスを利用すると、賃貸借契約・売買契約の契約書作成や処理、管理などを行えるようになります。これらのサービスを活用することで、契約業務の効率化や取引の円滑化につながります。

IT重説や電子契約に関する内容は、こちらの記事で解説しています。

 ≫ 宅地建物取引業法の改正で電子契約開始! 背景や改正内容を解説


売却物件の価格査定

売却物件の価格査定にも不動産テックを活用できます。不動産売却を検討しているユーザー向けに、以下のようなサービスを導入することが可能です。

▼売却物件の価格査定に関するサービス

  • データベースの閲覧(過去の取引価格、市場価格の推移)
  • AIによる売却価格査定

オンライン上で物件の査定を行えるため、不動産売却の検討段階にいる顧客層にも利用してもらいやすくなります。

AIを活用した不動産査定については、こちらの記事をご確認ください。

 ≫ 不動産のAI査定とは?サービスを導入するメリット・デメリット

まとめ

この記事では、不動産テックについて以下の内容を解説しました。

  • 不動産テックの意味
  • 不動産テックに期待できる効果
  • 不動産テックに用いられる4つの技術
  • 不動産仲介業における不動産テックの活用分野

不動産テックには、不動産業界の業務課題解消や、従来の商慣習の変化、ビジネスモデルの変革による新たな価値創出などが期待されます。

VR・ARやIoT、AI、ブロックチェーンなどの不動産テックの技術は、不動産仲介業におけるさまざまなシーンで活用できます。不動産仲介業務の効率化や顧客への新たなサービスの提供、DXの推進などに向けて、不動産テックを取り入れてはいかがでしょうか。

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